長月、こころとからだをひらく季節。9月の前半は酷暑、後半は日本列島に大きな台風が上陸、幸いにも京都は大きな被害を免れました。今月のトピックは「園外保育」と「京都芸術大学 こども芸術学科からの実習生受け入れ」そして「第2回 創作の時間」です。
お山に探検!園外保育で川遊び。
9月14日(水)は3歳児から5歳児の園外保育日でした。園から白川通を通ってバプテスト病院近く、山の神霊(龍神)を祀る「北白川大山祇神社」という神社があります。その神社の横にきれいな小川があり、園では「沢」とよんで毎年園外保育に行っています。
3歳児もみじ組さん、4歳児うめ組さん、5歳児さくら組さんが縦割りグループになり歩いていきました。沢に到着して、子どもたちは川遊びに夢中。靴はもちろん服もしっかりと水浸しに。着替えをしてから瓜生山の中にある保育園で「遊び場」とよぶ場所まで坂道を歩いていきました。「遊び場」では一番のお楽しみお弁当の時間です。給食と違って好きなものばかりのお弁当に、どの子も笑顔でパクパクです。山の上り下りはなかなか大変ですが、いろいろお楽しみがあるのでがんばることができます。
お姉さんと一緒!保育実習。
今月は、京都芸術大学 こども芸術学科2年生のインターンシップ実習4日間(前半4名、後半3名)と同学科3・4年生の保育実習2週間(3名)を受け入れました。保育園というものを知ってもらおうと乳児と幼児の両方のクラスを経験できるようにしました。実習生は実習中の欠席は一人もなく、最初は慣れない環境に戸惑っていたようですが、全員真面目に熱心に取り組んでいました。乳児と幼児の違いに驚くと共に接し方についても学べたようでした。子どもたちも次々にクラスに来てくれるお姉さん先生に大喜びでした。
プレゼントは何がはいっているのかな?想像しながらギフトボックスを。
今回の「創作の時間」の講師は、京都芸術大学 美術工芸学科 教授の椿 昇先生。ギャルリ・オーブで展示されていた椿先生の巨大な作品が、今回講師でお越しいただくきっかけとなりました。4歳児うめ組の子どもたちが学園内散歩で見つけた巨大な作品。それが何を表しているのかということで、子どもたちが熱心に作品について話し合っていたところ、偶然、椿先生が通りかかられました。そこで、椿先生に子どもたちがいろいろな質問をぶつけることに。椿先生はその子どもたちの質問に対して、感心されたようです。
偶然とはいえ、このような運命的な出会いを是非生かしていきたいという強い想いで、とてもお忙しい先生ですが、今回の「創作の時間」の講師としてお願いしました。「おとぎばなし・つくりばなし」というタイトルで、椿先生の巨大な作品(6種類)の写真に登場しているモンスターにプレゼントするためのギフトボックスづくりに親子で取り組みました。
作った後は、どういうものをプレゼントするのか、どんな想いで作ったのかを発表してもらいました。人前で発表することには、かなりプレッシャーがあるようだったので、保護者の方に手伝ってもらって、子どもたちがどういう気持ちで作っていったかをお話していただきました。いろいろな「想像」の中で子どもたちが作っていき「創造」されたことがとてもよくわかりました。
その後の「気づきの時間」では、保護者の方々からの質問に答えていただき椿先生の子育てに対する想いや考えを語っていただきました。椿先生の刺激的な語り口の中にある子どもたちや保護者のみなさんへの温かい心を感じ取ることができました。子育ての極意である「子育てにおけるゆるがない柱」と「自主性を尊重して信じることの重要性」(けっして放任ではない)について語っていただきました。
今月も、瓜生山は子どもたちを温かく招き入れ、私たちの様々な想いを優しくおおらかに受け止めてくれています。
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西井 薫Kaoru Nishii
1978年京都教育大学音楽科卒業。京都市立小学校4校(20年間)京都教育大学附属京都小学校(8年間)附属桃山小学校(8年間)。市立と国立(独立行政法人)合わせて36年間小学校勤務。その後、教育実習生の指導に長年携わってきたことから京都教育大学教職キャリア高度化センタ―に籍を置いた。実地教育運営委員会の委員長として、大学と附属学校園のパイプ役にという思いで勤務した。大学の授業では、教員を目指し入学してきたかつての教え子たちに再度関われる幸せな機会を得られた。また、日英の教員養成を比較研究するプロジェクトに参加することができ、大きな成果があった。
音楽教育では、伝統文化を継承していくことの重要性を実感し、附属桃山小学校の音楽科では、伝統音楽(筝、三味線、六斎、祇園ばやし)が教科カリキュラムに組み込まれている。