COLUMN2022.05.31

教育

皐月 出会う・慣れる季節 ― 瓜生山でこどもが笑う #19

edited by
  • 西井 薫

 皐月は若葉、青葉の季節。瓜生山も美しい緑に包まれ生き生きとして、卯月とは違う‟色、風、音”などを私たちに見せてくれます。1年のうちで、寒すぎず、暑すぎず、日差しもちょうどよく、爽やかな風が私たちを迎えてくれています。


 子どもたちは、少しぐらいの雨はものともせず、毎日瓜生山へと出かけていきます。この季節は、命を生み出す時期であり、苗を植え育てるのに最適です。子どもたちは、山の畑に行って茂っていた草を抜いて、カチコチに固くなっていた土を先生たちと一緒にスコップを使って掘り起こしました。

 

カチカチの固い畑を、スコップで耕します。すごーく力がいるんだよ。
「うんこらしょ、どっこいしょ!」たくさんの雑草を引き抜きました。

 

 土、腐葉土、畑の栄養などを、みんなで保育園から瓜生山にある上の畑まで、持って上がりました。袋ごと運ぶのはとても重いので、先生たちだけでなく園児みんなに持って行くお手伝いをしてもらいました。3歳児もみじ組さんと4歳児うめ組さんは袋に入れてナップサックで、5歳児さくら組さんはバケツで畑まで運びました。

 

みんなで「よいしょ!」と土運び。さくら組さんはバケツで運びました。
耕運機で耕してもらって、苗のふかふかベッドができあがり!

 

 そして、先生たちが運んだ土とみんなで運んだ土を畑にいれました。その後、京都芸術大学 芸術教養センターの成澤先生が、耕運機を使って古い土と新しい土を混ぜ、掘り起こして柔らかくしてくださいました。畑はふかふかの苗のベッドに変身です。クラス毎に畝(うね)を作り、それぞれのクラスのリクエストで買った苗を植えていきました。水をたっぷりとあげて、「大きくなあれ」「おいしくなあれ」と苗に呼び掛けていました。美味しいトマトやとうもろこし、きゅうり、すいかの収穫がとっても楽しみですね。

 

これから植える野菜の苗のお話。みんな真剣な表情で聞いてます。

 

 

 さくら組では、昨年度のさくら組から受け継いだ『お米 一年中図鑑』をもとにして、お米作りに取り組み始めました。土を運び、いろいろな土を混ぜ合わせ、足と手で田んぼの土作りから始めます。

 

「うんとこしょ、どっこいしょ」と、とっても重い土を一人で運びました。
先輩からのプレゼント『お米 一年中図鑑』をみんなで真剣に確認。「今年もおいしいお米食べたいなぁ」

 

 みんな泥だらけになって一生懸命作った‟田んぼの土”をそれぞれのバケツに入れて、「さあぁ、田植え!」。美味しいお米に育って収穫できるその日まで、毎日のお世話が始まります。昨年度のさくら組さんのように、これからいろいろ大変なことが起こると思いますが、その時は先輩たちから受け継いだ『お米 一年中図鑑』がきっとヒントをくれるはず。「がんばれ!さくら組」。 

 

田んぼの土づくり。身体中泥だらけになっておいしいお米が育つよう、一生懸命にがんばっています。
土の感触に「わぁ!」
土をバケツに入れてもらって、ひとりひとりが田植え。「大きくなぁれ!」

 

 みんなの植えた苗が大きくおいしく育つように、瓜生山も温かく見守り、応援してくれていますよ。

 

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  • 西井 薫Kaoru Nishii

    1978年京都教育大学音楽科卒業。京都市立小学校4校(20年間)京都教育大学附属京都小学校(8年間)附属桃山小学校(8年間)。市立と国立(独立行政法人)合わせて36年間小学校勤務。その後、教育実習生の指導に長年携わってきたことから京都教育大学教職キャリア高度化センタ―に籍を置いた。実地教育運営委員会の委員長として、大学と附属学校園のパイプ役にという思いで勤務した。大学の授業では、教員を目指し入学してきたかつての教え子たちに再度関われる幸せな機会を得られた。また、日英の教員養成を比較研究するプロジェクトに参加することができ、大きな成果があった。
    音楽教育では、伝統文化を継承していくことの重要性を実感し、附属桃山小学校の音楽科では、伝統音楽(筝、三味線、六斎、祇園ばやし)が教科カリキュラムに組み込まれている。

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