6月は「水無月」。梅雨なのにどうして「水無月」というのでしょうか。諸説ありますが、1つは、旧暦6月は現在の7月頃。いよいよ梅雨も明け暑さの厳しい日が続く時期なので、水が涸れ尽きて無くなるという意味の「水無し月」が変化したものだといわれます。
また、田んぼに水を張る月という意味の「水な月」だという説もあります。“な”は“の”という意味の古語で、“無”は当て字というわけだそうです。京都では「みなづき」といえば、三角形のういろうに小豆がのっているお菓子を思いうかべてしまいますね。
今月も瓜生山で子どもたちは、いろいろな活動を楽しみました。その中から、「創作の時間」「園外保育」「避難訓練」の様子をご紹介します。
1つ目は、今年度第1回目の「創作の時間」です。京都芸術大学の教授をされていた梅田美代子先生に講師をお願いしました。梅田先生には、認可保育園「こども芸術大学」の前身の「こども芸術大学」の頃からお世話になっていて、保育園のロゴマークは、梅田先生が考えてくださったものです。
今回は「森の中の風の水族館をつくろう」というテーマで、親子で向かい合って創作。まず、透明なシートに好きな色のプロッキーで音楽に合わせ風の線を描いて、その線の重なりから魚を見つけました。次は、魚の形の素材(プチプチやクリアファイル)に好きな色をぬったり絵を描いたりと、子どもたちは大忙し。できあがったシートと魚を、園庭にはりめぐらした紐に飾ると、森の中の水族館で魚や波がゆらゆらと風に揺れ、まるで魚が泳いでいるような情景です!シートを吊るした園庭を森の中の風の水族館に見立てて、梅田先生が作ってくださった入園券で水族館に入っていくと、子どもたちから「魚が泳いでいるねー!」という声が聞こえてきました。
「創作の時間」の後は、梅田先生と保護者の方々との「気づきの時間」です。保護者の皆さんからは、わが子と1対1で創作することでじっくりと子どもと関わる時間を持てたことや、子どもの制作する姿と向き合い普段のわが子と違う面に気付いたという意見がでました。保育士たちも梅田先生からいろいろなアドバイスを受けて、これからの保育に生かしていきます。
2つ目は、「園外保育」です。あいにくの雨でしたが、幼児組の子どもたちはレインコートを着て雨もなんのその。3歳児もみじ組さん、4歳児うめ組さん、5歳児さくら組さんの縦割りグループで2つに分かれ、自分たちで行きたいところを相談して、瓜生山探検へ。途中から雨があがり、虫や草花の観察もできました。雨の瓜生山は、晴れた時とはまた一味違う姿を子どもたちに見せてくれました。
3つ目は「避難訓練」です。今回は左京消防署から消防士さんが来てくださいました。今年度3回目の避難訓練で、子どもたちもだいぶ上手に避難できるようになってきています。「おはしも」の合言葉(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない)を守っておしゃべりせず落ち着いて訓練ができました。消防士さんに避難訓練の様子を見ていただいた後、本物の消防車を見て、内部の器具の説明などを聞きました。子どもたちは真剣な顔で消防士さんのお話を聞いていました。5歳児さくら組さんは、全員消防服を着る体験ができました。
雨の日も晴れの日も、瓜生山は子どもたちを優しく見守ってくれています。今日もこどもたちの明るい声が瓜生山に響いています。
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西井 薫Kaoru Nishii
1978年京都教育大学音楽科卒業。京都市立小学校4校(20年間)京都教育大学附属京都小学校(8年間)附属桃山小学校(8年間)。市立と国立(独立行政法人)合わせて36年間小学校勤務。その後、教育実習生の指導に長年携わってきたことから京都教育大学教職キャリア高度化センタ―に籍を置いた。実地教育運営委員会の委員長として、大学と附属学校園のパイプ役にという思いで勤務した。大学の授業では、教員を目指し入学してきたかつての教え子たちに再度関われる幸せな機会を得られた。また、日英の教員養成を比較研究するプロジェクトに参加することができ、大きな成果があった。
音楽教育では、伝統文化を継承していくことの重要性を実感し、附属桃山小学校の音楽科では、伝統音楽(筝、三味線、六斎、祇園ばやし)が教科カリキュラムに組み込まれている。