9月17日(日)、2023年度第6回の収穫祭は、愛知県長久手市の「トヨタ博物館」を訪れました。9月も半ばとなりましたが、まだまだ夏の日射しで汗ばむほどの気温となりましたが、おひとりも欠席することなく、ご参加いただきました。
「トヨタ博物館」は、トヨタ自動車が設立した、世界の自動車とクルマ文化の歴史を紹介する博物館で、トヨタ自動車創立50周年記念事業のひとつとして1989年4月に開設されました。約14,000坪もの広大な敷地に「クルマ館」と「文化館」の二棟の建物で構成されています。白を基調に鮮やかな赤色が印象的な外観は、「第21回中部建築賞」「第1回愛知まちなみ建築賞」「日本展示学会賞」にも選ばれています。
基本的に館内は自由に見学できるのですが、今回は博物館スタッフの方にガイドツアーをお願いし、自動車の歴史や見所などを解説していただきました。
日米欧の自動車の歴史が一望できる「クルマ館」
まずは「クルマ館」から。
「クルマ館」では19世紀末のガソリン自動車誕生から現代までの自動車の歴史を辿っていきます。日米欧の代表的な車両が約140台展示されており、フロアごと、エリアごとに、それぞれのモータリゼーションの進展と多様化、相互の関わりを一望できるずらりと並んだ車両展示は圧巻でした。展示されているほとんどの車両は実際に走行可能な「動体保存」となっており、コレクションの数と共に、この博物館に対するトヨタ自動車の強い思い入れが伝わってきました。
クルマと文化の歴史を紹介「文化館」
続いて、渡り廊下を進んで「文化館」へ。
「文化館」には、「移動は文化」をテーマに、30年にわたり収集してきた約4,000点のポスターや自動車玩具、カーマスコットなど自動車にまつわる文化資料が展示された「クルマ文化資料館」があります。約800点のミニチュアカーを時間軸とした展示では多様なクルマ文化に辿ることができました。個人的には、ケンメリの日産スカイラインの当時のポスターや007ボンドカーの玩具など、懐かしさ満載の空間に酔いしれてしまいました。
「1/43模型でつくる時間軸」
自動車が生まれた18世紀中頃から現代に至るまでの歴史を自動車模型で辿ります。
「昔の出版物に観る乗り物文化」
江戸時代までなかった馬車や人力車、鉄道、自動車などを、色鮮やかな錦絵や引き札で紹介。
「自動車と出版物」
世界初の自動車雑誌をはじめ、世界の自動車雑誌を展示。その変遷を紹介。
「カーマスコット」
車を飾るアクセサリーとして流行したカーマスコット。ガラス製のものなど、これだけでも美術工芸品として目を見張ります。
「自動車産業が百年に一度の転換期を迎える今、原点に立ち返り、モビリティの未来を考え、クルマ文化を創り上げていく博物館でありたい」というトヨタ自動車の願いがひしひしと伝わってきた博物館でした。
さいごに、グラフィックデザインの領域から、トヨタ自動車開業当時の社名ロゴデザインや車種の命名の由来に関するミニ講義を行って、収穫祭を終えました。
授業や課題では、あまり触れることのないプロダクトデザイン領域となる今回の収穫祭。それぞれの研究領域からどのように映っていたでしょうか。みなさんのレポートが楽しみです。
今回の収穫祭に参加されたグラフィックデザインコースの在学生・進藤雄太朗さんから感想をいただきましたので、ご紹介します。
トヨタ博物館でクルマの歴史とクルマ関連資料に触れる
9月17日、愛知県長久手市にあるトヨタ博物館にて収穫祭が開催されました。30名ほどの参加で、グラフィックデザインコースの上原英司先生らの引率で館内を見学しました。
トヨタ博物館はクルマ館と文化館に分かれており、まず、1時間半ほどガイドさんの説明を受けながら、クルマ館から見学しました。
クルマ館では、トヨタ車だけではなく、海外のものも展示されており、海外国内両方とものクルマの歴史を網羅できました。
文化館では、SDGsに関する特別展示の他に、クルマ文化資料室を見学しました。「移動は文化」をテーマとしたクルマ文化資料室では、クルマに関する広告・雑誌・切手・ミニチュア・ポスター・玩具などが展示されていました。ミニチュアの展示では日本・海外での車の歴史を追うことができたり、雑誌広告の展示ではアール・デコの影響を受けた貴重な資料を見れたりするなど、グラフックデザインコース所属の私にとって、貴重なお宝資料を拝見できてよかったです。
その後自由見学時間をいただき、再度自ら展示を見直しました。じっくり見直すことで理解が深まりました。
最後に上原先生からのミニ講義がありました。トヨタのロゴの歴史と車種の由来について伺うことができました。グラフィックデザインならではの視点を交え、有意義な講義をしていただきました。
名古屋郊外にあるということで、なかなか訪れる機会の少ないトヨタ博物館。訪れてみると、さまざまな知見が得られ、大いに刺激を受けました。
(進藤雄太朗 デザイン学科グラフィックデザインコース 2022年度生)
(文:グラフィックデザインコース 上原英司)
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