REPORT2026.03.18

舞台教育

ダンス・演劇・書道パフォーマンスの全国大会出場校(関西代表)が一堂に! ――京都芸術劇場春秋座にて『演じる高校生 ザ・セレブレーション』が開催されました

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  • 京都芸術大学 広報課

2001年の開始から25年目を迎えた『演じる高校生』。今年は、例年の高校演劇(関西代表校)の招待に加え、新たにダンスと書道パフォーマンスを加えた「3部門」へとプログラムを拡大、舞台芸術の祭典として開催されました。

『演じる高校生 ザ・セレブレーション』は、それぞれの分野において、関西地区で卓越した成果をあげた高校生たちの功績を讃え、その活動を奨励・応援するとともに、本イベントに出演する高校生同士が異なる分野の舞台芸術に触れ、交流することで新たな視点、気付きを得る機会を提供することを目的としています。

本企画の出演高校は以下の6校です。(プログラム順)

ダンス:梅花高等学校(大阪)
 
書道パフォーマンス:兵庫県立兵庫高等学校(兵庫)
 
書道パフォーマンス:上宮高等学校(大阪)
演劇:兵庫県立長田高等学校(兵庫)
 
書道パフォーマンス:兵庫県立須磨東高等学校(兵庫)
 
ダンス:帝塚山学院高等学校(大阪)

当日は500名以上の観客が来場し、高校生から一般の方まで、幅広い世代が春秋座に集まりました。
この記事では、『演じる高校生 ザ・セレブレーション』の当日の様子と、前日に行われた交流会の様子をレポートします。

交流会

本番前日の1月31日(土)、本学学生食堂にて、『演じる高校生 ザ・セレブレーション』に参加する高校生の交流会が開かれました。ダンス・書道パフォーマンス・演劇という異なる分野で活動する高校生たちが、いくつかのグループに分かれ、レクリエーションや食事を通して交流を深めます。他分野で活動する高校生同士の交流の場を設け、様々なジャンルの舞台芸術を知る機会をつくる企画です。

交流会に参加したのは兵庫県立兵庫高等学校書道部、上宮高等学校書道パフォーマンス部、兵庫県立長田高等学校演劇部、兵庫県立須磨東高等学校書道部、帝塚山学院高等学校ダンス部のみなさん。残念ながら交流会当日には参加できなかった梅花高等学校ダンス部[Litlux]のみなさんも、ビデオメッセージを通して、他校と交流しました。
交流会の企画運営の中心となったのは、本学の舞台芸術学科で舞台芸術の企画・制作を学ぶ学生たちです。交流会の企画立案から当日の司会進行、高校生や関係者のサポートまで取り組みました。また、当日は美術工芸学科などで学ぶ現役の学生も有志として交流会に参加しました。

司会進行をする学生たち

交流会の司会進行や高校生たちの交流のサポートを在学生がつとめ、高校生たちの緊張を解きほぐし、にこやかで楽しげに交流することができました。

交流会の冒頭では、梅花高等学校の皆さんによる自己紹介のビデオメッセージを皮切りに、進行を担当する在学生の自己紹介、ビデオメッセージにて、佐藤卓学長の挨拶が行われ、交流会がスタートしました。

最初の交流となるのが、グループ内での自己紹介です。在学生の進行のもと、他校の生徒が顔を合わせ、5分間という短い時間を存分に使って、各高校のこと、部活動のこと、大学のことなどについて話します。サポートをする在学生の中には、高校時代に『演じる高校生』に役者として参加した学生も。先輩として、高校生たちの交流の手助けをしていました。

自己紹介で緊張がほぐれると、「共通点探しゲーム」へと移ります。

お題にそって同じグループ内のメンバー4人以上で共有される共通点とその人数をポイントに換算し、豪華景品の獲得を目指します。

制限時間ぎりぎりまで、生徒同士が協力しながら、共通点を探し、高得点を目指します。豪華景品という目標を共有し、各校の生徒同士、打ち解けていきます。

共通点探しゲームが終わると、次はクイズ大会です。本学についてのクイズ、ダンス・演劇・書道パフォーマンスの3部門の舞台芸術についてのクイズが出題され、それぞれの分野の学生が舵を取り、正解をたたき出します。終盤には、グループの中にとどまらず、会場全体が一体となる盛り上がりをみせました。

ゲームで獲得した得点の集計が済むと、一位から三位まで、豪華景品が贈呈されました。

ゲームを通して一丸となり共通点を見つけた高校生たち。3つの分野の舞台芸術での知識が楽しい体験とともに共有されました。
レクリエーションが終わると、ランチタイムが始まります。本学の食堂で用意された、たこ焼きや、カレーライスなど、色とりどりの料理をお皿いっぱいに盛りつける高校生たち。ランチの後に控えるリハーサルに向け、それぞれに腹ごしらえをします。交流会を通して親睦を深めた他校の生徒同士で昼食をとる姿も見られました。

