SPECIAL TOPIC2020.06.01

アートデザイン教育

日本初、ネットだけで学べる芸術修士課程(MFA)「学際デザイン研究領域」の今

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  • 京都芸術大学 広報課

日本初!完全オンラインで芸術修士を取得できる
通信制大学院「学際デザイン研究領域」
開設初年度の出願者数 242名、合格者数 55名(倍率 4.4倍)。

 2020年にスタートした大学院は「学際デザイン研究領域」、100% e-learningの修士課程です。デザイン思考による創造と伝統文化の探究を両軸に学際的に探求する学びの場です。研究者の育成ではなく、生活の中から課題を見つけ、答えを導き出し、活動する実践者を輩出するための社会人大学院を標榜しています。

 その反響はとても大きく、全国からさまざまな世代、職業の方々にご応募いただき、出願者数は242名、合格者および入学者数は55名となりました。

2020年度 募集結果
・出願者数:242名
・合格者数:55名(倍率 4.4倍)
・入学者数:55名


「旧きを知る文化・伝統の探究力」と「現在~未来を構想するデザイン思考の創造力」

 学際デザイン研究領域では、MFAを取得することができますが、一体何をマスターするのでしょうか?それは、自分の取り組むテーマにおいて、「物事の本質をつかみ、それを的確かつ魅力的にするための問いを見つけること」と、それによって、そのテーマの「問題を解決しようと実践したり、実践の支援をすること」のマスター(修得者・駆使できる人)になるということだと考えています。流行のように扱われるデザイン思考やリーダーシップ教育ではない、自らのヴィジョンを確立できるカリキュラムを設計しています。短期のセミナー等で得られる性急なスキルアップではなく、地道な探求と考察の積み重ねによって得られる「体得」を目指します。そのために、社会構成主義の「知は個人の中ではなく集団の中でわかちもたれている」という考え方を背景として、徹底したグループワークを採用します。わかちもたれる集合知の形成過程に、自分が能動的に深く関与しているという実感(体感)を意識させるために、次の5つのステップをすべてオンラインで実施しています。

 

1. オンデマンドの映像教材による知識学習
2. 自らの設定したテーマについての調査・観察
3. 思考の外部化・視覚化
4. 個人の学習からグループワークによる議論という客観・俯瞰・検証
5. 議論を深め、意見の統合によって成果を提示

 

なお、1〜3の個人ワークの各ステップはグループ内で発表し、学生同士でクリティークを行うことで、ピアラーニングを強化しています。

 

カリキュラムを構成するのは、3つの科目群。本領域の軸となる「旧きを知る文化・伝統の探究力」と「現在~未来を構想するデザイン思考」の両面からアプローチします。

 

早川克美(教授・領域長)
東京大学大学院学際情報学府(学際情報学)

専門分野:教育工学、 学習環境デザイン 、情報環境デザイン

デザイン系の授業を担当。
・デザイン概念研究
・デザイン調査法
・デザイン思考・実践 A・B
・学際デザイン研究

 

野村朋弘(准教授)
國學院大學大学院(歴史学)

専門分野:日本史、歴史情報学

伝統文化系の授業を担当。
・伝統文化研究
・伝統文化調査法
・伝統文化・実践 A・B
・学際デザイン研究

 

オンラインならではの双方向学習

 また、この一連の経験は、あえてWeb会議を使わず、Facebook社のWorkplaceというSNS環境によるテキストベースで進められます。テキストにすることで発言数が公平となる他、思考の外部化・視覚化に有効だからです。ただ教室に座って授業を受けている状態よりも、ステップごとに「自らの選択に責任を持つ」ことを求められるため、主体的な参加意識のもとに、知の体得が実現するという仕掛けです。集中~収集~拡散~俯瞰~集約という、意識の変化は身体のセンサーを刺激し、メンバー間のパラレルで平等な議論展開は、相手の立場を想像する感受性に働きかけることでしょう。

本学独自の学習用webサイト「airU(エアー・ユー)」に加え、クローズドなSNS「Workplace by Facebook」を活用。従来の通信教育のイメージをくつがえす、オンラインならではの双方向学習を実現。

 さらに、学習環境においては、フォーマルな学びの場ばかりでなく、情報交換や教え合いの可能なインフォーマルな場も予め設置しています。運用は学生に任せています。すると、ハッピーアワーがZoomを使って自然発生的にスタートし、そこでの交流が、フォーマルな学習の場に戻ってからの一体感の醸成に大きく貢献しています。


学習共同体として、教員や同級生たちと「ともに学ぶ」

 初年度、進学される一期生は、様々な領域で活躍されている魅力的な55名が集まりました。「学際デザイン研究領域での学びに期待していること」を伺ったところ、以下のような回答を得ました。新しい大学院の気風を作る記念すべき存在になることでしょう。彼らの出会いによる化学反応がどのように成長・発展していくのか、大変楽しみです。

 

新入生の皆さんに聞きました。

 Q. 本学 学際デザイン研究領域での学びに期待していることをお書きください。

先生方や同級生との共同の学びの中で、想像を超えた学びができるような気がしています。そこに一番期待しています。

個人・組織・社会を繋げて、新たな価値を楽しみながら生み出す方法論について理解を深めるとともに、実践して習得することを期待しています。

他者とのディスカッションの多さ。自分の見識を広げられること。厳しい指導。

充分に整えられたプログラムと、美しいWebデザイン。教授や学友との近さ。すべてがWebで完結するからこそ、様々な業界で今活躍する、様々な言葉を操る方々が集れたのかなと思います。教授のご指導のもとに、貪欲な学びはもちろん、そうした方々とのディスカッションも楽しみにしています。

多様な学生とのディスカッションで刺激を受けられそうなことに最も期待しています。

包括的、自分が知らない知識の蓄積。新しい仲間との知の交流と新たなアイデアの創出。新しい人生の指針の発見。

様々な背景を持つ人と学び合うこと、問いを立てる力を身につけること、「学ぶ」環境に身を置けること。

流行り物のデザイン思考ではなく、本質的な意味でデザイン思考のプロセスを理解し、実践で活かして広められる人材になる。

あらゆる社会人に、探究と創造を。
通学0日、ネットだけで学べる大学院。

京都芸術大学大学院 芸術研究科(通信教育)芸術環境専攻 修士課程 学際デザイン研究領域

出願期間 2021年2月(予定)
授業料 360,000円/年
授与される学位 MFA《Master of Fine Arts 修士(芸術)》

https://www.kyoto-art.ac.jp/tg/field/Interdisciplinary-design/

 

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