李 章鎬
Lee Jangho
風水と家相は迷信だと言われているが、それは迷信の部分だけに焦点があてられたからである。風水と家相は古代からの建築基準法のようなものであり、先人たちの知恵が溶け込んでいる建築設計方法である。数多くの人が研究をしていたし、現代でも研究が続けられている。
私が作った作品は、日本現代建築家であり、家相を研究した清家清について、彼が設計した40年間の住宅作品を調査し、彼の住宅空間がどのような形で変化したかを視覚的に表現しようとしたものであり、彼が考えている家相の科学とは何かについて考究した作品である。
國本 真美子
Kunimoto Mamiko
in 4d — delay, dimension, distance, discomfort ,
COVID-19は、マスメディアを媒介とすることで、人々の生活に入り込み、時間・空間、そして人間の身体に根深く蔓延った。媒介の一つとなった新聞記事と、本来外部の自然環境によって可変させる障子との重ね合わせから、流動的な現代を映し出す。
談 辰
Tan Chen
ブラジルの女性建築家リナ・ボ・バルディによる1968年建設の「サンパウロ美術館」を再読し、建築家研究・時代背景研究・図面研究を経て、空間の特徴を理解し、新たに敷地を選んで現代の美術館を設計した。
敷地は周辺の交通が複雑であり、線路との関係が深い大阪梅田に設定する。前面には村野藤吾が1963年に設計した梅田換気塔、背景には大きな赤い観覧車がある。
交通レイヤーにおいて人々のための建築レイヤーを作り、アートを日常生活の中に存在させることを目指す。
趙 晋芸
Zhao Jinyi
「クラインガルテン」とは、ドイツ語で「小さな庭」を意味し、19世紀後半以降ドイツで誕生し、現在では都市近郊型の市民農園に発展した。大半は1年契約の賃貸制度となり分譲型である。野菜、草花、果樹の畑に、簡単な作業小屋が併設されるのが一般的だ。現代の都市開発は自然環境を破壊し、生活の圧力は人々を忙しくさせている。本設計作品は、クラインガルテンとコートハウスを組み合わせて、人と自然環境との接触機会を増加させる。都市の人々が田園生活を通して農園生活への理解を深め、都市生活からの圧力が緩和され、交流の機会を増やすことが本作品の目的である。
唐 韜
Tang Tao
人の感情や個性の拡張によってニーズが増える。 そのため、現有空間を突破し、自分の領域を広げる。 そこでは、内包した都市の多様な表情が出会い、 新しい多様性が生まれる。 その拡張を支える場を「仮設」と呼ぶ。 その「仮設」を通して、都市の過去と繋ぐ、 未来の創出を望む。
賑わいを持つ路地に着目し, 建物前面空間の領域化と私的な利用実態、そして両者によって形成された効果を調査、分析した。そこで「拡張」という概念を捉え、公共駐車場と駐輪場に、仮設物を通して、路地空間の 継承方法と都市の新しいパブリック空間を模索する「実験体」を提案した。
李 庚津
Li Gengjin
モダニズム建築は、浮遊するほど軽やかになることを最終目的として追求している。ドミノ・システム、近代建築の5原則、「in the great days...walls were thin as possible」——Le Corbusier 1923 などはそれを証明した。しかし、その究極の目標はモダニズムの生誕国ではない日本において妹島和世、石上純也に代表される建築家たちによって実現された。
この作品は、重さで有名な住吉の長屋を例として、囲む構造である壁が徐々に薄くなり、消えるまでの流れの中で、建築の本質はどのように変化するか、について考究するものである。
李 佳偉
Li Jiawei
我々が生きている三次元世界とは一体なんだろう。
点が線に、そこから面に、立体に、空間に、宇宙に
何もない0から1に、2に、3に…
1~2の中に1.5を求める、2~3に2.5を求める。
世界の輪郭を溶かし、滲まし、2.5を探る。
張 鄭ショウ
Zhang Zhengjie
「雲海」は廬山ならではの瞬間的な風景を生む現象である。それは半透過性をもった光と影の交錯した感覚からなっている。そこに、日本庭園から由来した「生成感覚」(定義:自然が 客体から主体に変わる感覚である)の視点も参考にしつつ、廬山という中国の代表的な環境と文化を象徴する場所において自然と人間の関係を再考し、「遁世」というコンセプトを設計に応用する。
董 高劭
Dong Gaoshao
宗教空間は昔から人々の交際と活動を支える場所として、その生活の中で非常に重要な役割を果たしてきた。Religious place(宗教場)に対する研究は現代社会において今もなお文化の伝承と発展に貢献している。中国を経由して日本に伝えられてきた仏教は、現代もなお、社会の様々な局面において大きな影響を与え続けている。
大阪は西日本最大の都市であって、古来からユーラシア大陸との架け橋として発展してきた。その長い間に、日本における重要な経済的地位を占めるに至った。本研究は仏教を伝える大阪寺町を例として、宗教場と現代都市との繋がりとその発展の可能性を探る。
▶︎ 美術工芸領域 彫刻・立体造形、陶芸、染織、映像・メディア
▶︎ デザイン領域 イラスト、アニメ、マンガ、絵本、キャラクターデザイン、ゲーム
▶︎ デザイン領域 グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、情報デザイン
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