COLUMN2025.02.27

教育

瓜生山でこどもが笑う -如月 つながる季節―

edited by
  • 西井 薫

2月は1年中で一番寒い季節でした。しかし、子どもたちは雪の降る日も瓜生山に出かけて行き、冬の季節を身体全体で感じ取っています。

「節分」

節分の朝、鬼が戸口から入るのを防ぐために、まずイワシとヒイラギを保育園の玄関に飾りました。

くり組(1歳児クラス)とまつ組(2歳児クラス)はそれぞれの部屋にいました。しばらくするとベランダから「鬼」が姿を現しました。急なことだったので子どもたちはびっくりしていました。

もみじ組(3歳児クラス)うめ組(4歳児クラス)さくら組(5歳児クラス)は新聞紙で作った「豆」を持ってホールに集まりました。そして、心に住む「鬼」の話を担任から聞いて鬼退治をしていました。お話が終わるころにホールの窓から鬼が姿を現しました。鬼を追って園庭に行くと、そこにも二匹の鬼が来ていました。みんなで新聞紙の「豆」を勇気を奮って鬼に投げつけました。「鬼は外!!」鬼は瓜生山に退散。その後、福の神が現れました。

心の鬼をやっつけろ!
鬼退治だ!
福の神、登場

「こども発表の日」

くり組は初めての経験で保護者の方々が気になる場面もありましたが、まつ組・もみじ組・うめ組・さくら組では自分たちの発表に集中して、心から楽しんでいる姿がみられました。全クラスを観ていると、年齢が上がるごとにできることがどんどん増えていくことが実感できました。私が事前に関わっていたクラスでは、発表の日に向けて子どもたちの意識が高まっていく様子も知ることができました。子どもたちが笑顔で楽しんで発表できるのは、保育者が、子どもたちのもつ想像の世界を引き出してひとつの作品にしていく過程があるからです。また、「こども発表の日」が到達点ではなく、その後も子どもたちの生活の中でどんどん広がっていくのを見ると、ひとつの通過点として子どもたちの成長を促すものであることを感じます。これは、日々の保育の中で、「想像」と「創造」が生きていることの表れであり、子どもの姿を大切にして保育を組み立てていくからこそできることだと痛感します。

がらがらどん(やぎ)のお通りだい
森の音楽隊、みんなで合奏だ

「卒展」

大学の「卒展」開催前日、こども芸術学科からの招待があり、くり組(1歳児クラス)からさくら組(5歳児クラス)まで全園児が参加しました。子どもたちは広い会場をひとつひとつ回って、いろいろな作品にさわらせてもらったり、本や紙芝居を読んでもらったり、たっぷりと楽しみました。4回生の中には、保育園に来てくれていた学生もいて、作品を一緒に楽しむこともできました。たくさんの芸術作品に直接ふれることができる環境も「こども芸術大学」ならではの魅力です。

うんとこしょ ぬけた!
楽しいものがいっぱい!
すごくきれいだね
紙芝居おもしろ~い

いろいろな行事や出来事を通して、子どもたちは日々成長していきます。その姿を瓜生山も喜んでくれていることでしょう。

 

 

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  • 西井 薫Kaoru Nishii

    1978年京都教育大学音楽科卒業。京都市立小学校4校(20年間)京都教育大学附属京都小学校(8年間)附属桃山小学校(8年間)。市立と国立(独立行政法人)合わせて36年間小学校勤務。その後、教育実習生の指導に長年携わってきたことから京都教育大学教職キャリア高度化センタ―に籍を置いた。実地教育運営委員会の委員長として、大学と附属学校園のパイプ役にという思いで勤務した。大学の授業では、教員を目指し入学してきたかつての教え子たちに再度関われる幸せな機会を得られた。また、日英の教員養成を比較研究するプロジェクトに参加することができ、大きな成果があった。
    音楽教育では、伝統文化を継承していくことの重要性を実感し、附属桃山小学校の音楽科では、伝統音楽(筝、三味線、六斎、祇園ばやし)が教科カリキュラムに組み込まれている。

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