REPORT2026.05.12

“猫失踪事件”発生!?-学生会企画、新入生歓迎会レポート

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  • 京都芸術大学 広報課

やわらかな陽射しに包まれる四月。新学期が始まりました。

新入生にとっては、慣れない環境の中で、少しずつ授業や大学生活に胸を躍らせる季節です。

そんな新入生に「大学内で広く他学科とのかかわりを持ってほしい」という思いから、学生会による新入生歓迎会が、今年も開催されました。

学生会は、通学課程の学生で構成される自治組織です。なかでも役員が中心となり、学生生活をより充実させるためのさまざまな活動を行っています。
今回のような新入生歓迎会や、秋の学園祭や、冬にはクリスマスイベントなど季節ごとのイベントの企画・運営を担うほか、目安箱を通じて学生の声を集めたり、活動を支援する補助金の管理を行ったりと、まさに「学生による学生のための組織」です。

今年のイベントでは、新入生を迎える場として展覧会が開催されました。

絵画、書、立体作品など、多様な領域の作品が並ぶなか、ひときわ目を引くのが“猫”をテーマにした絵画です。
しかし、その猫たちはどこか自由奔放で——。

本記事では、新入生歓迎会に潜入し、展覧会の様子をレポートします。あわせて、企画・運営に携わった井上栞朋さん(プロダクトデザイン学科|3年)、藤本朋花さん(舞台芸術学科|2年)へのインタビューを通して、その裏側にも迫ります。

 

招かれた新入生

学生会が用意した展覧会に、最初の来場者として招かれた新入生たちが、次々と会場へ足を踏み入れます。
先輩たちが待つテーブルに着くと、さっそくあちこちで交流が始まりました。

名札を見せ合いながらの自己紹介やインスタグラムの共有。
学科やコースの垣根を越えて、少しずつ会話の輪が広がっていきます。
そんな中、先輩たちが「これも使ってみようか」と取り出したのは、一枚のカード。
「話題カード」と呼ばれるそれには、「好きなお菓子は?」「中学、高校時代は何部に入っていた?」といった質問から、「今、恋してる?」といった思わず笑ってしまうものまで、全40種類の問いが用意されていました。
カードをきっかけに会話が弾み、緊張していた空気も、いつのまにかやわらいでいきます。

 

展覧会でまさかのトラブル!?

全員が揃ったところで、いよいよ待ちに待った展覧会へ。学生会の案内のもと、新入生たちはカフェ南側の展示スペースへと向かいます。

その目はどこかきらきらとしていて、これから始まる時間への期待が伝わってきました。
会場には、絵画や書画、漫画、立体作品など、ジャンルの垣根を越えた多彩な作品が並びます。思い思いに作品を眺めながら、あちこちで小さな感想が交わされていました。
そして、一通り見終えたところで——いよいよ目玉企画、猫の絵画の披露です。
布に覆われたその作品に、自然と視線が集まります。

ゆっくりと布が外されると、そこには——

……いない⁉

一瞬の静寂のあと、会場にざわめきが広がります。
学生会スタッフは慌てて状況を確認し、「どうする?」と小声で話し合いを始めますが、その様子はしっかり新入生たちの目にも入っていて——。
やがて、「すみません、いったん展覧会は中止です!」というまさかのアナウンス。
「ええーっ」と驚きの声が上がるなか、新入生たちはいったん元の教室へ戻ることに。
席に着いたそのとき、机の上に見慣れない封筒が置かれていることに気づきます。
恐る恐る開けてみると、中には——猫たちからのメッセージが。

猫たちからのメッセージ

どうやら猫たちは、大学内のどこかへ遊びに行ってしまったようです。
「これ、全部探しに行かなきゃなの?」
戸惑いの声が漏れる一方で、学生会スタッフもまた、焦りを隠しきれない様子。
そんな中、前に立ったスタッフが声を上げます。
「猫ちゃん、探すの手伝ってもらっていいですかー⁉」
少しの間をおいて、「はーい!」と元気な返事。
その一言に、スタッフたちの表情もふっとやわらぎます。
こうして新入生たちはチームに分かれ、それぞれ一匹の猫を探すことに。
まずは、手紙に書かれた場所を手がかりに、学内へと足を踏み出しました。

 

縦横無尽に、猫探し

取材チームも、よしださきさん率いるグループに同行し、猫探しへと出発しました。

最初の手がかりは、学生支援センター「RAPPORT(ラポート)」。

※学習支援センター「RAPPORT」へ

健康支援室、学生相談室、UDL推進室の三つの機能を持ち、学生の心とからだの両面を支える施設です。(ラポートの詳細はこちらから https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/1325

現地に到着すると、さっそく猫からのクイズが待ち受けていました。

悩む新入生たちに、よしださんがさりげなくヒントを出しながら、少しずつ答えへと近づいていきます。
見慣れないキャンパスマップを広げ、手がかりをつなぎ合わせていくと——「吉田松陰」という言葉が浮かび上がりました。
そういえば、瓜生山キャンパスの中腹に像があったはず。記憶を頼りに、一行はそちらへと向かいます。

