お山の木の葉が色づき始め、緑から黄緑、山吹から橙、朱に赤へと、日に日に色とりどりに移りゆく季節です。霧雨のあとの日に照らされ色づく葉の輝きは、ことのほか美しく魅了されます。
晩秋の瓜生山に、こどもたちがお父さんやお母さんを招待しました。
1歳児クリ組さんは、お山の畑までの道を楽しみつつ親子でとことこ てくてくと、チューリップの球根を手に登っていきます。畑に到着して、プランターの土やそばにあるイチゴの葉っぱなど、目に付くものに触れたり引っ張ったりと好奇心いっぱいです。
2歳児マツ組さんは、お山の宝物を入れるMyバッグづくりに親子で挑戦!そして、そのバッグに山道で足を止め見つけたドングリやマツボックリや葉っぱをいっぱい詰めて、大喜びです。
3歳児モミジ組さんは、先生と一緒に作っているお山の家にでかけていきます。今日は、親子で一緒に家づくりです。
4歳児ウメ組さんは、自分たちの好きな遊び場にお父さんお母さんを誘って、山道を進んでいきます。京都市街を一望する能舞台では、おとなもこどももパワー全開で鬼ごっこ!
5歳児サクラ組さんは、昨年度の5歳児さんが残していった秘密基地をさらに改築して、そこへ親子で入っていきました。そこは、木立の中の隠れた場所にあり、秘密がむんむん漂っています。おとなの力を借りてブランコをつくる企みのようです。
そんな親子の姿に挑発されて、私もこっそりお山の畑に蔓なしエンドウの種をまきました。その畑に毎日出かける2歳児マツ組さんが、風で飛んだ防虫ネットに気がついて、ネットを掛け直してくれました。また、ほかの2歳児さんは、そばにあった旬を過ぎたフウセンカズラを引っこ抜いて、泥んこケーキ作りをしている友達のところに届けました。この日は、産休に入った担任の先生に赤ちゃん誕生のニュースが届いた特別な日!そのケーキは、赤ちゃんと先生の「おめでとうケーキ」になりました。そんなお祝いの声を聴きつつ、お山の砂場では、土を掘り起こして柔らかくしている先生をまねる勇ましい2歳児さんの姿がみえます。
瓜生山にこどももおとなも魅了され、お山は今、ほくほくと照れています。
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鍋島 惠美Emi Nabeshima
1951年京都に生まれる。1974年京都教育大学幼児教育科卒業、西宮市立幼稚園に勤務。1976年神戸市立「聞こえとことばの教室」に勤務。言葉の発達に困りを抱えるこどもの治療保育に携わる。1979年京都教育大学附属幼稚園勤務。2003年京都教育大学大学院修了。泥だんご学会創設者・加用文男教授のもとで学ぶ。その間「ニューヨークこどものくに幼稚園」で研修する。2012年京都教育大学附属幼稚園定年退職。2014年縁あって、京都光華女子大学で保育者になりたい女子学生とともに学びあう。また臨床発達心理士として、京都市保育園連盟の巡回相談に携わる。2019年またまた縁あって、認可保育園こども芸術大学の園長になり、こどもたちと暮らしている。幼稚園で務めていたころから、実践記録をこどもたちと一緒に絵本にして遊んでいる。夢だった実践の絵本創りに、これまた縁あって旧京都造形芸術大学の卒業生の友達に絵を描いてもらい絵本を創る。『こえをかじったネズミ』ぶん:なべしま えみ、え: きんばら きみずき