NEWS2024.10.03

教育

2024年度「松陰芸術賞および瓜生山学園賞」受賞者発表

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  • 京都芸術大学 広報課

2024年度の松陰芸術賞および瓜生山学園賞の受賞者がそれぞれ決定いたしました。なお、2024年11月2日(土)に開催されるホームカミングデーにおいて授賞式が執り行われる予定です。


受賞者

松陰芸術賞
簡 維宏さん(京都芸術大学大学院 博士課程 芸術研究科芸術専攻在籍)

松陰芸術賞は、社会活動を活発に行い、優れた成果が期待できる卒業生・修了生に授与される賞。第四代学長 千住博教授を中心に毎年一名を選定し、今後の活動にエールを送るものです。

 

瓜生山学園賞
船橋裕一郎さん(京都造形芸術大学(現京都芸術大学) 文化財科学コース卒業)

瓜生山学園賞は、開学40周年を記念して創設された、学園の卒業生・修了生を表彰する制度。その活動が、建学の理念「芸術的創造と哲学的思索によって、良心を手腕に運用する新しい人間観、世界観の創造を目指す」を体現し、広く社会に貢献している方に贈られるものです。

 

松陰芸術賞受賞者の紹介

簡 維宏 CHIEN WEI-HUNG (カン イコウ)

略歴
1993年 台湾に生まれる

2015年 国立台中教育大学 美術学科 卒業

2018年 国立台中教育大学 修士課程 美術領域 修了
     京都芸術大学 博士課程 芸術研究科芸術専攻 在籍

 

活動歴・受賞歴

2021年 第75回堺市展 絵画部門 堺市長賞(堺市文化館 ギャラリー)

2022年 京都花鳥館賞2021 日本画部門 入選(京都花鳥館)

     第3回丹波アートコンペティション 平面部門 入選 (春日住民センター)

     第35回日本の自然を描く展 課題部門 彫刻森美術館賞(上野の森美術館)

     第76回新潟県美術展覧会 日本画部門 入選(朱鷺メッセ展示ホール)

     第7回石本正日本画大賞展 入選(浜田市立石正美術館)

     朦朧微語·風景構成 二人展(台湾 行思策坊ギャラリー)

     第27回日本文化藝術奨学生(公益財団法人日本文化藝術財団)

     かわうそ新人賞2022展 奨励賞(獺画廊)

     第76回堺市展(堺市文化館 ギャラリー)

     冬物語展 vo1.8-ともしび -(東京九段耀画廊)

2023年 京都花鳥館奨学金2022 日本画部門 優秀賞(京都花鳥館)

     第32回全日本アートサロン絵画大賞展 入選(国立新美術館展示室1B)

     2023美術新人賞デビュー 入選(ギャラリー和田)

     個展 ―流転― (アートギャラリー北野)

     竹垣工房の春風-新世代膠彩画展(台湾 林之助紀念館)

     青木・岩泉ゼミ展層巒を築く(アートギャラリー北野)

     シャンシャン・イェチォン岩絵展(中国 彩云芸術センター)

2024年 2024美術新人賞デビュー 入選(泰明画廊)

     日本台湾交流協会奨学生(公益財団法人日本台湾交流協会)

     京おどりin春秋座記念学内特別選抜展(京都芸術大学ギャルリ・オー

     2024 第50回京都春季創画展 入選(京都文化博物館5階)

     第29回アートムーブコンクール展 入選(大阪府立江之子島文化芸術創造センター)

     第70回兵庫県日本画家連盟公募展 兵庫県芸術文化協会賞(原田の森ギャラリー本館1階展示室)

     地域微語 二人展(台湾 行思策坊ギャラリー)

     台湾膠彩画五十年-新生代膠彩画の実験と挑戦(台湾 林之助紀念館)

     第37回日本の自然を描く展(上野の森美術館)

     第3回三越・伊勢丹千住博日本画大賞展 入選(日本橋三越本店本館6階美術特選画廊)

【松陰芸術賞選考理由】

「簡 維宏 CHIEN WEI-HUNG (カン イコウ)さんの受賞に寄せて」

簡さんの作品には、具象絵画にもかかわらず、岩絵具を部分的に厚く塗り重ねて形態を作り、それを活用した重厚なおもむきがあります。
そしてデジタルでは表現できない素材感の魅力を通して、人間の想いに対するアプローチがあります。
作品を見ると、人間がデジタルだけでは生きていけない、アナログな存在であることに改めて気づかされます。
最近の簡さんの作品は、燃えるような熱気を完成度高く湛え、同時にそれが無常感をも孕み、秀逸です。
デジタルが急激に文明に入り込んできたこの21世紀、人々から求められる芸術作品とは、このような、デジタルでは表現できない、心の逡巡や痛み、喜び、熱量に敏感に反応できる表現であることを、簡さんの作品は教えてくれます。
簡さんは日本に学び、しかし同時に、日本画の可能性の潜在的な特徴を浮かび上がらせ、日本人が逆に学ぶ契機になりました。
簡さんが奈良時代から平安時代にかけて中国から日本に移入された日本画の技法を、誰より熟知しているとしても、当然かもしれません。
日本画の可能性を示し、時空を超えた文化交流を果たすこの優れた若い画家を、私たちは高く評価し、それを讃えたいと思います。

