1年間のこだわりと情熱の集大成 — 学生がつくる大学案内『mymymy』2025、できました！

手にするだけでワクワク胸が高鳴る、学生が制作する大学パンフレット『mymymy』（STUDENT TODAY）。今年もついに配布がスタートしました！

京都芸術大学の学生たちが、企画から取材、撮影、デザインまですべてを手がけるこちらの大学案内は、「日本一捨てられないパンフレット」として多くの高校生に親しまれています。実際に「『mymymy』を読んでこの大学への入学を決めました」と語る学生も少なくありません。

今年の『mymymy』のテーマは、「金髪」。表紙にも金色の箔押しが使われています。
本記事では、10名の制作メンバーのうち、山下果音さん（ファッションデザインコース2年）、コスタダビア凛さん（空間デザインコース2年）、中馬雄一郎さん（ビジュアルデザインコース2年）の3名にテーマ設定の理由や制作の舞台裏、おすすめのコンテンツなどをお聞きしました。

本年度のテーマは「金髪」！

冊子をパラパラとめくってみると、どのページにも金髪、金髪、金髪……！　イラストや写真、刺繍など様々な種類の金髪が並んでいます。
なぜテーマが「金髪」になったのか聞いてみると、「実は学生から出た案ではないんです」と意外な言葉が。アートディレクターの酒井洋輔先生（本学空間演出デザインコース）が、ふと口にした「金髪でいいんじゃない？」という一言がきっかけだったそうです。

山下さんはテーマ設定の理由について、「最初は、金髪っていうワードだけだとギャルのイメージがあるから、ゴテゴテのパンフレットになるんじゃないかと戸惑いました。でも、金髪にするという行為って、高校生からすると『大学生に変わる』という象徴的な通過儀礼でもあるし、『背伸びをする』『変わろうとする』って部分にフォーカスしたらいいんじゃないかとメンバー同士で話して。それを軸に、自分たちなりの意味づけを加えていきました」と説明します。
実際にメンバーの中にはこの企画のために髪を染めたメンバーも。金髪という言葉に対して向けられる偏見や先入観を、メンバーそれぞれの視点から再解釈してコンテンツに落とし込んだのだといいます。

今回のプロジェクトが動き出したのは2024年5月中旬。キックオフミーティングのあとは冊子制作に必要なスキルを高める「ミッション」に取り組み、スキルを高めていき、6月に冊子のテーマを決定しました。コンテンツが固まり、制作がはじまると、それぞれのコンテンツに協力してくれる学生をSNSや大学の1階にあるカフェで声をかけて集め、内容を作っていったそう。企画、取材、デザインなどの多くの工程を経て、12月の入稿まで漕ぎつけました。

今回の制作メンバーである中馬さん、山下さん、コスタダビアさんの3人にとって、『mymymy』は特別なものだといいます。
中馬さんは芸術系ではない普通科高校の出身で、資料請求して届いた『mymymy』を教室で読んでいたら、クラスメイトに「なにそれ？」と聞かれたことがうれしく、「この大学に行きたい！」と強く思ったのだと語ります。

スペインから日本の大学に進学したコスタダビアさんは「わたしは普段、あまり本を読まないんですが、『mymymy』は全ページ読んだんです。学生たちが1年間かけて作ってるっていう事実に驚いて、わたしも入学したら絶対作りたいと思いました」と本プロジェクトに参加した理由を話します。それぞれの制作メンバーにとって、『mymymy』は憧れの冊子だったんですね。

人気コンテンツの裏側を公開！

ここからは、ひとつひとつのコンテンツについて見ていきましょう。

【Look for Golden Retriever】金髪を探せ

山下さん「望天館の屋上に学生約500人を集めて撮影した、絶対に見てほしい目玉のコンテンツです。学生が大勢集まっている写真の中から、金髪の人を見つけるっていう読み方が『金髪にフォーカスする』というこの冊子のテーマを読み手の動作で伝えられるんじゃないかと思って、このコンテンツを企画しました。撮影が1回やり直しになったこともあって、すごく大変でしたね」

【my petit gold】金色の持ち物

コスタダビアさん「金色のものを集めるというシンプルな企画だけど、意外と金色のものが見つからなくて大変でした。コメントもすべて手書きで書いて、スキャンして載せました」