※吉田松陰像

階段を上りきった先に現れたのは、吉田松陰の像。
しかし、そこに猫の姿はなく、代わりに次の謎解きが設置されていました。
どうやら先ほどよりも難易度は高い様子。

しばらく頭を悩ませる中で、一人の新入生が数字の法則に気づきます。漢字を分解していくと、答えがゆっくりと浮かび上がり——
「至誠館6階」。
どこかで見た名前だ、と地図を確認すると、すぐ近くの建物であることが判明。
一行はそのまま至誠館へと向かいます。

辿り着いた先には、キャンパスを一望できる美しい景色。そして——また新たな謎解きが。

紙をのぞき込んだ瞬間、「分かった!」という声が上がります。これまでで最速のひらめきに、周囲からも思わず驚きの声が漏れました。
導き出された答えは「敬天館」。
確認すると、現在地からは少し離れた場所にあるようです。

歩みを進めると、やがて見えてきた敬天館。

※敬天館

2026年4月に使用が開始されたばかりの新校舎。新入生たちと同じ学年の新しい校舎です。そこに導かれたことに、どこか不思議な縁を感じます。

中へ入ると——

いました。左手に、猫の姿が!
「連れて帰ってほしいにゃ」
そんなメッセージに導かれるように、一行は猫を連れ、元の教室へと戻ります。

 

展覧会は大成功!

教室へ戻ると、すでに他の班も猫を見つけて帰ってきていました。

中には、山を二度も登った班もあったのだとか。自由奔放すぎる猫たちに、「猫ヤバい!」と笑いながらこぼす声も聞こえてきます。
気づけば、集まった当初よりもぐっと打ち解けた雰囲気に。
どの班でも、猫を囲みながら楽しそうに会話する姿が見られました。
やがてすべての猫が揃い、再び展覧会会場へ。

一匹ずつ絵の中へ戻していくと——

すべての猫が、もとの絵画の中へと収まりました。

春のやわらかな陽気のなか、猫たちが自由に過ごす一枚の作品が、ここに完成します。
教室へ戻ると、机の上にはポストカードが。
そこには先ほどの絵画とともに、猫たちからのメッセージが添えられていました。

——新入生のみんなに、仲良くなってほしくて。
今回の出来事は、そんな想いから生まれたものだったようです。
「なあんだ」と、新入生たちから思わず笑みがこぼれます。
「みなさんのおかげで、無事に展覧会を開催することができました。本当にありがとうございました!」
学生会からの挨拶が会場に響き、あたたかな拍手が広がります。
こうして、新入生歓迎会は大きな成功のうちに幕を閉じました。

 

工夫が光る歓迎会

歓迎会の様子は楽しんでいただけましたか?それでは、今回の企画について、運営に携わった井上栞朋さん(クロステックデザインコース3年)と、藤本朋花さん(舞台デザインコース|2年)に話を伺いました。

 

——まず、この企画はどのようにして生まれたのでしょうか。

井上栞朋さん

「もともとはウォーキングラリーという案にたどり着いて、そこからどんどん広がっていきました。謎解きはOBの方にも手伝っていただいて、“謎解きウォーキングラリー”という形になりました。正直、これでいいのかなと思いながら本番を迎えたんですが、みんなの表情を見て、答えが見つかったような気がしています」
運動会など、ほかにもさまざまな案が出ていた中で、試行錯誤を重ねながら形になった今回の企画。学生会全体で作り上げたイベントであることが伝わってきます。

——では、猫をモチーフにした理由は何だったのでしょうか。
「学生会の中に猫を描くのが得意な人がいて、昨年も猫のキャラクターを使った企画を行っていたんです。それを一度きりで終わらせるのはもったいないと思って、今回も取り入れました。それに、うちの大学はキャンパス内で猫を多く見かけます。そういったところからも着想を得ています」
猫階段と呼ばれる場所があるほど、猫は本学にとって身近な存在。その親しみやすさが、今回の企画にも自然と溶け込んでいます。

——最後に、新入生同士が交流しやすくなるために、どのような工夫をされたのでしょうか。

藤本朋花さん

「グループ分けの段階で、同じ学科・コースの人だけでなく、他学科の人も混ざるように意識しました。これから先、仲良くなれるきっかけにもなりますし、違う分野同士で何かを一緒に作る機会にもつながると思っています。
また、話題カードは昨年度から引き続き採用したのですが、実際にカードを使って会話が弾んでいる様子も見られて、取り入れてよかったと感じています」

実際の会場内でも、同じ学科だと知り仲良くなっていたり、他学科が何をしているのか、興味津々に聞いている姿もありました。
このような工夫の末、今回の新入生歓迎会は大成功を収めました。

 

新たな季節に、新たな出会いと

今回の新入生歓迎会では、新入生同士が打ち解け、関係を築いていく姿が随所に見られました。
イベント終了後もそのままテーブルに残り、会話を続ける様子が印象的です。
「仲良くなれました!」
「先輩方とも話せてよかったです」
そんな声からは、この時間が確かな出会いのきっかけになったことが伝わってきます。
多くの学科・コースを有する本学だからこそ、こうしたつながりはこれからの学生生活を支える大きな力になるはずです。

ここで生まれた出会いが、やがて新たな創作や挑戦へと広がっていく——そんな未来を予感させる一日となりました。


(文=文芸表現学科 4年 千葉美沙希、撮影=Oto Hanada、※写真=広報課撮影)

 

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