INTERVIEW2026.04.30

教育

「妖怪」をテーマに、等身大で魅せる京都芸術大学の学生生活――大学パンフレット「mymymy」が今年も完成しました!

edited by
  • 愛知 はな

「日本一捨てられない大学パンフ」ともいわれる「mymymy」が今年も完成しました!
「mymymy」は、本学在学生が企画、編集、デザインを手がけ、京都芸術大学の「学生の今」を届ける大学パンフレットです。実際に本学で学生生活を送る在学生が作るからこそ伝えられる、本学での学生生活の楽しさや、進学に対する不安、疑問に応える飾らない内容が魅力です。

実際に今年の「mymymy」の制作に携わったのも、高校生のとき「mymymy」に出会い魅了され入学した在学生。入学前から「mymymy」の制作を決めていたという学生もいます。

今回は、2026年度の「mymymy」の魅力、そして制作の裏側を、制作メンバーの、赤嶺瑠栞さん(情報デザイン学科 ビジュアルデザインコース|2年)、税所杏奈さん(情報デザイン学科 イラストレーションコース|2年)、古土居百花さん(情報デザイン学科 映像クリエイションコース|2年)、太田聖玲奈さん(空間演出デザイン学科 空間デザインコース|2年)に話を伺いました。

写真左から 太田さん、古土居さん、税所さん、赤嶺さん

「mymymy」の制作メンバーの応募が始まったのが、2025年の4月半ば。5月に選抜され、6月には、制作ディレクターの酒井洋輔先生(空間演出デザイン学科 准教授)のもとで、本格的な制作が始まったのだそう。。


今年のテーマは「妖怪」

昨年のテーマ「金髪」と打って変わって、テーマを「妖怪」としたきっかけは、制作メンバーの一人の言葉だったそうです。

税所さん「毎年やっている、『ミス京都芸術大学』の企画で、彼女たちがカッパに扮してたら可愛いんじゃないか、胡瓜かじってたら可愛いんじゃないかという一人のメンバーのアイデアがきっかけとなり、参加しているチームメンバーで相談を重ねる中で「妖怪」というテーマが決まり、企画も決まっていきました」
テーマ「妖怪」を掘り下げていく上で、妖怪についての下調べをし、共有するという段階を経て、様々な発想を生み出していきました。

Ms.Kappa かわいいカッパの女の子

制作メンバーはもちろん、モデルとなる学生も、山をのぼり川へ。水掻きや頭のお皿を身に着け、カッパに扮した学生と大自然のほのぼのする企画となりました。
ひとりではなく、仲間と作るからこそ、ひとつのアイデアに広がりが生まれます。


大学パンフレットとしての「mymymy」

手のひらに収まるサイズでありながら、一冊の小説のような厚みがあるのが、大学パンフレットとしての「mymymy」の特徴でもあります。
大学パンフレットとして、これから京都芸術大学への入学を考える高校生はもちろん、入学を迷っている高校生にも手に取ってもらえるように、工夫したことがあったそうです。

赤嶺さん「高校生が気になること、大学進学に対して不安なことが全部取り上げられていて、『大学パンフレット』であり、ある意味で『大学生活の教科書』になるような、京都芸術大学での生活を楽しみにしてもらえる、そういう体験がこの本を通して与えられたらいいなという思いで制作しました」
高校生の頃から「mymymy」に触れているからこそわかる、高校生の目線に立った企画を展開。ここからは、「mymymy」制作の裏側や、一押し企画、思い出に残っている企画に焦点をあて、紹介していきます。


「200人を超える在学生で撮影したprologue」

Prologue
実際の撮影風景

妖怪や目、そして「mymymy」の文字をモチーフに、夜の瓜生山でドローンを用いて撮影した写真が2026年度の「mymymy」のプロローグを飾ります。スマートフォンの光が夜の暗い山に浮かび上がる様子は、今年のテーマ「妖怪」に沿い印象的です。撮影時の裏側を、太田さん、古土居さんに話してもらいました。

太田さん「100人の学生で撮影しようという当初の想定が、直前に足りないとなって、とにかく声掛けをして、なんとか200人を超える学生での撮影が実現しました」

古土居さん「撮影中も、チャットを使って、参加している人にリアルタイムで指示を出して動いてもらいました。即興でモチーフをつくったり、夜の山を駆け回りながら撮影しました」
完成した写真はもちろん、実際に京都芸術大学で学生生活を送る在学生が協力する過程に学生生活の「楽しい」が詰まっています。


「社火」

社火

中国の妖怪をモチーフに化粧をするという実在する祭りから発想を得た企画です。実際に、中国からの大学院生への取材も行い、下調べをして企画を進めたのだそう。制作メンバーが、オリジナルの妖怪を考え、そのデザインをメイクで表現しています。既存の妖怪ではなく、学生がその背景からキャラクターとして考えた妖怪は、多種多様です。今回インタビューに答えてくれた4人を探してみるのも楽しいかもしれません。

化粧を施すメンバーたち

 

「my profile 先生の手書きプロフィール」

my profile 先生の手書きプロフィール

今年の「mymymy」で形式を変えた教員紹介企画。様々な学科の教員の手書きのプロフィール帳を読むことができます。教員それぞれの色が出る文字やイラストに親近感を覚える人も少なくないのではないでしょうか。


古土居さん「高校生の頃、私自身どんな先生がいるのかが、一番気になるところでもあったので、文字やイラストでどんな人なのかを、より具体的に伝えられたらいいなと思って企画を進めました」

 

