COLUMN2019.03.25

京都教育

通信教育部の卒業制作展と生涯学習-瓜生山歳時記#31

edited by
  • 尾池和夫
  • 高橋 保世

 2018年2月にも、卒業の季語をテーマとした。そのときには主として通学部の卒業制作展のことを紹介した。「卒業」は仲春の季語であり、傍題として、卒業生、卒業式、卒業期、卒業証書、卒業歌などがあげられる。昨年の東京での卒業制作展のテーマは「シュレディンガーの猫」2018年2月にも、卒業の季語をテーマとした。そのときには主として通学部の卒業制作展のことを紹介した。「卒業」は仲春の季語であり、傍題として、卒業生、卒業式、卒業期、卒業証書、卒業歌などがあげられる。昨年の東京での卒業制作展のテーマは「シュレディンガーの猫」であったが、今年、第2回目となる東京展のテーマは「宇宙船地球号」であった。

 東京展の内覧会の挨拶の中では、音の重要性についても触れた。5感のすべてを動員する展覧会であってほしいと私は願っている。その点、色については同じ東京都美術館で開催されている「寄贈の系譜展」での鮮やかな色使いが素晴らしいと思った。

 

卒業の空のうつれるピアノかな  井上弘美

 

 21世紀の大きな特徴の一つは、生涯学習の時代という点にある。瓜生山学園は文字通り、その生涯学習のニーズに応えることのできる学園であろうとしている。2019年の4月には、認可保育園こども芸術大学を開設し、また通信制の高等学校を始める。文字通り1歳から96歳までが学習実績を持つ学園となる。

 通信教育部での授業を私も受け持っているが、今年は8月に集中講義がある。「天文学・地文学・人文学への階段」という題が付いている。天地人、つまり三才の世界のさまざまな知識を学んでいただきながら、人間とは何か、芸術とは何か、平和とは何かを一緒に考えて行きたいと思っている。

 通信教育部の2018年度卒業制作展は、2019年3月10日(日曜日)から17日まで行われた。その前日の午後、卒業生たちが展示の仕上げを見て回る予定であったが、3月8日の早朝、心房細動がひどくなり、息苦しくなったために、京大病院の救急外来へ行き、そのまま入院することになって、3月16日の卒業式の日にようやく一部を見ることができた。環境デザインコースの水谷奈津子さんの作品「Quattro wave -交差点の宿場町に広がるにぎわいの波-」は、東海道五十三次の53番目の宿場町の大津市をテーマに、現代の宿場町を提案するもので、たいへんわかりやすい、にぎわいの町を見せてくれて、とくに私の印象に残る作品であった。

 

新人類登場漫画卒業展    和夫

 

 

◎東京展「KUAD ANNUAL 2019 宇宙船地球号」

【会期】2019年2月23日(土)~2月26日(火)【会場】東京都美術館 1階第2・第3展示室

本展のキュレーターは、森美術館副館長兼チーフキュレーターの片岡真実教授。会期中には約2300名の方が来場。
片岡教授の指導のもと、試行錯誤をを繰り返した24組32名の学生の作品を展示。
会期前2月22日(金)に行った内覧会の様子。片岡教授のギャラリーツアーを実施。(写真:顧剣亨)
内覧会後に開催されたオープニング・レセプション。約250 名の方にご参加いただいた。(写真:顧剣亨)
小山薫堂副学長による乾杯の挨拶で、レセプションパーティーがスタート。展示学生とご来場のみなさんとの新しい縁が生まれた。(写真:顧剣亨)

 

◎京都造形芸術大学(通信教育)卒業・修了制作展(写真:高橋保世)

【会期】2019年3月10日(日)~3月17日(日)【会場】京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス

学長賞を受賞した美術科写真コース 淡河佳代さんの作品
学長賞を受賞したデザイン学科建築デザインコース 水谷奈津子さんの作品
本展会期中の3月16日(土)には、本学通信教育部の学位授与式・卒業式が執り行われ、式典にご参加のご家族・ご友人のみなさんと一緒に卒業生が作品を見てまわる姿が多くみられた。

◎2018年度 京都造形芸術大学通信教育部 デザイン科/Web卒業制作展(会期:2019年3月10日~6月30日): http://t.kyoto-art.ac.jp/websotsuten/

◎2018年度 京都造形芸術大学通信教育部 芸術教養学科WEB卒業研究展: http://g.kyoto-art.ac.jp/

(文:尾池和夫、写真:高橋保世)

  • 尾池和夫Kazuo Oike

    1940年東京で生まれ高知で育った。1963年京都大学理学部地球物理学科卒業後、京都大学防災研究所助手、助教授を経て88年理学部教授。理学研究科長、副学長を歴任、2003年12月から2008年9月まで第24代京都大学総長、2009年から2013年まで国際高等研究所所長を勤めた。2008年から2018年3月まで日本ジオパーク委員会委員長。2013年4月から京都造形芸術大学学長。著書に、新版活動期に入った地震列島(岩波科学ライブラリー)、日本列島の巨大地震(岩波科学ライブラリー)、変動帯の文化(京都大学学術出版会)、日本のジオパーク(ナカニシヤ出版)、四季の地球科学(岩波新書)、句集に、大地(角川)、瓢鮎図(角川)などがある。

  • 高橋 保世Yasuyo Takahashi

    1996年山口県生まれ。2018年京都造形芸術大学美術工芸学科 現代美術・写真コース卒業後、京都造形芸術大学臨時職員として勤務。その傍らフリーカメラマンとして活動中。

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