COLUMN2020.10.23

教育

世界レベルの学びが実現できる時代の到来 ― ウィズコロナ時代のオンライン学習

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  • 本間 正人

教育学を超え、最新学習歴を更新する「学習学」(Learnology)の構築を目指して、研究・実践活動を展開する京都芸術大学 副学長の本間正人先生。

本間先生によれば、これまでの「教育学」は、ともすれば「学校という場において教える側が主役の教育」(Teaching)中心であり、学ぶ側(Learner)は、「受け身で教わる」という受動的な立場に置かれていた面が否めません。人間はそもそも「学習する存在(Homo Discens)」であり、「学習者が自ら主体的に学ぶ学習」(Learning)が中心で、指導者の役割は副次的なものと位置付けられる、と語ります。それが即ち「学習学」(Learnology)であると。

eラーニングが急速に進化を遂げ、スマートフォンなどのIT機器の普及が加速する中で、学校現場のイノベーションも待ったなしの状況にあります。さらにはコロナ禍により、社会状況が急速に変化する中、オンライン学習によってどのような教育・学習が可能なのか、話を伺いました。

本間正人(京都芸術大学 副学長)

「教育学」を超える「学習学」の提唱者・東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学Ph.D.)。京都芸術大学教授・副学長・NPO学習学協会代表理事・NPOハロードリーム実行委員会理事。「楽しくて、即、役に立つ」参加型研修の講師としてアクティブ・ラーニングドリームを25年以上実践し、研修講師塾を主宰する。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」「三か月トピック英会話:SNSで磨くアウトプット表現術」の講師などを歴任。TVニュース番組のアンカーとしても定評がある。一般社団法人大学イノベーション研究所代表理事、アカデミックコーチング学会会長、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、一般財団法人しつもん財団理事などを務める。

新型コロナウィルス(Covid-19)の感染が不安で、外出する気持ちにブレーキがかかっている人も多いはず。しかし、自宅から一歩も出ることなく、世界レベルの学びが実現できる時代が訪れています。

五感を駆使した体験や、劇場やスタジオ独特の空気感など、その場に足を運ばなければ、得られない学びがあることは間違いありません。しかし、IT技術の発展により、遠隔であったとしても、対面授業顔負けのクオリティで学ぶことが可能なのです。

すでに Zoom をお使いの方には、釈迦に説法ですが、パワポ資料や動画の画面共有を効果的に使い、チャット機能やブレイクアウトルームを活用すれば、対面と遜色ない双方向の学びが実現します。ギャラリーモードにすれば、他の学習者の表情や反応が、25人(設定によっては49人)分見られるのも、教室ではあり得ない面白いところ。学習者は日本全国、いや、世界各地から参加できます。


僕自身、実際にやってみて発見したのは、教室で4人組ロールプレイを行った場合、オブザーバー二人は演じている二人の横顔しか見られません。しかし、Zoomであれば、ロールプレイ中の二人の表情を正面から見て、分析することができるのです。

オンデマンドの授業では、自分の時間に、自分のペースで学習計画を立てて、実行できるのが大きなメリットです。社会人の学びの最大のハードルは、学習時間の捻出ですが、予め決められた時間割に自分を合わせるのではなく、自分に合わせたスケジュールで学びをデザインすることができます。特に、夜型、集中型の学習スタイルをお持ちの方には、深夜に、週末に一気呵成に学ぶという選択肢の魅力は大きいですね。
京都芸術大学の「手のひら芸大」は、その映像の美しさに定評があります。世界の美術作品を鑑賞しながら、自らの感性を磨くことが可能なのです。

本学通信教育課程の映像教材は「日曜美術館」などを制作するNHKエデュケーショナル協力によるもの。豊富な素材と、本学教員による臨場感あふれる映像授業を展開。

完全オンライン課程「手のひら芸大」とは|京都芸術大学通信教育部


コロナの到来により、はたらき方改革も加速しています。一般には「ワークライフバランス」が叫ばれていますが、私は「ライフ・ワーク・ラーニング・ハーモニー」を提案しています。1週間は168時間。フルタイムの仕事は40時間、睡眠時間を42-56時間として、家事・育児・生活時間を差し引いても、7-14時間の可処分時間を読書や学習にあてることは可能なのではないでしょうか?

社会の劇的な変化に対応するためにも、「最新学習歴の更新」に時間とお金を投資することが大切な時代なのだと思います。


(文・本間正人)

 

本間正人副学長が、文部科学省のYouTubeチャンネル 「今からスタート、今からスタディ!(いまスタ!)社会人の学び応援プロジェクト」にトップバッターとして登場。

「大人が自身に学習投資をして、最新学習歴の更新を」と語る本間先生。学び直しを考える社会人の方々の背中を押すメッセージが満載です。

 

 

  • 本間 正人Masato Homma

    「教育学」を超える「学習学」の提唱者・東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学Ph.D.)。京都芸術大学教授・副学長・NPO学習学協会代表理事・NPOハロードリーム実行委員会理事。「楽しくて、即、役に立つ」参加型研修の講師としてアクティブ・ラーニングドリームを25年以上実践し、研修講師塾を主宰する。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」「三か月トピック英会話:SNSで磨くアウトプット表現術」の講師などを歴任。TVニュース番組のアンカーとしても定評がある。一般社団法人大学イノベーション研究所代表理事、アカデミックコーチング学会会長、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、一般財団法人しつもん財団理事などを務める。

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