REPORT2021.12.17

アート

“期待”の蕾が色とりどりの花を咲かす ― イルミネーションプロジェクト2021

edited by
  • 京都芸術大学 広報課
  • 高橋 保世

― 寒い季節に地域住民のみなさんや北白川を行き交う方々、
 そして共に学ぶ学生の心に灯をともしたい。


そんな想いを込め、冬の京都芸術大学を色鮮やかに演出するイルミネーションが毎年点灯されています。そして今年も12/17(金)18時30分頃より点灯式が行われ、白川通に面する大階段が華やかなイルミネーションで彩られました。

2005年から始まり、今年で16年目を迎えた「イルミネーションプロジェクト」。今年のイルミネーションのタイトルは「期待」です。この大学に入学した時に抱いた期待、“明日は何ができるんだろう”と胸を弾ませる期待。学生たちが抱くさまざまな「期待」を、花を咲かそうとする蕾で表現しました。

ルーフの黄色と青色の電飾は太陽と青空をイメージしている。

京都芸術大学 イルミネーションプロジェクト2021「期待」

この大学に入学した時、誰もが抱いた“期待”。
今でも明日はどんな出来事、どんな人に出会うのか、
“期待”に胸を弾ませている。
自分の未来へのワクワクをずっと忘れないでほしい。

色とりどりの可能性を秘めた私たちが、
どんな未来の花を咲かせるのかは誰にもわからない。
形も色も、人それぞれだ。

私たちのつくるイルミネーションが、
自分の未来に“期待”するきっかけになってほしい。
これからの未来に、“期待”を。

ぎゅっと濃縮された作業期間

学科・コース横断で集まった1~3年生の計25名が、10月よりプロジェクト活動を開始し、なんと約2ヶ月という短い時間でこのイルミネーションをつくりあげました。
最初の1ヶ月は毎週のようにプレゼンテーションがあったそうで、その数なんと計5回。LA(ラーニングアシスタント)さんへのプレゼンから始まり、OB・OG、芸術教養センター長と続き、最終的に理事長へのプレゼンテーションでテーマやデザインが決定、そして蒼山会(保護者会)への報告会が開かれます。

統括を務めたこども芸術学科2年生の工藤瑠乃さんは、単にプレゼンと言っても、毎回企画書、原稿、発表資料の準備が必要だから大変だったと話します。
「毎週のプレゼンでさまざまな方からアドバイスをいただいたおかげで、案がブラッシュアップされていきました。イルミネーションプロジェクトは活動期間がぎゅっと濃縮されています。他のプロジェクトと比べて活動期間が短い分、この2ヶ月で経験を踏め!という感じでした(笑)」。

火花が飛び散っています…!
電球の色はもちろん、光の明度にもこだわりました。
メインステージの模様にもご注目を。


2ヶ月の制作期間の中で一番苦労したことは、やはり限られた時間の中での作業だったと言います。
「人数と時間とクオリティ担保のバランスが難しくて。リース、電飾、ステージと、全員で作業を進める制作物が多い中、裏では並行して広報や運営など各班ごと作業も動いていていました。いろんなことがいろんな場所で走っていて、その現場のマネジメントが大変でした」。

理想の輝きを求めて電飾実験を重ねます。
汚れた手でピースサイン!
小さな蕾を取り付け中。笑顔をキャッチ!


今年の推しポイントはココ!

統括の工藤さん、そして副統括を務めたアートプロデュース学科1年生の中野花鈴さんが、イルミネーションの見どころを教えてくれました。

ぜひ注目してほしいと声を揃えて話すのは、ねぶたの技法を応用して制作したメインオブジェのリースの装飾。当初は既製品の造花をリースに巻き付ける予定でしたが、指導教員の森岡厚次先生から“芸大生としてそれでいいのか?”との問題提起があったとか。メンバーで再検討した結果、“やっぱり自分たちの手でつくったものを見てもらいたい!”という思いが沸き起こり、花や葉の装飾はすべて手作りで制作しました。

ひたすら和紙を折る途方もない作業もみんなで乗り越えました。


和紙を彩色し、折り紙の形に断裁、そして花や葉っぱの形に折り、針金とタコ糸でリースに合体させる制作手順。各段階で細かい作業があり、かなり手間のかかるものでした。苦労してつくった花や葉のおかげで、緑に光り輝くリースはやわらかい雰囲気を醸し出しています。
 

