INTERVIEW2021.01.15

デザイン舞台教育

みんなの夢をのせた舞台を。― 「演じる高校生」イメージビジュアル決定!

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  • 京都芸術大学 舞台芸術研究センター
  • 京都芸術大学 広報課

本格的な歌舞伎スタイルを基本としながら、オペラや現代劇なども上演できる京都芸術劇場 春秋座が本学にできたのは、今から20年前。劇場の開場以来、春秋座では毎年、高校演劇コンクール近畿大会を勝ち抜いた優秀校の2校を招待して、作品を上演する企画 「演じる高校生」を開催しています。

「演じる高校生」とは

演劇甲子園への道!

上演作品は創作・脚色は問わず自由ですが、制限時間は1時間以内、1秒でも超えると失格となってしまう、そんなシビアな予選を経て、ブロック大会の優秀校1校が翌年春の全国大会に、最優秀校1校が翌年夏の全国大会に出場します。

さらに、夏の全国大会の上位4校(最優秀1校、優秀3校)は、その年の8月末に東京・国立劇場で上演することができます。
全国大会への出場校は10校程度。高校野球の甲子園大会よりも狭き門といえるでしょう。

今年度の「演じる高校生」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期されていた第55回近畿大会を兼ねた上演になります。近畿2府4県の代表6校が出演し、この中から全国大会への出場校が決定されます。

春秋座では、「演じる高校生」宣伝用イメージビジュアルを、昨年度より瓜生山学園生(京都芸術⼤学、京都芸術デザイン専⾨学校、京都⽂化⽇本語学校、京都芸術大学附属⾼等学校)から募集しています。

今年度は、応募総数103点より、京都芸術大学マンガ学科1年生で韓国からの留学生・李 英書(イ・ヨンソ)さんの作品が採用されました。

京都芸術大学マンガ学科 1年生 李 英書(イ・ヨンソ)さん


李さんが描いた作品は、ほんわかとしていて、見ていると心がポカポカと温かくなってくるような作品です。将来、マンガ家として⽇本でのデビューを夢⾒る李さんに採用作品についてお話を伺いました。

 

コロナ禍で来日が遅れる中、海外からの挑戦!


-今回もたくさんの応募がありましたが、その中から選ばれた感想はいかがですか?

李さん:
4月に入学したのですが、コロナの影響で日本に行けなくなり、大学では前期の授業がオンラインになりました。それでマンガ学科の“グーグルクラスルーム”で「演じる高校生」のイメージビジュアルの募集があることを知って韓国から応募しました。でも、その後連絡がなかったので落ちたなと思っていたんです。実は、「採用されました」とメールが届くまで、応募したことも忘れていたんですけど、メールが来た時は嬉しくて、すぐに⺟に「選ばれたよ!」と報告しました。
 

採用作品は優しいタッチのイラストですが、李さんはどのようなイメージで描かれたのですか?

李さん:
応募した作品以外に、ちょっと冷たい感じがするもの、少年マンガのような感じのものなど、何パターンかスケッチしていました。募集要項に「高校生だけではなく多くの人の目に留まるようなイメージ…」とあったので、マンガ⾵に描いてしまうと「マンガが好きな人が描いたんだな」という印象が強いかなと思い、若い人にも大人にも見てもらえるよう絵本や童話のようなタッチで描くことにし、童話の感じを出すために、あえてあまり描き込まずシンプルにしました。また、私はあまり性別で区別することが好きではないので、男の子と女の子と、どちらか分からない子の3⼈というのを意識して描きました。

李さんのビジュアル原画

 

「演じる高校生」という募集テーマから、どのようにビジュアルのコンセプトを立てましたか?

李さん:
「夢」ですね。みんなが夢を見ているような幸せで温かい雰囲気を考えました。“役を演じる”というのは、どんな人にでもなれるということだから、「なんでもできる!」という色々な新しい世界を開く「夢」を想像している高校生たちを描きました。


 

李さんにお話をうかがい、コロナ禍の影響によって、これまでどおりの学生生活が送れなかったり日本への入国が遅れたため、苦労する面が多々あったようですが、そのような状況下でもポジティブに制作に励み挑戦し続ける意志の強さをお話から感じました。そんな李さんの描いた作品は春秋座の舞台で演じる⾼校生たちだけではなく観客にも夢と希望を与えてくれることでしょう。

 

京都芸術劇場ではこのように様々な学生参加型の企画で今後も「学生の力」とともに大学の劇場を盛り上げていきます。

【劇場20周年記念プレ公演】
第20回「春秋座」招待公演 兼 第55回近畿高等学校演劇研究大会「演じる高校生」

 

今年度の「演じる高校生」は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された第55回近畿高等学校演劇研究大会を兼ね、近畿2府4県の代表校6校が熱演。その中から全国大会へ出場する2校が決定します。

特設サイトURL:http://k-pac.org/?p=11986

出場校の紹介 ※上演順

1月22日(金)

1.和歌山県代表

県立向陽高等学校

『如何にして蛞蝓(なめくじ)は蝸牛(かたつむり)であることをやめたか』

2.大阪府代表

追手門学院高等学校

『学校へ行こう』

1月23日(土)

3.奈良県代表

奈良市立一条高等学校

 『てんぺすと』

4.京都府代表

同志社高等学校

『ざつもくりん』

1月24日(日)

5.兵庫県代表

県立西宮今津高等学校

『うまずたゆまずお馬さん』

6.滋賀県代表

県立甲西高等学校

『銀の実時間』

 

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  • 京都芸術大学 舞台芸術研究センターKyoto Performing Arts Center, Kyoto University of the Arts

    舞台芸術の創造過程の総体を研究対象として、乖離しがちであった「創造の現場」と「学術研究」とのより有機的な結びつきを図るべく、2001年4月に発足。学内劇場である「京都芸術劇場」(歌舞伎劇場である春秋座 ならびに多目的小ホールの studio 21)を活用し、京都芸術大学舞台芸術学科を中心とした学内主任研究員による上演・研究活動を組織すること、学外および国内外の研究者および研究機関との共同研究、国内外の舞台芸術創造拠点との共同作業など、舞台創造の現場と密接に連携した研究・創造のネットワーク作りを目指す。
    http://k-pac.org/

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    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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