【my career】金髪の履歴書

中馬さん「金髪の人のアルバイトに関するエピソードをまとめ、リアルな声を集めたページです。履歴書の形式で、金髪が理由で諦めたバイトと現在のバイト、諦めたバイトへの思いの丈を綴ってもらいました」

【mymy koikoi】ひっそりと恋バナ

コスタダビアさん「学生たちから恋バナを募集するという毎年恒例の企画です。昨年は酒井先生に『深夜ラジオのお悩み相談風』に、学生からの恋のお悩みに回答してもらいましたが、今年ははじめて学生が回答者を務めて、podcastでの配信も行いました。回答してくれたのは去年の『mymymy』メンバーです。テンション感とか声とかがめっちゃいいなと思って、お任せしました。文字もわざと小さくして、『親に読まれない工夫』もしています（笑）」

職人のようなこだわりでページを作る

【my mind set】は金髪に対する意見や価値観を紹介するコンテンツです。「金髪は記憶に残りやすい」や「金髪は費用が高すぎる」といった金髪のプラスな面、マイナスな面を、意見を出してくれた学生の顔の刺繍画像とともに掲載しています。

そう、こちらの学生の顔、実際に刺繍し、それを解（ほど）く過程を撮影して紙面にしているのです！　こだわりがすごい。

そのほかのコンテンツでも、3Dモデリングを習得し、金塊のオブジェクトと学生から募集したSNS上の投稿を組み合わせたり（【my tweet】）、学生の自宅の中に美容室の椅子とライトを持ち込んで美容室を再現して撮影したり（【my room barber】）と、それぞれのページに膨大な手間と情熱が注ぎ込まれています。

『mymymy』の冊子をめくってみると、各ページのデザインへのこだわりだけでなく、紙に印刷するということへのこだわりも見えてきます。例えば、写真を掲載しているページと文章メインのページでは紙の種類を変えていたり、青の一色刷り、黄色と青の二色刷り、カラーページをバランスよく配置することで飽きさせない工夫をしていたり……。
実際にできた冊子を目の前にしての感想を聞いてみると、中馬さんは「ずっとパソコン上でデザインを作っていたので、印刷されたものを見ると雰囲気がちがって驚きました。画面で見るよりあったかいですよね」と完成の喜びを語ってくれました。

今回はほとんどのコンテンツで「金髪にフォーカスする」という縛りがあったため、人集めが大変だったそう。「SNSや大学のカフェで学生に何人も声をかけて協力を募っていくうちに、すごくメンタルが強くなったと思います。知らない人に声をかけるって怖いじゃないですか。でも、もう制作中は必死で『そんなこと言ってらんない！』みたいな感じでした（笑）　デザインの面でも、酒井先生から何度もダメ出しを受けて作り直して、ということを繰り返すうちにメンタルが鍛えられたなと思います」と山下さん。

コスタダビアさんも「アイデアを提出して見てもらう機会が何度もあったことが学びになりました。いままでは言葉で説明するだけだった場面でも、自分の情熱をわかってもらうために実際にラフを描いてみたり、言葉以外のもので表現したりして。それがボツになっても、すぐ次のアイデアに取り掛かるみたいなバイタリティを持てました。毎週のミーティングも、みんなでお昼ご飯を食べたり、コーデを揃えたりして、しんどいけど楽しかったです」とプロジェクトについて振り返ります。

試行錯誤を繰り返して、1年間こだわりを追求して完成した335ページの大学案内。
京都芸術大学のホームページから資料請求していただくと、お手元までお届けします。資料請求はこちらから。（https://www.kyoto-art.ac.jp/request/）

在学生や卒業生の方々には『学内配布』の際にだけお配りしています。資料請求いただいても対応できませんので、ご了承くださいね。今年は5月16日に配布が行われました。大盛況だった『学内配布』の様子はこちら！

 

学内配布の際には、制作メンバーが京都芸術大学公式TikTokのQRコードパネルを持って宣伝してくれていました。本学の学生が企画から撮影、編集、デザインまですべてを手がけています。『mymymy』の誌面でもご紹介しています！

在学生にも大人気な、京都芸術大学のリアルを知ることのできる大学案内、京都芸術大学に興味のある高校生や保護者の方は、ぜひお手に取ってみてください！

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