ここで参加された高校生に感想を伺ったので少し紹介します。

参加した高校生の声

 

「書道やダンスなど、自分たちとは異なる分野についてのクイズを通して、新しいことを知ることができて楽しかったです」

 

「朝早くに高校を出て、リハーサルを済ませ、交流会に参加しました。普段は他の分野で活動する学生との交流は少ないので、レクリエーションはもちろん、ランチを通して話すことができて楽しかったです」

舞台芸術の世界で様々な形で活動する「演じる高校生」の仲間と出会い、親睦を深め、新しい学びを得る、楽しく刺激的な交流会になりました。

『演じる高校生 ザ・セレブレーション』

2月1日(日)、会場となる京都芸術劇場春秋座には、出演高校関係者から一般の方まで幅広い観客が来場。500名近くの観客で、春秋座が賑わいました。
13時になると、いよいよ『演じる高校生 ザ・セレブレーション』の開演です。

トップバッターをつとめたのは、梅花高等学校ダンス部[Litlux]のみなさん。

梅花高校ダンス部は、2年生10名、1年生26名の計36名で構成され、ストリートダンスのLOCKINGをメインジャンルとして活躍しています。昨年の夏には3つの全国大会に出場を果たし、そのうちの日本高校ダンス部選手権では近畿大会優勝という結果を収めた実力校です。『演じる高校生 ザ・セレブレーション』で披露したのは、冬の大会に向け制作したという新作。

キレのある、パワフルなLOCKINGを軸に、女性らしさ溢れるWAACKINGを融合。ジャジーでビバップな、しなやかさと活気の混ざり合うダンスが魅力です。

クールでシックな印象の衣装に身を包み、ステージに上がります。会場の空気も一変。ステージ全体をのびのびと使って、全身で表現する姿に、観客たちも目を奪われます。ダンスを披露する高校生それぞれのソロパートも見どころのひとつ。スポットライトを浴びて、指先までこだわりぬかれたダンスは、パワフルでありながら、しなやかさも兼ね備え、日々の梅花高校の皆さんの努力の成果が存分に発揮されていました。

続いて、披露されたのは、兵庫県立兵庫高等学校書道部による書道パフォーマンスです。

書道パフォーマンスは、春秋座のステージではなく、本学のギャルリ・オーブにて各校がパフォーマンスを披露しました。観客は、その中継映像を春秋座で鑑賞します。

「この一筆に懸ける武陽魂」をモットーに日々の部活動に励む兵庫高校書道部。第18回書道パフォーマンス甲子園では、6大会ぶりに3回目の本戦出場を達成。全国大会での作品を、先輩である3年生への思いを胸に、1年生3人、2年生3人の計6人で披露しました。

披露された作品のテーマは「一蓮托生」。大切な仲間とこれからも共にあるためにできることは何なのかという問いを突き詰めた作品です。彼女たちが示す、その問いへの答えは、己を顧み成長し続け、仲間と心をひとつに、夢に向かって強くなること。

床に広げられた大きな紙いっぱいに、赤、黄、オレンジ、黒で筆を走らせる学生たち。音楽に合わせて息の合った動き、それぞれのなめらかな筆さばきに目が離せません。無駄のない、ダイナミックな身のこなしで、作品を完成させます。

完成した作品がこちら。

「仲間と共に運命を切り拓く」、兵庫高校のみなさんの覚悟が込められた、素敵な作品でした。


兵庫高校に続き、書道パフォーマンスを披露したのは、上宮高等学校書道パフォーマンス部のみなさん。

上宮高等学校の書道パフォーマンス部は、競技としての「書道パフォーマンス」に特化した部活で、一般的な書道部とは異なる目的を持つ、全国でも珍しい存在です。今回披露したのは、第18回書道パフォーマンス甲子園本選で演技した作品。夏の大会で引退した3年生と1、2年生でチームを再編成しました。

作品のテーマは「人生を変えた出逢い」。題材にしたのは中国の唐代に活躍した書家、孫過庭が著した古典作品である「書譜」です。書の技法、精神性を記す書論にならって、上宮高校ならではの「上宮流」の書論を披露します。

床に広げた紙に書くだけではなく、時に垂直に立てられた大きな紙に筆を入れていきます。また、床に広げた紙の上で全身を使ってリズムを取りながら作品を仕上げていきます。工夫を凝らした演出も、パフォーマンスの見どころです。

書譜にも押されている所蔵印をイメージし、書の魅力に関する言葉をはんこで押します。熱烈な書への想いが見受けられるパフォーマンス。3学年そろっての最後のパフォーマンスにふさわしい盛り上がりを見せました。

 

ステージの装いが変わると、兵庫県立長田高等学校演劇部の演目「月と鉄」の上演が始まります。しんと静かな舞台で、舞台に上がる4人の部員がそれぞれの役を堂々と演じます。

1年生3人、2年生3人で構成される長田高校演劇部。コンクール以外にも、文化祭、文化部発表会で校内公演をおこなうほか、休業中には個人でワークショップ、イベントに参加するなど、意欲的に活動をしています。