松陰芸術賞選考委員 千住博

松陰芸術賞 受賞者作品紹介

「融合」簡維宏 2023年制作
「羽化」簡維宏 2024年制作
「逝く」簡維宏 2024年制作
「秋近し」簡維宏 2024年制作

【過去の受賞者】
2009年度:石井鈴さん(美術・工芸学科 日本画コース卒業)
2010年度:藤本絢子さん(大学院修士課程修了)
2011年度:菅かおるさん(美術科 日本画コース卒業)
2012年度:西垣肇也樹さん(大学院修士課程修了)
2013年度:今川教子さん(美術・工芸学科 日本画コース卒業)
2014年度:叶野千晶さん(通信教育部 美術科 写真コース卒業)
2015年度:中村貴弥さん(大学院修士課程修了)
2016年度:山﨑鈴子さん(大学院博士課程修了)
2017年度:佐藤真美さん(美術工芸学科 洋画コース卒業)
2018年度:笠井遥さん(大学院修士課程修了)
2019年度:吉岡由美子さん(大学院(通信教育)修士課程修了)
2021年度:大和美緒さん(大学院修士課程修了)
2022年度:楊喩淇さん(大学院修士課程 ペンティング領域修了)
2023年度:外山寛子さん(京都芸術大学 芸術学部 美術工芸学科日本画コース卒業)

※学科コース名は在籍当時の名称。

 

瓜生山学園賞受賞者の紹介

船橋裕一郎(ふなばしゆういちろう)

略歴
1974年 神奈川県中郡二宮町に生まれる

1998年 京都造形芸術大学(現京都芸鬱大学)文化財科学コース 卒業

 

活動歴

在学中に太鼓に出会い、その楽しさに惹かれ同大学のクラブ活動に励む。さらに鼓童の公演や音源等でその音楽や表現に魅了され、1998年鼓童文化財団研修所入所。数回の選考を経て2001年より正式メンバーとして舞台に参加。太鼓の演奏や作曲、ワークショップはじめ演出家として国際芸術祭「アース・セレブレーション」、オーチャードホールでの40周年記念公演や「ワン・アース・ツアー」など主要な舞台も手掛ける。

2012年より副代表、2016年より代表としてグループを率い、2018年から株式会社北前船取締役、2019年には公益財団法人鼓童文化財団理事に就任し、グループ全体の運営や太鼓を通した人材育成、地域振興にも取り組む。

 

太鼓芸能集団 鼓童

多様な文化や生き方が響き合う「一つの地球」をテーマにした「ワン・アース・ツアー」を中心に劇場公演の他、小中高校生との交流を目的とした「交流学校公演」や、多様なジャンルのアーティストとの共演、映画音楽等へ多数参加している。

1988年より佐渡市と共に国際芸術祭「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を開催し国際交流や地域振興に寄与している。2012年から2016年まで歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏を芸術監督に招聘。近年は石川さゆり、初音ミク、AI、MIYAVIらと共演。2019年は「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開会式、国立競技場のオープニングイベントに出演。

最近では、読売巨人軍とのコラボレーションやオンラインゲーム「原神」の音楽にも参加するなど更に活動の幅を広げている。2023年、令和5年度文化庁長官表彰。

 

船橋裕一郎氏の演奏風景

【瓜生山学園賞選考理由】
船橋裕一郎氏は在学中に太鼓と出会い、本学の学生和太鼓チーム「悳」の設立時のメンバーで後に部長も務める。卒業後は太鼓芸能集団 鼓童に所属し活動している。
鼓童は佐渡島を拠点に太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団で、その活動は日本に留まらず、世界各地での数多くの公演を通じ、世界を和太鼓でつないでいる。2016年からは代表に就任し、国際交流や地域振興への寄与を探求し続ける姿は、まさに社会課題の解決と世界平和に貢献することを使命とする「藝術立国」の理念を具現化した存在であると賞し、瓜生山学園賞を授与する。

瓜生山学園賞 受賞者活動紹介

国際芸術祭「アース・セレブレーション」
オーチャードホールでの40周年記念公演
鼓童ワン・アース・ツアー〜童

【過去の受賞者】
2017年度:岳鈺(YUE Yu)さん(京都芸術短期大学最初の留学生)、束芋さん(デザイン科 情報デザインコース卒業)、土村芳さん(映画学科 映画俳優コース卒業)
2018年度:宮永愛子さん(美術科 彫刻コース卒業)
2019年度:井上安寿子さん(舞台芸術学科 舞台芸術コース卒業)
2021年度:山下賢太さん(環境デザイン学科 地域デザインコース卒業)        
2022年度:伊東勝さん(大学院修士課程 メディアアート分野修了)
2023年度:上田假奈代さん(京都芸術短期大学 ビジュアルデザインコース卒業)

※学科コース名は在籍当時の名称。

 

お二人の受賞をこころからお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。

 

卒業生のみなさん! 11/2(土)ホームカミングデー2024にぜひご参加ください!

懐かしい仲間や先生と再会できる特別な一日が待っています。大学全体で実施する立食パーティーでは、卒業生のいるお店を招き、こだわりのメニューを提供いただきます。思い出話に花を咲かせながら、楽しい時間を共有しませんか?ぜひご参加を心よりお待ちしています。

ホームカミングデー2024の詳細はこちら▼
https://www.kyoto-art.ac.jp/hcd/2024/

(トップ画像写真=高橋 保世)

 

 

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