REPORT2023.10.12

アート教育

仮面で変身!「おばけパーティー」—創作の時間

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  • 京都芸術大学 広報課

こども芸術大学では、認可保育園となる前から行われてきたワークショップ形式の「創作の時間」を保育園でも受け継ぎ、子育て講座として幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児)の親子を対象に開催しています。

こども芸術大学の「創作の時間」は、芸術表現を通じて親子が対話を深め、また同時に想像すること、創造することの楽しさを体験する、そして子どもと保護者が協力しあい、調和する心をゆっくりと育てることを目的としています。

今回の創作の時間は“おばけパーティー”。大野木先生と一緒におばけの仮面を作成しました。

大野木先生の説明を興味深そうに聞く子どもたち

紙の土台に輪郭と、目と口の印をつけたらハサミでチョキチョキ。大きい紙で保護者の皆さんの分も仮面を作ります。

“お店屋さん”に材料をもらいに来ました
目はどこかな~?

他の子たちの様子を見ている子もいれば、迷うことなく手を動かす子も。創作の過程にも個性が出ます。ここまでの土台作りでも目を吊り上げた形にしたり、口に牙があるように見せたりと、いろいろな工夫が見られます。

どんなふうにしようかな
ハサミで穴を開けるよ!
ここに印をつけるね
スリットを入れると立体になります

前回の「創作の時間」では家族で一つの作品を作りましたが、今回はそれぞれのお面を作成します。お面をつけたときにちゃんと前が見えるように調整を重ねながら紙の土台がだんだんできてきました。

おばけだぞ~
いい感じ!ばっちり見えるね
スリットをちょこっとだけ入れるよ
手を切らないように気を付けて!

みんな上手にハサミを使っています。保護者のみなさんも手を出したいところをぐっとこらえてお子さんたちの作業を見守ります。

ばっちりだね!

目と口の穴を開けられたら、今度は個性を出す時間。
毛糸や色紙を付けたり、色を塗ったりと自分の理想のマスクになるように夢中で手を動かします。

どれくらいの長さがいる?
こうすると面白い!
のりでぺたぺた
長い前髪ができたよ

早く作り終わった子は他の子のマスクを見に行き、一足早く「変身」して楽しんでいました。こだわり派の子たちは最後まで真剣に手を動かし、自分の追求するマスクにとことん向き合っていました。今回は大人と子どものマスクを作るということで、大人のみなさんもギリギリまでマスクの制作を行いました。さあ間もなく「おばけパーティー」の始まりです。

こうもりのおばけだぞ~
ちゃんと前が見えるかな
君のマスクもステキだね!
がんばって色紙を重ねたよ

いろいろな仮面があるね!

仮面とマントを付けたら自分じゃない誰かに変身した気分に!同じ土台から生まれたとは思えないほど個性豊かな仮面ができました。

制作後は、ホールに集まって音楽に合わせて踊りました。みんな最初は恥ずかしそうにしていましたが、最後は楽しく踊ることが出来ました。そして最後にみんなで記念写真撮影!

ハイ、ポーズ!

大人の時間

記念撮影をした後に、大人だけの時間を設けて今日の振り返りを行いました。参加された方からの感想をいくつかご紹介します。

・子どもそっちのけで制作してしまい反省していますが、楽しかったです。制作→コスプレ→ダンスという流れも子どもたちにとって楽しかったと思います。引き続き色んな創作の時間を楽しみにしています。

・作る楽しさだけでなく、つくる過程での子どもとの対話が楽しいです。発想豊かな反面、完璧主義的な部分も育ちつつあるのでそれをいかに流すかが課題です。

・今回の創作の時間は2週間前からどんなマスクを作るのか、息子が一生懸命考えていました。結果、彼は自分が満足できるものができたようです。それに加え、変身することが大好き、世界観に入ることが大好きなので、大大大満足、大喜びしていた時間でした。

・仮面の力で、ちょっとずつ踊りだす息子の変化が面白かったです(いつも場所、人見知りがあるので)。前日からこんなお面にしたいと言っていて、今日も指示を出しながら楽しく作っていました。

・子も親も一つずつ作ることで、介入しすぎることがなく、それぞれで作品作りができてよかったです。何でも調べてわかってしまう生きにくい時代ですが、先生のお話のようにマスクをかぶって大胆になったり、別人になったり必要なことと思いました。

・作品作りの中で、すぐにハサミをいれだしたので、どんなものをイメージしているのか親が不安になりましたが、作りながら考えていくというのも楽しかったです。これからの生き方、その子の特徴を大切にという事もお話の中で共感しました。

・いつも創作の時間は、自ら積極的にすることがあまりなかったのですが(はずかしかったり、わからなかったり)、今日は途中でも最後も「楽しいな!」「おうちで続きしよな!」「たのしかったなぁ」と、とにかく楽しかったみたいです。ありがとうございました。

・面はスイッチのようなもので、自分以外の何かに変わるツール。それを自分でつくることは、自分のする範囲での変身であり、子どもにとっても安心のある変身なのかもと思いました。また、我が子は怖がったので、面白い感覚だなと楽しい時間でした。

・久しぶりに無心で子どもと過ごせたので、とてもいい時間でした。コロナ対策で着用するようになったマスクが、国として着用は不要になったとされても、私を含め着用する人が多いです。単なる感染対策というより、自己の内面を隠すファッションとしての位置付けになりつつあるのかも。

・マスクをつくることが初めてでした。マスクをつけると自分じゃない自分を表現できる気がしています。子育ての中でもマスクを取り入れていこうと思います。怒りたくなった時とか(笑)

・今日の創作の時間のテーマを知ってから、子どもはよくおばけの話をするようになりました。園の生活と家での生活がつながるよい機会でした。

 

今回の「創作の時間」を通じて、様々な発見があったようですね。
ぜひおうちでもマスクとマントで変身して「おばけパーティー」を開いてみてください!次回の「創作の時間」もお楽しみに!

 

 

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