18歳-90歳代の社会人が学ぶ芸術大学
「なぜ、そんなに多くの人が学んでいるのか」。この通信教育課程には、18歳から90歳代まで、多地域・多世代の方々が集い、仕事や家事など日々のくらしと、芸術の学びを両立させています。その数は、大学で約10,700名、大学院で約270名(2021年12月現在)。
今回は、高校を卒業してそのまま、本学の空間演出デザインコースに入学。在学中に身につけたスキルや行動力で、希望する空間デザインの会社への就職をかなえた、鈴木さやかさんにお話を伺いました。「通信で芸術を学んで変わったこと」。そして、「学んだことに、どんな意味があったのか」。
オープンキャンパスで、通学制にはない熱意を体感
―高校からの進路として、通信制の芸術大学を選んだ理由は?
昔からものづくりが好きで、最初は通学制の大学でデザイン系の学部に進むつもりでした。家族に負担をかけないよう、自宅から通学できる範囲で。その気持ちが変わったのは、ある大学のオープンキャンパスに参加したとき。在学生の人たちが「他になく、しかたなく進学した」という話をしていて、志願者としてショックを受けました。
そんなときに母親から教えてもらったのが、本学の新聞広告。通信制で、働きながらでも本格的にデザインを学べる。そんな芸大があることすら知らなかったので、一気に興味が湧いてきて。オープンキャンパスに行ってみると、こちらは本気で学びたい人々の熱気がすごくて。すぐに願書を提出しました。
通信制でも、デザインをいちからしっかり学べる
― なぜ、「空間演出デザインコース」へ?
ほかのコースも魅力的でしたが、とくに、授業内容や卒業制作のバラエティ豊かさに惹かれて。“もやし”でフォントをつくる人がいたり、移動式の本屋さんに挑む人がいたり…「ここなら、なんでもできる気がする!」そんなワクワク感に背中を押されたんです。
正直なところ、入学前は「本当にやっていけるのか」という不安もありました。けれど、スクーリングで気がねなく話せる仲間ができ、先生も気さくで親身な方ばかり。なにより授業やテキストがよくできていて、「やっぱりデザインって、おもしろい!」と実感しながら、学習をすすめられました。
学びながら、「やりたいことリスト」を実現!
―在学中、とくに力を入れていたことは?
じつは私、高校の頃から自分だけの「やりたいことリスト」をつくっていたんです。それまでは勉強や部活を言い訳に保留していたけど…せっかく自分のペースで学べる通信制に行くんだから、どんどん実行していこう!と。同世代との「シェアハウス」や、「町おこし」の手伝い、アルバイトでの「社会勉強」など。これらにコースの学びが役立つこともあれば、その逆に、実生活での経験が課題に活かせることもありました。
空間演出デザインコースの学びは、扱う素材もテーマも多種多様。そのなかで強く感じたのは、枠にとらわれない発想の重要性、そして「おもてなし」の心を大切にするデザインそのものの魅力です。「これを自分の仕事にしたい!」という想いの強さが、授業で教わったPCソフトを自宅学習でレベルアップしたり、いろんな資格に挑んだりするモチベーションとなりました。
自己管理や計画性の大切さを、体で学べた
―学びをすすめるうえで、大変だったのは?
なんといっても自己管理ですね。もともと凝り性なのが裏目に出てしまい、課題提出はいつもギリギリ。作業ペースも遅いから、スクーリングのたびにヒヤヒヤ。なのに、普段からコツコツできなくて、徹夜して締め切りに間に合わせるという…いま思えば、良くないお手本のような学生でしたね。
また、生活のためのアルバイトに力を入れ過ぎ、学習とのバランスがとれなくなることも。「いまの自分になにが大切なのか」を見きわめ、必要に応じて、いらないものを切り捨てる。経験でしか得られない“生きた学び”が、卒業したいまも、私のなかに息づいているのを感じます。
身についたのは、ダメもとで想いをつらぬく強さ
― 入学前とくらべて、とくに大きな自身の変化は?
この大学に来てから、「せっかくの人生だから、後悔しない生き方をしよう」「ダメでもいいから、あきらめる前にやってみよう」と本気で思い、実行するようになりました。以前は自分のなかに閉じ込めがちだった想いを、デザインを通して外に出せるようになって。あらゆることについて、「とにかくやってみる」という前向きさが生まれました。
二級建築士の資格取得も、そんなチャレンジのひとつです。卒業の年次は、資格のための科目に卒業制作、就職活動、アルバイトが重なり、本当に大変でした。けれど、なんとかすべてを乗り越えられたことは、これからの人生においても大きな自信となりそうです。
大学でのスキルが認められ、デザイナー職に
― 就職を決めるうえで、本学のキャリアは役立ちましたか?
デザイナー職にこだわっていたこともあり、正直、就職活動は苦戦しました。シェアハウスの住人にデザイナーの知人を紹介してもらったり、地域の職業支援センターを頼ったり。粘り強く行動しつづけた結果、いよいよ卒業というタイミングで、第一志望だった内装デザインの会社に採用してもらえました。
採用の決め手となったのは、大学で空間デザインの基礎を教わっていたことや、CADやIllustratorといったPCソフトのスキル。そして何よりも、コースで育まれた「デザインが好きだ」という想いが、先方にも伝わったからだと感じています。実際にいまこうして、空間デザイナーとしてさまざまなデザインを手がけていることが、本当に楽しいです。
次の「やりたいこと」は、記憶に刻まれる仕事
― いま、そして、これからの目標は?
就職したのは、幅広いクライアントを抱える、総合ディスプレイの会社です。コスメショップのインテリアや商品棚のデザイン、シェアオフィスのレイアウト、写真スタジオの内装づくり…。いろいろな案件に向き合うたびに、照明、家具、プロダクト、設計など、なんでもありに思えたコースの学びのひとつひとつに深い意味があったのだと、あらためて思い知らされます。
今年で入社3年目。少しずつ大きな案件を任されるようになり、課題で鍛えた企画書づくりにも力が入ります。いつか、専門誌に載るような魅力ある仕事をやりとげて、立派な賞を獲得したい。ひそかに次の「やりたいことリスト」を更新しつつ、これからも仕事を通して、デザインを学びつづけていきたいです。
学科・コース紹介 | 京都芸術大学 通信教育部
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説明会・相談会 | 京都芸術大学 通信教育部
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