大階段の門をカラフルに演出しているのは、プラ板で制作した花です。花の形はひとつずつ違っており、電球の色も異なります。「実はこの花は私たちを表しているんです。ひとつとして同じ花はない。一人ひとりの個性が輝いている、というメッセージでもあります」と話します。

ぜひ近づいてみてください。一つひとつの花に個性があります。


メインオブジェのリースに取り付けられた、いまにも花を咲かそうとする蕾は、わたしたちの胸に宿る「期待」を表現しています。蕾の内側は虹色に光り輝き、さまざまな可能性を秘めた未来を示唆。蕾が虹色に見えるように、電飾実験を重ね、色とりどりの電球が光るタイミングを秒単位で調整しました。
3つの蕾は点灯最終日にかけて徐々に開花する仕掛けになっており、毎日違う表情を見せます。自分たちの未来に見立てた蕾はどのような花に成長するのでしょうか。

 

盛大に行われた点灯式

点灯式には多くの学生が訪れ、あっという間に大階段はイルミネーションを楽しみにする人でいっぱいになりました。点灯式の司会を務めたのは統括の工藤瑠乃さんとLAを務める空間演出デザイン学科2年生の千葉涼花さん。イルミネーションプロジェクトの歴史、そして今年のイルミネーションのコンセプトを発表しました。

左から工藤さん、千葉さん。
大階段に人がぎっしりと埋まるのは1年でこの日だけでは?


新型コロナウイルス感染症対策のため、点灯までのカウントダウンは手拍子で。「5.4.3.2.1…点灯!」の合図で、目の前にきらびやかな京都芸術大学が現れました!イルミネーションのあまりの綺麗さに歓声が沸き起こり、寒さも吹き飛んだようでした。
白川通を通る方々も足を止めてイルミネーションに見入っている様子。親子でイルミネーションを背景に記念写真を撮影する姿も見られました。


点灯式後は、イルミネーションを盛り上げるイベント「私の咲かせる未来」を実施!透明シートとカラーペンを参加者に配布し、自分たちの思い描く未来の花を自由に描いてもらいます。それをライトで照らすと、地面にそれぞれが描いた花が照らされるというもの。何度も試作を重ね実現したワークショップです。写真を撮る人が続出でした!

 

イベントへの参加特典として記念ステッカーも配布されました。デザインは大階段に吊り下がる垂れ幕とリンクしており、なんと中には“当たり”のステッカーが混ざっています。“当たり”ステッカーにはホログラム加工が施されており、キラキラと光って美しいです。この“当たり”ステッカー、実はかなりレア度が高いもの…当たりを引いた方はラッキーです!

3cm×9cmの横長サイズ。スマホやパソコンに貼れる大きさでデザインしました。
“当たり”引きました!!


イベント「私の咲かせる未来」は12月24日(金)のクリスマス・イヴにも開催予定です。17時から20時に人間館のピロティで行いますので、ご参集ください。イルミネーションを見ながら、みんなで素敵なクリスマス・イヴを過ごしましょう!

 

統括の工藤さん、副統括の中野さんよりイルミネーションを見ていただく方々へメッセージが届いています。

「このイルミネーションを見て少しでもポジティブな気持ちになってほしいし、未来への“期待”を抱いてほしい。胸を弾ませる“期待”をみなさんと共有できればうれしいです。そんな願いが込められたイルミネーションをお楽しみください!」

点灯期間は12/25(土)までとなっております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。ハッピーホリデー!

京都芸術大学 イルミネーション

期間 2021年12月17日(金)~2021年12月25日(土)
時間 18:30~22:00(土日は19時まで) 
Twitter https://twitter.com/illumi_2021
Instagram https://www.instagram.com/kua.illumipj/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCTEZN47jFzQe6GhIUbdrcjw 

(点灯式撮影:高橋保世、準備風景撮影:広報課)

 

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  • 高橋 保世Yasuyo Takahashi

    1996年山口県生まれ。2018年京都造形芸術大学美術工芸学科 現代美術・写真コース卒業後、京都芸術大学臨時職員として勤務。その傍らフリーカメラマンとして活動中。

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