顧問の福田成樹先生が執筆した脚本を演者である高校生たちが、堂々と演じます。登場人物4人の絶妙な関係性が、舞台上で繰り広げられる物語の中で、様々な変化を見せます。

軽快な会話に、会場では笑いが広がる場面も。

街、家族のかたち、現代における多様性をテンポの良い会話劇に織り交ぜ、長田区で生活する高校生だからこそ持ち得る目線で映し出し、表現していました。


舞台は再び、本学ギャルリ・オーブでの書道パフォーマンスの中継へと移ります。兵庫県立須磨東高校書道部によるパフォーマンスです。

「全力!感謝!笑顔!」をモットーに23名で活動する須磨東高校書道部は、第18回書道パフォーマンス甲子園では全国4位、万博大会では全国3位という結果を収め、個人作品でも、全国高等学校総合文化祭に7年連続で出場しています。書道パフォーマンス、個人作品、その両方に力を入れる須磨東高校の披露した作品のテーマは「親孝行」。高校生たちにとって一番近い存在である両親への感謝をパフォーマンスと作品を通して伝えます。

唐の石臺孝経で記された「身体髪膚之を父母に受く。敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」、親から受け継いだ大切な体を傷つけないことが親孝行の始めであるという言葉を須磨東高校書道部のみなさんが解釈し、作品へと落とし込みます。
オレンジ色や赤色を基調とした作品。ひまわりの花を用いたパフォーマンスも印象的です。

どんな時代でも変わらない両親への感謝の心、当たり前ではない日常の尊さ、須磨東高校書道部の考える「親孝行」が、書、言葉、パフォーマンスで表現されました。


そして、最後に舞台に立つのは、帝塚山学院高等学校ダンス部の高校生たちです。

「心はひとつ」をモットーに、日々限りない可能性にチャレンジする帝塚山学院高等学校ダンス部。第18回日本高校ダンス部選手権準優勝、第13回全国高等学校ダンス部選手権優勝、第37回全日本高校大学ダンスフェスティバル神戸・NHK受賞、第一回夢舞〈MOVE〉2025 EXPO DANCE CHAMPION SHIP全国大会優勝という結果を収めています。

披露した作品は「Dear Mom」。生まれて初めて抱きしめられて感じる母のぬくもり、母の声。長い人生のなかで確かに受けとる母からの無条件の愛、そしてそれを未来へとつなげ咲かせる意思をダンスで表現しました。
白色、ピンク色を基調としたしなやかな衣装に身を包み、華やかに登場します。

息の合った動き、部員ひとりひとりの研ぎ澄まされた表現に目が離せません。

ひとりひとりの表現力もさることながら、布を用いた、グループとしての動きも魅力のひとつ。舞台全体を大胆に使い、なめらかに揺れる布は、花びらのよう。しなやかでありながらも、ときにアクロバティックに繰り広げられるダンスは、『演じる高校生 ザ・セレブレーション』の締めくくりにふさわしい演技です。

部員たちの日々の努力、作品タイトルからも受け取ることのできる、母からの愛を、ひとりひとりの動き、チームとしての動きで表現していました。

『ザ・セレブレーション』

全てのパフォーマンスが終わると、「ザ・セレブレーション」、舞台芸術分野での日々の創造的な活動、その努力、そしてそれぞれの分野で収めた結果への奨励の楯、参加者への記念品の手ぬぐいが、本学芸術学部長、『演じる高校生 ザ・セレブレーション』実行委員長である河田学から贈られました。

代表者へ楯、手ぬぐいが贈呈されます。
贈呈された楯、手ぬぐいがこちら。

手ぬぐい:本学美術工芸学科の染色テキスタイルの学生が染め上げた手ぬぐい。カラフルな色使いが印象的です。
楯:本学ウルトラファクトリーディレクターでもあるヤノベケンジ、デザイン監修のもと、ULTRA FACTORYにて制作された楯。「SHIP’S CAT」をモチーフに、未来を切り開く高校生たちへの願いが込められています。

『グランドフィナーレ』

楯、手ぬぐいの贈呈が終わると、いよいよ『演じる高校生 ザ・セレブレーション』のグランドフィナーレです。舞台上には、出演した「演じる高校生」たちが一堂に舞台上に集結。素晴らしい演技を披露した出演者たちに、観客から惜しみない拍手が送られ『演じる高校生 ザ・セレブレーション』が幕を閉じました。

『演じる高校生』

形態を変えて開催された『演じる高校生 ザ・セレブレーション』。日々、それぞれの分野で積み重ねられた努力のうえで成り立つ堂々とした演技、純粋で意欲的な舞台芸術への眼差しが、観客を魅了しました。次回、『演じる高校生』が開催された際には、会場に足を運び、「演じる高校生」たちの輝きを目にしてみてはいかがでしょうか!

 

(文:文芸表現学科4年 愛知はな)

 

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