森井 沙季
Morii Saki
「規範化された理想」に対しての嫌悪と疑心が自身に潜在的に組み込まれている。学部4年の時に制作した作品には永遠の愛に対する皮肉と疑心、そして所謂「普通の恋愛」が異性である違和感を元に制作した。これら「ステレオタイプ」は、束縛などのしがらみという形で我々を苦しめるものとして漠然と存在している。今回のモチーフであるウェディングドレスも「規範化された理想」の一つである結婚を象徴するものだ。
楊 璐陸
Yang Lulu
技術が人類を解放すれば、人類は自由になるのですか?監視カメラは公共の安全を守り、犯罪行為を拘束するために設置されていることである。そのために、社会中のすべての人々が犯罪者であり、監視と拘束する必要があると仮定するか?デジタルの社会において、個人と公共のあいた間での壁が破られた。人々の活動はほとんど、データベースに記録された。国民のプライバシーが侵害される過程中で、技術の応用と権力の等級差により、主催の地位を占めるのは経済権力を持っている商業組織と政治の権力を所有する政府機構のことである。国民と権力機構の間に溝が生じ、社会の不公平現象を深刻化する 。 インターネットの時代に人々はデジタル化の生存状態に入り、 メディア技術はほとんど人々の生活のあらゆる面に浸透した。 ノープライバシー現実にようこそ?!
王 以琳
Yilin Wang
命の形は何でしょうか。
見える身体だけではなく、私達の流れる血液で動く心臓の鼓動と、吸気と排気、返り繰す呼吸を感じられる。
魂と感情は体の中で波のように畝り続けている。
イノチはこの目で見えないが実際に存在している。
私達の裏には赤潮-アカシオ-がある。
岡 はるか
Oka Haruka
消防士である父にインタビューし、その記憶にまつわる場所を撮影した。その写真を元に対談し、父の記憶とどう関われるのかを探る。当事者である父と非当事者である私の間にある埋められないものの表現を試みた。
関 仲元
Guan Zhongyuan
中国語で「門鏡」とは、外部を観察できるようにドアに設置した小さな穴、つまりドアスコープのことである。それは人に安心感を与える光学機器でもある。現代社会において、一人暮らしはごく普通のことだ。生活的な面だけではなく、精神的な面においても「一人暮らし化」は進んでいる。テンポが速い日常や急速に発展する科学技術などにより、人々はわだかまりに満ちた内的世界を養うようになった。人と人との間には超えられない門鏡があり、一部は見えるがそれがすべてではない。自分自身の心との間にも同様に門鏡が存在しているのかもしれない。新型コロナウイルス感染症の影響によって、ますますそうした門鏡の存在が明らかになってきたと思う。
この作品は、人々を観察し、自分自身と他人との間の隔たりやわだかまりが存在するという現象と、その現象に対する個人的な考えの両方を表現することを目的としています。撮影は多重露光と長時間露光を組み合わせ、筒状鏡面シールを使用し、Photoshopによる画像調整は行っていません。
朱 佳銘
Jiaming Zhu
記憶再生は何でしょうか。
記憶主体として「人間」は単なる流動体に過ぎない。 従って、記憶再生を通じて、自分を省みて「自己」を脱構築し、自分が変化してきた原因を探し、 記憶、意識、自己の三つの関係性を考える。 また、記憶再生の目的は、過去を全てそのまま再生するのではなく、変化を脱構築することであ る。
変化万象の未来に積極的に直面し、どのような新しい記憶が生まれるのも期待している。
R E M A
R E M Aは、変化する自然物に対して影(イメージ)を焼き付ける行為を探求してきた。葉や古柱などの有機物に、生き物の輪郭やことばをレーザーによってドローイングする。ドローイングを施した葉の写真作品は、ネガポジ反転によって毒々しくも鮮やかな葉形を浮かびあがらせる。仔細な葉脈に描線が刻まれた葉影は、自然の造形と人の営為が交わる複雑な世界の関係性を表象しているようだ。 ところで、本作のタイトルに含まれる「道路、地図、刑務所」は、彼女が影響を受ける小説家キャシー・アッカーのテクストから引用したものだ。カットアップを多用したアッカーのように、様々なことばやイメージを折り重ねることで、儀式や宗教から、社会の周縁的なものや多岐にわたる生命への多元的なまなざしが垣間見える。
ハン エツ
Fan Yue
『Escape』は三つのドローイングアニメーションで構成される。ジェンダー、電線とデモを創作の対象物にするのは、複数の層でEscapeというテーマを表現したいからである。私は「Escape」ということが、常に今の在り方を疑う意味を持つと思う。その意味で「Escape」の裏面には、「探す」が存在する。という思考から、『Escape』が生まれた。
菱野 裕馬
Hishino Yuma
都市郊外に流れるそこそこの満足。安価な建材で作られたそれなりに快適な生活。本物になれないと分かりながらもそれを模倣する様。生活という持続性が優先される秩序と都市資本による経済活動。に方それぞれの目的・手段の重なりによって郊外特有の富んでもおらず、貧しくもない中間の温度は保たれている。同じ郊外生活者でありながら、観察者としてフィールドワークを続けていると、様々な重なりの上にある彼らの生活感覚が見えてくる。空間のあり方に従属するように行われる営みは、滑稽にも見えるとともに不思議な親しみと愛おしさを覚える。
● 美術工芸領域 彫刻・立体造形、染織、映像・メディア
▶︎ デザイン領域 アニメーション、マンガ、キャラクターデザイン
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