瓜生山の木立に若葉が芽吹き、やわらかな緑が太陽光に照らされてキラキラ輝き始めています。今日は、幼児クラスの3、4、5歳児さんが一緒に、学内のフェンスの扉を開いて瓜生山の奥へと進み、そこにある木立でできた遊び場で遊んで帰ってきました。
初めて出かける3歳児モミジ組さんのこどもたちにとっては、5歳児サクラ組さんのリードがあってのことと担任の先生が喜んでいました。身近な暮らしの中で、年下のこどもが年上のこどもへの憧れを抱いていくのでしょう。育ちあういい関係です。
さすが5歳児クラスのサクラ組さん。迷子にならないように山の案内地図を描いて、持って出かけていました。
毎年、春を心待ちにチューリップの球根を冬に植えています。今年は、いろいろな種類のチューリップがこどもたちの入園や進級を祝ってくれました。
「さいた さいた チューリップのはなが ならんだ ならんだ あかしろきいろ どのはなみても きれいだな(作詞:近藤宮子、作曲:井上武士)」の歌詞は、「子ども一人ひとりが違っていい ありのままのわたしでいいよ」と、歌っているかのように心に響いてきます。
テラスに咲いたチューリップと2歳児マツ組のこどもたちが遊びだしました。
よーくみてください。花びらが散った後の花芯を絵筆にしての絵の具遊びです。そして、遊んだ後の紙を使って先生と一緒にこいのぼりを創りました。
「やねよりたかいこいのぼり~ (中略) おもしろそうにおよいでる」と、こいのぼりが五月晴れの空で泳ぐと同じように、こどもたちも新しい環境に出会い慣れてきつつあるこの時期は、遊びが広がっていきます。
次の日は、散った花びらを集めて一日干して、それを持ってお山の畑へ出かけました。水に入れて“ぐちゅぐちゅ”揉むと、きれいな色水ができました。
身近で見たり水をやったりしていたチューリップといろんな遊びを楽しみました。
その帰り道で、“むにゅむにゅ”する生き物を2匹捕まえてきました。カブトムシの幼虫です。さっそく一人ひとりの手のひらにそっと載せて家づくりに挑戦していました。
ここ瓜生山には、カブトムシもクワガタも生息しています。 自然の中で暮らす豊かな時間が流れています。
追記: 毎月発行する園だよりに「瓜生山でこどもが笑う」と題して、園長の気づきや思いを綴っています。この文章は、5月号に掲載したものに加筆修正をしています。
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鍋島 惠美Emi Nabeshima
1951年京都に生まれる。1974年京都教育大学幼児教育科卒業、西宮市立幼稚園に勤務。1976年神戸市立「聞こえとことばの教室」に勤務。言葉の発達に困りを抱えるこどもの治療保育に携わる。1979年京都教育大学附属幼稚園勤務。2003年京都教育大学大学院修了。泥だんご学会創設者・加用文男教授のもとで学ぶ。その間「ニューヨークこどものくに幼稚園」で研修する。2012年京都教育大学附属幼稚園定年退職。2014年縁あって、京都光華女子大学で保育者になりたい女子学生とともに学びあう。また臨床発達心理士として、京都市保育園連盟の巡回相談に携わる。2019年またまた縁あって、認可保育園こども芸術大学の園長になり、こどもたちと暮らしている。幼稚園で務めていたころから、実践記録をこどもたちと一緒に絵本にして遊んでいる。夢だった実践の絵本創りに、これまた縁あって旧京都造形芸術大学の卒業生の友達に絵を描いてもらい絵本を創る。『こえをかじったネズミ』ぶん:なべしま えみ、え: きんばら きみずき