REPORT2025.06.20

教育

2025年度 優秀学生賞 授賞式 — 3年間の学びの成果を胸に次の目標へ

edited by
  • 上村 裕香

優れた活動成果を収めた4年生を讃える2025年度「優秀学生賞」の授賞式が6月13日(金)、京都芸術大学内のギャルリ・オーブで開催されました。

「優秀学生賞」は、3年次までの研究・制作活動、課外活動などをもとに、学生生活において秀でた4年生を表彰し、激励する制度です。厳正な審査を経て、2025年度は64名の学生が選抜されました。


3年間の学びの積み重ね

授賞式には選抜された学生が出席し、教職員からお祝いの言葉と賞状が贈られました。

学生部長の岸本栄嗣准教授は「優秀学生賞受賞、おめでとうございます。今日出席されている4年生のみなさんは、2022年4月に本学に入学されました。新型コロナウイルス感染症の影響で、高校生活を納得のいく形で締めくくれなかった方や、大学生活への不安を抱きながら入学された方もいらっしゃったんじゃないかと思います。だからこそ、大学生活をよりよいものにしたいという思いを、ほかの時期に入学された方よりも一層、強くお持ちだったんじゃないでしょうか。この賞は、ひとつの作品やひとつの論文に対して贈られるものではなく、GPAなども含めた、3年間積み重ねてきた学習の成果を表彰するものです。近年、社会ではコスパ、タイパといった言葉が多く聞かれるようになりました。効率重視で物事を進めていくことは悪いことではありませんが、歩むべき回り道、自分の興味関心以外のものに向き合う時間も大切なプロセスです。受賞者のみなさんが、学科の授業やプロジェクト、自主制作などに地道に取り組んでこられた3年間の積み重ねが、今回の受賞に結びついているのだと思います。これからも、思い切って卒業制作や研究に挑戦していってください」と、この賞の趣旨を説明し、受賞した4年生に激励を送りました。

次に、荒川朱美副学長から、各学科の代表者それぞれに表彰状が贈られ、会場は大きな拍手に包まれました。

荒川副学長は「受賞者のみなさんの中には、『優秀学生賞』という名称に、面映い思いをされている方もいらっしゃるかもしれません。『クラスメイトの中で飛び抜けて優秀なわけじゃない』と決まり悪く思っている人もいるかもしれません。今日は、みなさんの学科の代表として賞を受け取ったと思ってください。クラスメイトの代表として、一日一日を大切に、学びを積み上げ、その成果が結実したというふうに考えてみてください」と、今回表彰された学生の心情に思いを馳せました。

また、ギャルリ・オーブ入口壁面に展示されている、受賞者64名の研究・制作活動、課外活動を紹介するパネルについて触れ「受賞式がはじまる前に、ギャルリ・オーブ入口のパネルを読ませていただきました。それぞれの学科で、みなさんが真剣に専門領域での学びを深めてこられた様子がよく伝わりました。これから卒業制作に取り組み、進学や就職と歩みを進める中で、これまでの学びを活かしていきたい、社会のためになる活動を行っていきたいという気持ちがとても伝わってくる素晴らしいパネルでした。この大学で見つけたもの、身につけた力を活かして、これからもどうぞがんばってください」と激励の言葉を述べました。


さらなる活躍に向けて

授賞式には、各学科の先生や副手、学科事務担当など、学生の日々の学びを見守る教職員がかけつけました。保護者のように、自分の学科の代表学生を写真におさめようと奮闘する姿が微笑ましいです。
それに応えるように、授賞式後の記念撮影では、みなさん晴々しい表情で、賞状を誇らしげに掲げてくれました。

荒川副学長が紹介されたギャルリ・オーブ入口壁面のパネルの前でも多くの学生が記念撮影をしていました。教職員や友人に笑顔で報告し、さらなる活躍に想いを新たにする姿が印象的でした。

プロダクトデザイン学科プロダクトデザインコース4年の藤永悠生さんは「これまで『ささやかな幸せ体験』を大切にしながら、家電などの生活に関わるプロダクト制作を学んできました。1〜2年生のころは『これでいいのかな』と迷うことも多かったので、こうして『優秀学生賞』という形で成果を表彰していただけてうれしいです。プロダクトデザイン学科で学んできてよかったなと思います」と喜びの言葉を語り、「社会に出てからも、これまでに学んだことを活かして、5年後10年後も『暮らしに関わるプロダクト』をデザインし続けていきたいです」と今後の目標を話してくれました。

文芸表現学科クリエイティブ・ライティングコース4年の山﨑蒼依さんは、ことばによる表現を探求し、脚本や記事の執筆、冊子制作に取り組んできました。「これまでの授業での制作を通して、ことばを社会に届けることの難しさとおもしろさを学ぶことができました。学科で『ことば』を大切にコツコツと制作に取り組み、学びを積み重ねてきた成果がこのような形で結実してうれしいです」と笑顔で語りました。

ギャルリ・オーブ入り口壁面の紹介パネルは、2025年6月25日(水)まで展示されています。お立ち寄りの際はぜひご覧ください。
受賞された学生のみなさん、誠におめでとうございます! 今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。

― 2025年度 優秀学生賞 受賞者 ― ※順不同・敬称略
【美術工芸学科】
宮崎 彩香、高瀬 優月、野口 夏萌、柴田 果歩、HUANG JIAYI、岩井 満里奈、後藤 舞衣、下山 貴弘、今西 里英、村井 日菜子、PARK JEONGJIN

【マンガ学科】
多田 汐音、水野 美空、谷藤 千早

【キャラクターデザイン学科】
CHIN HSIAO YUAN、佐竹 海龍、杉山 美晴、吉田 はな、KWON SEOJIN、CHAE HANA

【情報デザイン学科】
藤本 朋夏、LEE Yuchan、林 和香、後藤 寿々菜、清水 みなみ、速水 美空、北村 彩菜、TU YIXIN、有田 茉生、池上さくら

【空間演出デザイン学科】
瀬戸 ましろ、岩崎 青依、串畑 聖奈、菊川 結衣

【環境デザイン学科】
谷 青志郎、荒島 和、安藤 一花、小川 華果

【映画学科】
角 はるな、島田 美乃莉、小西谷 柊、高塚 翔、岩坂 桂、今村 紅葉

【舞台芸術学科】
倉田 春奈、三隅 咲希、福田 真大、大塚 芽依

【文芸表現学科】
山崎蒼依、高橋和太郎、呉谷夏生

【アートプロデュース学科】
濱野 直生、小塩 蕗香

【こども芸術学科】
知念 叶、三浦 幹太

【歴史遺産学科】
杉本 あみ、川井 紗那

【プロダクトデザイン学科】
建木 紫邑、戸田 昇希、瀬永 莉子、藤永 悠生、市岡 瑞季、宇都 翔太、三木 心暖


(文=上村 裕香、写真=花田 響)

 

 

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  • 上村 裕香Yuuka Kamimura

    2000年佐賀県生まれ。京都芸術大学 文芸表現学科卒業。2024年 京都芸術大学大学院入学。

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