王 若菡
Wang Ruohan
既存の絵画を幾何形態による絵画を再構成する作品制作を探究する。私にとって幾何形態は物質の形態に対する高度な概括であり、現実に存在する複雑で特有な形が簡略化された視覚的形態に与えるものである。典型的な抽象化された形態であり、その視覚表現は伝統的な表現から脱却する。したがって、歌川広重の『名所江戸百景』をモチーフに、絵師が描いた風景画のそれぞれの要素をシンプルな幾何形態に置きかえることで、自然により生み出された「かたち」に魅了され、各エレメントを再構成することで、グラフィックコミュニケーションの重要性を、改めて感じ理解した。
ガルシア ラモス ルドウィン エマヌエル
Garcia Ramos Ludwing Emmanuel
グアテマラの高齢消費者では、長い間見過ごされてきました。薬品のパッケージの場合でもそうです。薬品であるように生活に大きな影響を与える場合には、許されるべきではないものです。そこで、色で見分けやすいパッケージのシリーズを作り、それにパッケージに使える書体も作成してみました。グアテマラでは日本と違って薬を買うときに箱を持ち帰られるのでどこかにポンと置く習慣があります。なので見るたびに見分かれるパッケージをデザインするのが重要だと思います。
胡 博寧
Hu Boning
古くは「明州」と呼ばれていた中国東南部の港湾都市・寧波では、唐、宋時代から海外貿易と文化交流事業が繁栄している。そして千二百年以上の時を経て、茶の生産と貿易を主軸とした「茶港」と禅宗東伝の聖地としての寧波は、歴史深い茶文化と禅文化を誇っている。その両者を融合し、寧波地元で発祥した「黙照禅」の思想を飲茶に取り入れることによって、地域文化を生かした寧波の喫茶の風習を情報発信のベースとして提案した。この一冊の「明州禅茶記」を持って寧波の禅茶の理念と歴史・由来を記録し、飲茶によるコミュニケーションとしてまとめた。
千年の歴史を持つ寧波の禅茶文化のイメージに合わせるため、書籍の装丁に伝統的な線装が用いられている。また用紙として和紙(書道紙)を使用し、全体的に古典的な表現を追求している。
表紙に施された水玉の青海波文様は、港湾都市の寧波が海との繋がりを象徴している。そして地色の緑も茶の湯を意味し、色と図案の使いを通して本の主題と内容を表紙のデザインに表現している。
寧波の禅茶・黙照茶の中心思想を表現するため、また作品「明州禅茶記」の展示を兼ねて、喫茶の空間としての茶室を設けた。
日本の伝統的な茶室と比べてより開放的な空間を持つこの茶室は、外部の風景・音を遮断せずに受け入れる「照」と、ひたすらに茶を飲む「黙」の理念を体現している。また禅宗と共に伝来した「暖簾」と座禅によく使われる蒲団も、禅文化との繋がりを示している。
曾 憲耀
Zeng Xianyao
人と都市の共生、都市と文化の共生、あるいは都市と自然の共生などをテーマとした「Symbiosis:京都現代芸術祭2021」というフェスティバルを想定し、そのVI(ビジュアル・アイデンティティ)を制作した。展覧会、講演会と交流会、個々のイベントから全体をトータルに統合させるグラフィックイメージを創造する。全体のキービジュアルは、テーマから無味、無形、無色透明の物質である「水」をモチーフとした。異なる大きさの水滴を様々な形態に融合させ、最終的に一つ有機体になるプロセスが今回テーマの具現化だと考えている。そこで、水の融合をキービジュアルにし、様々な領域の対話の繋がりをオーガニック的な融合形態でイベントのグラフィックイメージを表現した。
陳 慧瀅
Chen Huiying
「古都京都百感」は、松本章男の『京都百人一首』に編集された和歌百首をモチーフに「視覚詩」として制作した100枚グラフィックシリーズ作品だ。百首には、京都の四季の風土、歴史的な風景、愛恋の感情、先人たち京都への強烈な愛が存分に演出されていることが感じとれる。「掛軸」のプロボーションを参考に制作したこの作品を通して、現代の私とかつての京都の風情との間に、時間と空間を超えるコミュニケーションを表現した。
マオ ユウェイ
Mao Yuwei
私は制作している作品のどれもが、女性がモノ化され、自我モ ノ化されている事実と 現状を表しており、被害者女性たちが生きている世界を語っている。では、傍観者としての私たちは彼女らの世界中の一人であるかもしれないし、女性をモノ化される役割も担っているかもしれない。彼女たちは私たちであり、私たちも彼女たちである。彼女たちは社会の思想に支配され、我々大衆の目に支配されている。でも、もし女性たちは社会通念に縛られたくないためには、自分自身の意識に目覚め、自分の人生をコントロ一ルすることが必要ではないでしょうか。
熊 靚瑶
Xiong Jingyao
デザインはコミュニケーションであり、感情の表現でもあり、人とものとの交流である。健康のために目の体操の提案をして、楽しくマッサージができたり、ツボを押したりすることができる紹介本を作成した。新しい文化を学ぶことで、世界の違いを発見し、文化の伝播によって中国と日本の対話を促進したい。
リュウ イシュ
Lyu Yishu
『あのときの王子くん』(「星の王子さま」大久保ゆう訳)を参考に癒やされる書物(親子向けの8冊と社会人向けの1冊)を制作します。
親子で対話することを作るため、この本を星の物語によって8冊に分けて制作しました。本は壁掛け収納できるように宇宙マップに入れています。親子は8面体のサイコロをふってある星の物語を見つけることができるようにしました。各冊のデザインは星の特徴によって変えています。『あのときの王子くん』は大人も子供も読める本なので楽しいインタラクティブな内容を加えることで、親子で物語を読みながら、互いに理解し交流を深めることを目的にしています。
『あのときの王子くん』を比べながら読むと、不思議な宇宙旅行をすることができます。旅行をイメージしてスーツケースのように本をデザインしました。開けたら旅行に必要なもののように見えます。それぞれのページの裏は物語の内容になっています。このような形から読む雰囲気を作り、読むひとびとを不思議な世界に連れて行きたいです。
▶︎ デザイン領域 アニメーション、マンガ、キャラクターデザイン
● デザイン領域 グラフィックデザイン
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