REPORT2025.09.24

教育

学生50名が手がけた「学生のための、学生が作る夏祭り」と芸術教養科目の成果発表展の舞台裏・当日の様子をレポート!

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  • 京都芸術大学 広報課

2021年から京都芸術大学で行われている夏祭りイベント「瓜生山大作戦」が今年も9月16日(火)に開催されました。昨年からはじまった芸術教養科目の成果発表展「芸教祭」も9月12日(金)から16日(火)に開催され、ふたつのイベントをつなぐスタンプラリー企画も行われました。

今回の記事では、このふたつのイベントを手がけた「芸教祭・瓜生山大作戦プロジェクト」のメンバーに成果発表展・夏祭りのテーマやコンセプト、イベント開催までの苦労などをうかがいました。また、ゲーム企画あり、フード提供あり、盆踊り・豪華抽選会ありの、京都の暑い夏を締めくくるにふさわしい活気あふれる夏祭りの様子をレポートします!


「納涼」テーマで作る学生主体イベント

「芸教祭・瓜生山大作戦プロジェクト」は今年度からはじまったリアルワークプロジェクトで、1年生から4年生まで、様々な学科に所属する学生50名が4月からミーティングを重ね、イベントの企画・運営を行ってきました。
今年で5回目を迎える「瓜生山大作戦」は学生が主体となって運営する、学生同士の交流を目的としたイベントです。昨年までは、学生自主企画団体「おCHA★かい」が運営していましたが、今年度はリアルワークプロジェクトのメンバーが引き継ぎ、実施しました。

マネジメントスチューデントとしてプロジェクトメンバーをまとめる役割を担った中野萌々子さん(染織テキスタイルコース4年生)は、実は昨年の「瓜生山大作戦」にも関わっていたそう。自主企画団体のメンバーとして「瓜生山大作戦」を運営していたものの、資金集めや申請許可などで苦戦したといいます。プロジェクトとして再スタートを切り、運営の体制も変わった今年度は、昨年度と違う苦労があったと話します。

中野さん:プロジェクトメンバー50名で1つのイベントを作り上げるにあたって、様々な要素ややりたいことがある中で、コンセプトを決めるのが難しかったです。最終的にみんなで決めたコンセプトは「学生のための、学生が作る夏祭り」。みんなの意見をすり合わせて、何度も話し合いを重ねて決めました。そして、夏祭り全体のテーマは「納涼」です。コンセプトとテーマに合わせて、水鉄砲を使ったゲーム企画やかき氷の提供など、参加した学生に涼しさを感じてもらえる企画を用意しました。

広報と制作の統括を務めた柿沼菜花さん(キャラクターデザインコース|3年生)は、こちらのメインビジュアルを担当しました。「すこしすずんで、またすすむ」という、テーマを反映したメインコピーと鮮やかな夕方の情景が印象的なメインビジュアルです。

柿沼さん:メインビジュアルは人間館のピロティから眺めた夕日をイメージして描きました。大学から見る夕日ってなんだかホッとするなと思って、夕日に「夏祭りを通して、プロジェクトや授業でがんばっている学生たちに一休みしてほしい」という思いを重ね、夕日をメインにしました。

シンボルマークの制作や制作の統括を担当した北坂雫さん(ビジュアルデザインコース|1年生)は「わたしは1年生で、右も左もわからない中で先輩たちにシンボルマークについての知識や作り方、デザインソフトの使い方を教わりながら制作しました。今後の学科での学びにも活かせるし、個人での制作をよりがんばろうと思えました」とプロジェクトでの学びを振り返ります。

最後に、今回の目玉となる企画を聞いてみると、3人とも口を揃えて「盆踊りです!」と教えてくれました。昨年まではピロティに櫓(やぐら)を組んで開催していた盆踊りですが、今回は開放感のある場所で夜祭りのような雰囲気で踊りたいという思いから、望天館屋上でサプライズ開催することになったそう。
盆踊りの様子は記事の後半でレポートします。まずは、芸教祭の様子から見ていきましょう!


瓜生山ねぶたから社会実装プロジェクトまで多彩な展示

人間館1階のピロティ、カフェスペース、ギャルリ・オーブ、興心館、直心館の各エリアで、初年次科目であるマンデイプロジェクトや、教養科目として実施されている社会実装プロジェクトなどのアーカイブ資料と成果作品が展示されました。

人間館入り口のラウンジに展示されていたのは、9月10日(水)に点灯式が行われたばかりの「瓜生山ねぶた」。1年生が取り組む実践型学習「マンデイプロジェクト」の集大成として、青森ねぶたの技術を応用し、白一色の巨大ねぶたを2週間で制作します。参加学生数は約700名にのぼり、制作風景や完成作品は、多くの地元住民が見学に訪れる本学の夏の風物詩となっています。

瓜生山ねぶたをレポートした記事はこちら

 

カフェの奥に展示されていたのは「フコクアトリウム空間プロデュースプロジェクト」の立体造形物です。こちらのプロジェクトは、JR大阪駅前にある大阪富国生命ビルの吹き抜けアトリウム空間「フコク生命の森」をアートでプロデュースするため、フコク生命と本学が連携して作品を制作する社会実装プロジェクトです。

ギャルリ・オーブに続く廊下に展示されていた巨大壁画は夏に制作され、展示されていたものです。

こちらの立体オブジェは、ここからさらにブラッシュアップを重ね、フコク生命の森で冬に展示予定とのこと。ぜひ続報をお待ちください!


