急に気温が下がり、朝夕は肌寒く感じる今日この頃です。秋の気配が日に日に深まっていき、園長室の窓からは美しく色づいた葉っぱが太陽の光をうけて、きらきらと輝いています。
子どもたちにとっては、園外に出かけるのに最適な季節です。毎日、園庭や能舞台、畑、山の家へと元気に出かけています。
10月の大きな行事は、「親子運動の日」でした。どのクラスも普段の保育での姿の延長線上の活動です。
子どもたちは普段の保育での生き生きとした姿をみせてくれました。保護者の方々も親子で楽しんでいただけたと思います。
やまんばをやっつけろ (4歳児)
昨年度から始めた「音育」
学長の吉川左紀子先生から声をかけていただいて、文明哲学研究所客員教授小松正史先生が講師です。
今年は2回開催していただけるとのことで、1回目はさくら組(5歳児)、2回目はうめ組(4歳児)です。
小松先生はとても気さくな方で、さくら組の子どもたちと先生との距離はすぐに縮まりました。中には先生の膝に乗ってお話を聞いている子どももいました。
活動は、まず注意深く音を聴くことから始まりました。子どもたちは、ホールのいろいろな場所(ピアノの近く、ピアノの下、カーテンの中、床等)から音を聴くことで、音の大きさや質が変化することに気づいていきました。
ホールでの活動の後は、野外に出ていろいろな音を聴いていきました。普段は子どもたちの声でかき消されてしまういろいろな音に注目しました。街から聞こえてくる車の音、山から聞こえてくる鳥の鳴き声、風の音、足元の枯れ葉の音等々。また山のにおいにも注目しました。園庭から山の上に行くにしたがって、においが変化していきます。キノコのにおい、木の葉のにおい、樹々のにおい。普段は気づかずに通りすぎている音やにおいをたっぷりと味わいました。
その後、園に戻って「サウンドマップ」(聴いてきたものを自由に表現する)を描く活動です。みんながとても熱心に集中して描いていきました。出来上がると、小松先生と一人ずつ、絵を通して会話していきました。
最後に、今日1日の活動で小松先生が感じられたことをピアノの即興演奏で表現してくださいました。全クラスの子どもたちがホールに集まってきました。乳児クラス(くり組、まつ組)もとても集中してピアノの音に聴き入っていました。アンコール演奏もしていただきました。
来月のうめ組(4歳児)の「音育」もとても楽しみです。
瓜生山も美しい音色にうっとりと聴き入っていたことでしょう。
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西井 薫Kaoru Nishii
1978年京都教育大学音楽科卒業。京都市立小学校4校(20年間)京都教育大学附属京都小学校(8年間)附属桃山小学校(8年間)。市立と国立(独立行政法人)合わせて36年間小学校勤務。その後、教育実習生の指導に長年携わってきたことから京都教育大学教職キャリア高度化センタ―に籍を置いた。実地教育運営委員会の委員長として、大学と附属学校園のパイプ役にという思いで勤務した。大学の授業では、教員を目指し入学してきたかつての教え子たちに再度関われる幸せな機会を得られた。また、日英の教員養成を比較研究するプロジェクトに参加することができ、大きな成果があった。
音楽教育では、伝統文化を継承していくことの重要性を実感し、附属桃山小学校の音楽科では、伝統音楽(筝、三味線、六斎、祇園ばやし)が教科カリキュラムに組み込まれている。