高校生として「mymymy」に出会い、入学を決めた制作メンバーだからこそ、高校生の不安に寄り添うことができる、そんな「mymymy」の大学パンフレットとしての親近感を体現した企画です。


「my koibana 学生の恋の相談」

my koibana 学生の恋の相談

「大人に読んでほしくないから」という理由で、小さな文字で恋バナを掲載するこの企画。恋バナは、匿名(ペンネーム)で聞く、本学の在校生のものです。内緒話を聞くように、小さな文字、波打った文字など、様々な工夫で読みにくく記される恋バナは、内容はもちろん、ビジュアル面の工夫も見どころです。


「my stories 心に火を灯せ」

my stories 心に火を灯せ

一つ目の提灯の妖怪が主人公の、柔らかくユニークな絵柄のマンガ。ストーリーの考案、ラフの制作、そして完成までを学生が手掛け、それぞれの分野の強みを生かし、様々な工夫を凝らしています。太田さん、税所さんは、ストーリーの考案からラフまでを担当しています。時にはハプニングがありながらも、心温まる一作を作り上げました。

税所さん「『mymymy』全体の制作の終盤で、この企画の形がマンガに決まり、動き始めました。方向性がマンガと決まってからは、入稿のぎりぎりまで試行錯誤して完成させました」

太田さん「酒井先生やチームメンバーとの意見のすり合わせなどを経て、どうやって一つ目の提灯が火をつけるのか、アイデアをたくさん出し合い、最後の最後まで制作したので、達成感がありました」
主人公の提灯がどうやって自分に火を灯すのか、そして、もう一人の提灯の妖怪にどう火を灯すのか。各話それぞれに光るアイデアは必見です。


「interview 専門家に聞く、妖怪のこと」

interview 専門家に聞く、妖怪のこと

本学の通信教育課程で非常勤講師を務めた経験もある、日本近世の怪異・妖怪文化を研究されている木場貴俊先生と、同じく本学で非常勤講師を務められていた久留島元先生へのインタビュー企画です。
「妖怪は実在するのか?」という疑問から始まり、天狗に関する専門的な知見まで、「妖怪」というテーマ、そして京都という土地の魅力にぐっと踏み込むことのできる企画です。インタビュアーは、自身もオカルト好きであるという古土居さんが務めました。
古土居さん「木場先生へのインタビューがきっかけで、『自分より天狗に詳しい人』として久留島先生をご紹介いただき、今回の企画が実現しました。テーマを深く掘り下げられたことはもちろん、私自身『いつかこの先生の授業を受けてみたい』と思えるような、素敵な出会いとなりました」
ポップでかわいらしい「mymymy」での妖怪とは少し毛色の違う、専門的な知識も、本学での学びの楽しさを表す要素のひとつです。



これらの企画以外にも、ぬらりひょんと見るひとり暮らしの部屋、学生の持つ大学への文句を佐藤卓学長が鬼になって答える企画など、思わず目に留まり、読み込んでしまう企画が目白押しです。
最後に、1年間の制作活動を経て完成した今だからこそ見えてくる印象深い思い出や、読者へのメッセージをもらいました。

my room 京都一人ぐらし
ぬらりひょんのぬいぐるみは手作り
my monku 大学への文句に佐藤学長が鬼になって答える
佐藤学長との撮影風景

赤嶺さん「制作に関わることで、高校生の時に読んでいた『mymymy』を一冊作り上げるためにかかっている時間を知り、細部までのこだわりが見えてきました。『妖怪』というテーマで、今回のメンバーで一冊の大学パンフレットが完成させられたことの達成感も感じました。迷っている高校生がいたら、ぜひ、『mymymy』の制作をしてみてほしいです」

太田さん「制作メンバーになり、高校生の頃とは違う厚みを『mymymy』に感じるようになりました。手掛けたものの量を知り、経験を積み重ねることにより、この一冊にたくさんの人の意欲が詰まっていることを感じました。もちろん、高校生やその保護者の方々にも手に取ってほしいですが、大学生、京都芸術大学の在校生にも読んでみてほしいです」

税所さん「酒井先生が『mymymyは単なるプロジェクトではなく、仕事としてやっている』と言っていたのがとても印象的でした。その言葉を聞いて、プロのデザイナーとして活躍している先生の仕事に対しての熱量を間近で感じることができて、楽しいメンバーと笑いながら一冊のパンフレットを完成させられるという経験は、大学生だからこそできたことだと思います」

酒井先生(写真左)と制作メンバーたち

古土居さん「本当に仲の良いこのメンバーで『mymymy』が完成させられて、とにかく楽しかったです。どんなにしんどいことがあっても笑い合って、制作を続けることができたし、このメンバーだからこそ出せる色、派手さが、この一冊に生かすことができたと思います」

高校生として「mymymy」に出会い、大学生として、今度はその制作に携わる制作メンバーだからこそ生まれる、高校生の不安や疑問への素直で嘘のない回答が「mymymy」にはあります。そして、考え抜かれた企画、読者の心を掴んで離さない工夫からは、なにかを仲間と制作する充実感、京都芸術大学での学生生活の楽しさが伝わってくるのではないでしょうか。

求める情報だけでなく、新しい知識、本学での大学生活の楽しさが垣間見える「mymymy」。京都芸術大学に興味のある高校生、そして保護者の方はぜひ手に取って、京都芸術大学の大学生活を覗き見てみてはいかがでしょうか?


(文=愛知はな 写真画像=mymymy制作チーム提供)

 

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  • 愛知 はなAichi Hana

    2000年岐阜県生まれ。2025年度、京都芸術大学文芸表現学科卒業。

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