秋の風が流れる季節の到来です。園から帰る道、望天館の屋上からさらに高く西の空を見上げると、夕闇の層をなす彩の空に、満ち欠けする月の姿と星の対峙の美しさにふと足が止まります。
挑戦の季節
さわやかな秋晴れの中、こころとからだをひらいて、こどもたちや先生たちおとなも一緒に運動的な活動に挑戦しています。1歳児クリ組さんは「どうぶつ体操」の曲が大好きで、先生の周りに集まって、動きをまねて体をくねくねと動かしています。2歳児マツ組さんは、箱にひもをつけたものをMy Carに見立てて、どこへでも運転して出かけています。ハンドルさばきもたいしたものです。サービスエリアに立ち寄って食事をしたり、ガソリンスタンドで給油をしたりと、ごっこの世界を行き来しています。3歳児モミジ組さんは、七夕で使った竹の枝を取り除いて、それを太鼓に変身させました。自分で作った段ボール製のバチで、トントントコトン、ヤッー!と、威勢の良い掛け声とともに大好きな相撲の稽古に挑んでいます。4歳児ウメ組さんは、“魔女からのミッション”に応えるべく障害物にワクワクドキドキ挑戦しています。見つけたリンゴを魔女に取られないように全力疾走です。5歳児サクラ組さんは、レスキュー隊になって、日に日に改造を重ねているレスキュー車とともに、毎日訓練を重ねています。サイレンが鳴ったと同時に、現場に急行です。
親子運動会の日を前に
10月9日(土)晴天の中、「第3回親子運動の日」が行われました。その前日、会場となる直心館講堂では、夕刻から先生たちが準備に精を出しました。そして当日、元気に親子で楽しみました。
作品展の季節
大学内にある美術展示ホールGalerie Aube(ギャルリ・オーブ)やピロティなど学内の各所で、展覧会やいろいろな作品展示が行われています。先生たちが子どもたちを連れてその展示を観に出かけています。立ち止まっては近くに寄ってみたり、思わず手を触れそうになって「そっとみるだけね」と声をかけてもらって手を引っ込めたり、創作する学生さんとお話をしたりと、楽しい時を過ごしています。さまざまな効果を狙った演出的な照明が、暗かったりあでやかだったりすると、それを感じて恐れたり喜んだりしています。芸術大学の中にあるからこその喜びを、こどもたちも私たちも体と心いっぱいに感じています。
花育
生け花も体験しました。農林水産省推進事業の「花育」という試みです。昨年度はコロナ禍でキャンセルする学校や園があったことから、担当の花セラピーの先生からお誘いがあっての繋がりです。彩とりどりの花の中から「わたしが好きな花」を自由に選んで自分の思いのままに生けていきます。その後に家庭に持ち帰って、お家の人と対話するときを持つことを願った試みでもあります。
瓜生山も彩とりどり、うっとり眺めています。
追記: 毎月発行する園だよりに「瓜生山でこどもが笑う」と題して、園長の気づきや思いを綴っています。この文章は、10月号に掲載したものに加筆修正をしています。
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鍋島 惠美Emi Nabeshima
1951年京都に生まれる。1974年京都教育大学幼児教育科卒業、西宮市立幼稚園に勤務。1976年神戸市立「聞こえとことばの教室」に勤務。言葉の発達に困りを抱えるこどもの治療保育に携わる。1979年京都教育大学附属幼稚園勤務。2003年京都教育大学大学院修了。泥だんご学会創設者・加用文男教授のもとで学ぶ。その間「ニューヨークこどものくに幼稚園」で研修する。2012年京都教育大学附属幼稚園定年退職。2014年縁あって、京都光華女子大学で保育者になりたい女子学生とともに学びあう。また臨床発達心理士として、京都市保育園連盟の巡回相談に携わる。2019年またまた縁あって、認可保育園こども芸術大学の園長になり、こどもたちと暮らしている。幼稚園で務めていたころから、実践記録をこどもたちと一緒に絵本にして遊んでいる。夢だった実践の絵本創りに、これまた縁あって旧京都造形芸術大学の卒業生の友達に絵を描いてもらい絵本を創る。『こえをかじったネズミ』ぶん:なべしま えみ、え: きんばら きみずき