REPORT2024.09.05

教育

地域の魅力を掘り起こす ―京都芸術大学の学生たちが亀岡市で挑戦したソーシャルイベント「でぃぐでぃぐかめおか」

edited by
  • 京都芸術大学 広報課

2024年8月10日、空間演出デザイン学科の3年生17名が中心となり、京都府亀岡市でソーシャルイベント「でぃぐでぃぐかめおか」を開催しました。この授業は、学生たちが社会課題に取り組むためのソーシャルイベントを企画・実施しています。

亀岡市は2020年度に内閣府からSDGs未来都市に選ばれ、さらにかめおか霧の芸術祭を中心とした取り組みが内閣府選定「自治体SDGsモデル事業」に選定されるなど、持続可能なまちづくりに積極的に取り組んでいます。
京都芸術大学と亀岡市は2020年に協定を締結し、かめおか霧の芸術祭を共同で推進しており、2024年8月1日に亀岡市環境プロモーションセンターにて執り行われた新たな連携・協力に関する協定締結により、2026年に亀岡市で開催が予定されている緑化フェアや市内の廃校の利活用などにおいて、学生の実践の場となるよう、さらなる連携強化を図っていきます。

ワークショップで地域資源を再発見

「でぃぐでぃぐかめおか」では、様々なワークショップが開催され、参加者は亀岡の自然や文化に触れることができました。学生たちがKIRI CAFEを会場にし、地域の特色を活かしたプログラムを提供しました。以下はその主なワークショップです。

 


1.かめおかマップ

大きな亀岡市の地図に、参加者が自分の住んでいる場所やお気に入りのスポットにピンを刺していくワークショップ。亀岡の地理や地形を俯瞰し、地元の広さやまちの形などの多様性を感じてもらう企画です。誰かが知っている地域の魅力がたくさん並びました。

2.ほりほりかめおか

KIRI CAFE横の畑の土に埋まったカプセルを掘り出す宝探しのようなワークショップ「ほりほりかめおか」。子どもたちは自分の手やスコップを使って、カプセルの中に入っているお宝探しを楽しみました。

3.こねこねどろだんご

土を使って作る「こねこねどろだんご」は、土に直接触れ、自由きままに泥団子を作ることができる企画。亀岡の自然を肌に感じて体感できるプログラムとして人気を集めました。参加した子どもたちは、土に触れながらものづくりの楽しさを体験しました。

4.そめそめかめおか

亀岡で採れた植物を使う草木染めワークショップ「そめそめかめおか」では、自然素材でトートバッグを染める体験が行われました。地元で採れた植物の魅力を活かし、参加者は自分だけの作品を作りました。学生たちも汗をかきながら一生懸命染めました!

5.ぬりぬりつちえのぐ

亀岡で採れた土を使ってポストカードに文字を書いたり、絵を描いたりするワークショップ「ぬりぬりつちえのぐ」。一番多く書かれたのは「亀」という字。普通の絵の具と違いざらざらしていたり、固まると凸凹したり、変わった絵の具でアートを楽しみました。

6.砥石クッキー販売

KIRI CAFEではイベント限定の「砥石クッキー」が販売され、地域の伝統的な産業を美味しく楽しんで知ることができました。

 

本プロジェクトのリーダーを務めた、厚浦英杜さん(ファッションデザインコース・3年)と串畑聖奈さん(ファッションデザインコース・3年)からお話を伺いました。

左から 厚浦英杜さん、串畑聖奈さん

KIRI CAFE:地域の交流と芸術を育む場

今回のイベント全体を企画・運営し、地域とのつながりを深めながらワークショップを実施するため、このイベントの中心的な会場となったのが、亀岡市千歳町にあるKIRI CAFEです

KIRI CAFEは、亀岡市の豊かな自然環境に囲まれたカフェで、地元の農産物や食材を活かしたメニューを提供しています。亀岡市の文化や自然を感じられるこの場所は、地元住民や観光客の憩いの場として機能するだけでなく、かめおか霧の芸術祭が企画運営するマルシェやワークショップ、トークイベントなどの会場となり、地域住民に対する芸術や文化の発信地としても活用されています。

今回の「でぃぐでぃぐかめおか」でも、KIRI CAFEは学生たちの活動を支え、地域の芸術と文化の融合を象徴する場として重要な役割を果たしてくれました。

亀岡市の課題とは-プロジェクトの背景

亀岡市は豊かな自然や広大な土地で行われる農業、歴史ある伝統産業が特徴ですが、進学や就職で多くの若者が市外に出ていき、若年者の流出が課題となっていることがリサーチの結果わかりました。

「でぃぐでぃぐかめおか」は、この課題に対して、学生たちが自分たちの視点から地域資源を活用し、地域住民に地元の魅力を再発見する機会を提供することを目指しました。そこで学生たちが目をつけたのが“子どもたちにもっと地域の魅力を知ってもらうこと”。
厚浦さんは、自身のボーイスカウトでの経験を活かし、自然との触れ合いを大切にしたワークショップを企画しました。土や植物を使って遊ぶことで、地域の豊かさを子どもたちに伝えるため「どろだんご作り」など、自然の中でできるアクティビティを提案しました。実際当日のワークショップは、「子どもたちに好評で、デジタルに慣れた現代の子どもたちにとって新鮮な体験となった」のではないかと語ってくれました。

一方で串畑さんは、今までに挑戦したことがない地域のイベントに携わりたい思いからこのゼミを選択。リサーチをする中で、地域の伝統産業である砥石のことを知りました。意外と知られていないこの伝統産業のことを知ってもらうために、砥石型のクッキーをKIRI CAFEと協力して制作・販売を企画しました。今回5つのワークショップと1つの商品販売を企画しましたが、それぞれが独立しているように見えて、一つ一つが繋がっています。(土に触れ、その土で育った植物を使ったワークショップを行うこと)その繋がりを体験することが本プロジェクトの魅力であるとも語ってくれました。

今後の展望と学生たちの活動実績

「でぃぐでぃぐかめおか」は、学生たちが地域資源を活かして地域社会に貢献する重要な実績となりました。リーダーを務めた厚浦さんと串畑さんを中心に、チーム全員が協力して作り上げたこのイベントは、参加者に亀岡の魅力を伝え、地域資源を再発見するきっかけを提供しました。

今後も地域と協力しながら新しいプロジェクトに挑戦し、地域の魅力を広げていきましょう。

 

 

京都芸術大学 Newsletter

京都芸術大学の教員が執筆するコラムと、クリエイター・研究者が選ぶ、世界を学ぶ最新トピックスを無料でお届けします。ご希望の方は、メールアドレスをご入力するだけで、来週水曜日より配信を開始します。以下よりお申し込みください。

お申し込みはこちらから

  • 京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts

    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

お気に入り登録しました

既に登録済みです。

お気に入り記事を削除します。
よろしいですか?