夏に展示された巨大壁画作品のレポート記事はこちら▼
「温かいつながりを伝えたい」――フコクアトリウム空間プロデュースプロジェクト『想い出ライト』
フコクアトリウムプジェクト(立体)インスタグラムはこちら▼
フコクアトリウムプロジェクト(立体)インスタグラム公式アカウント


そのほかにも、歌舞伎発祥とされる四条大橋の東にある400年の伝統を持つ劇場・南座の一文字看板を制作する「京都南座看板制作プロジェクト」や学園祭の大人気企画「学園祭お化け屋敷」の企画立案、運営を行う「お化け屋敷プロジェクト」など、様々なプロジェクトの成果物が展示されていました。

南座看板プロジェクト

プロジェクトのアーカイブ以外にも、表現活動を行うために必要なことばとコミュニケーションを学ぶ「ことばのワークショップ」の授業内プレゼンテーションのアーカイブ動画が流れていたり、茶道や華道、能楽や狂言、琵琶、日本舞、水墨画など様々な伝統文化を各界の専門家から学ぶ「伝統文化演習」の様子を写真で知ることができたりと、学生が芸術教養を学ぶ姿を身近に感じ、思わず自分も「授業を受けてみたいな」と興味の湧いてくる成果発表展でした。

そして、この芸教祭の各展示にはスタンプが設置され、全9ブースを回ると1つの絵が浮かび上がってくる仕組みになっていました。全ブースを回ると、瓜生山大作戦の抽選券がもう1枚もらえます。

おや、なんだかピロティが騒がしくなってきました。スタンプカードを持って、さっそく夏祭り会場へ行ってみましょう!

 

浴衣姿で賑わう夏祭り会場レポート

瓜生山大作戦の会場であるピロティにはたくさんの屋台が並び、浴衣姿の学生たちで活気にあふれていました。
入り口すぐの受付でリストバンドを受け取り、まっすぐ進むとアイスやジュースの屋台がずらりと並んでいます。ビニールプールに浮かぶ色とりどりのジュースとラムネは見ているだけで涼しくなってきそうです。

学内の弁当販売でお馴染みのコンジュキンパや、学食の店長が作るこだわりの唐揚げとフライドポテトも、当日だけのお手頃価格で提供されていました。

芸術教養センターの中山博喜先生と森岡厚次先生が作るスペシャルなかき氷は特に人気でした。徳山豊理事長も会場の様子を見て「今年はアナウンスが行き届いていたようで、たくさんの学生が参加してくれてよかった」とコメントし、かき氷を手に学生たちと記念写真を撮っていました。

会場にはヨーヨー釣りや水鉄砲を使った射的、うちわ作りのコーナーも! 表面に瓜生山大作戦のシンボルマークが描かれたこちらのうちわは、すべてプロジェクトメンバーの手作りなのだといいます。参加した学生たちは「あなたにとっての納涼とは?」をテーマに、うちわの裏面に自由にデコレーションし、楽しんでいました。

日が落ちてくると、毎年恒例の盆踊りがはじまります。今年は望天館屋上に場所を移し、和太鼓サークル「悳(しん)」による和太鼓と笛の音に合わせ、櫓を囲んで踊りました。

夏祭りのラストを盛り上げるのは、全員が参加できる抽選会。景品は例年、教職員から提供されています。今年もお菓子詰め合わせや日々の生活で使える道具など、バラエティ豊かな景品が集まりました。

最後の景品は、德山理事長から提供される毎年恒例の「お肉」! プロジェクトメンバーが番号を読み上げると、大きな歓声が上がりました。

理事長不在のため、代わりにクジを引いていただいた大野木先生と記念撮影


今年の芸教祭と瓜生山大作戦の盛り上がり、みなさんも感じていただけたでしょうか。夏祭りに参加した学生は「サークルの先輩に誘われて参加しました。授業や個人制作に忙しくて、夏らしいことがあまりできていなかったので、夏の最後に楽しい思い出を作れてよかったです」と笑顔で話してくれました。

瓜生山学園の祭りはまだまだ終わりません。11月1日(土)・2日(日)には年に一度の学園祭「大瓜生祭」を開催します。今年度のテーマは「わ」。学生による「物販企画」、学科対抗の露店企画「フードコロシアム」、有志による「ステージ企画」など、多彩なプログラムを予定しています。
期間中はイベントだけでなく、キャンパス全体にて学生たちの学びの成果を展示・発表する学生作品展も開催します。一般の方もご来場いただけるイベントですので、ぜひ続報をお待ちください!

 

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