REPORT2024.04.26

ハードルを乗り越え、その先の未来へ―2023年度 京都芸術大学 通学課程 学位授与式・卒業式

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  • 京都芸術大学 広報課

京都芸術大学では2024年3月15日(金)・16日(土)に京都・瓜生山キャンパスにて通学課程および通信教育課程の学位授与式・卒業式が執り行われ、通学課程からは852名が、大学院修了生88名(うち博士3名)がそれぞれ学位を授与されました。

この記事では、通学課程・大学院課程の学位授与式・卒業式をレポートします。

学位授与式・卒業式は対面とオンラインのハイブリッド型で行われ、全国・全世界にいる卒業生・修了生やご家族のみなさまに向けてライブ配信されました。

式典のアーカイブ配信はこちら
 

卒業生のみなさんの入場が終わると、開式の辞とともに式典がはじまりました。はじめに、本学の理念「京都文藝復興」を本学教授の松平定知先生が朗読されました。

つづいて、博士課程・修士課程の修了者に対する学位記授与がはじまります。

まず、博士課程の修了者4名に学位記が授与されました。博士課程修了者には、開学30周年を記念して制作された錦織作家・龍村周さんによる、本学のシンボルカラーである青色を基調とした一品鳥の柄のストールが贈呈されました。

「一品鳥」とは鶴の異称であり、「一品」は「品格の最も高い位」を意味します。博士課程を修了したみなさんが藝術立国を支える大きな力となり、飛翔する鶴のごとく世界で活躍できるようにという願いが込められています。

修士課程からは修了生85名を代表して、高尾 岳央さんが学生代表を務めました。

卒業証書の授与では、13学科それぞれの学生代表に証書が授与されました。

吉川左紀子学長は式辞で、学部卒業生のみなさんが新型コロナウイルス感染症が蔓延しはじめた2020年に入学されたことに触れ、不安な状況の中でも2021年の「マンデイプロジェクト」では「なんかいい」をテーマに印象的な形状のねぶたを作りあげ、これから入学する後輩たちを歓迎しようという気持ちのあたたかさを強く感じたということを語りました。

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また、吉川左紀子学長が卒業展をご案内したお知り合いの方々がみな「家族で2回目を観にいきました」と後日メールをくださったことから、「芸術やアートの専門家ではない方から違う見えかたがある。皆さんが大学で学んだことの本当の価値、身に着けたものの大きさは、大学を離れて初めて気づくのではないかと思っています」と卒業生にエールを贈りました。

大学院課程を修了する皆さんに向けては、「大学院に入学したときの志をいま一度振り返り、自分自身の立ち位置をしっかり見極めて、芸術や研究をさらに深める道を歩んでほしい」というメッセージを贈りました。

来賓を代表し、東北芸術工科大学学長 中山ダイスケ先生からも祝辞をいただきました。中山先生はコロナ禍を体験し乗り越えたみなさんはきっと次に来る災害も落ち着いて対処できるだろうということ、そしてあたらしいテクノロジーが氾濫する現代において自分の時間を自分の尺度で落ち着いて使うことができるのはクリエイティブを学んだ皆さんだけだ、という激励のお言葉をいただきました。

「人間本位のクリエイティブな社会を作ることができるのは、 今日卒業する皆さんです。とにかくね、図太く、落ち着いて、あなたらしくいてほしいと思っています。きっと皆さんにできるはずです」

つづいて、学生サークル「和太鼓 悳(わだいこ しん)」が祝奏として「響(さん)」を演奏しました。講堂に響く音色は、卒業生・修了生の今後を励ますように力強く、私たちの心に響きました。

卒業生・修了生を代表して卒業の辞を読んだのは、この度舞台芸術学科演技演出コースをご卒業された等々力静香さんでした。

等々力さんはほとんどの期間をコロナ禍の中で過ごした学生時代を振り返りました。入学直後は不安な気持ちでオンライン授業を受講したこと。授業が徐々に対面に移行したのちもマスク着用やソーシャルディスタンスの徹底により演技が制限され、自分たちだけでなくお客様の感染防止に努めながらの公演だったこと。そしてコロナ禍による制限が解けた4年目、卒業制作「まほろば」ではじめて従来通りの公演を行うことができ、演出兼俳優としてお客様からいただいた拍手が格別なものに感じられたことを語りました。

コロナ禍に学生時代を過ごすことで、得られなかったものもあるのかもしれません。ですが、私は今、コロナ禍でなければ得られなかった大切な経験をたくさん手に入れられたと感じています。

稽古場の管理を行いながら公演活動を行うのが、私たちの新しい当たり前になったことで、『まほろば』を何事もなく安全に終えることができたのではないかと思います。この4年間は人生の中でも特に生きる「生」と性別の「性」について考えた期間でした。そして、 様々な人と出会い、学び、別れ、たくさんの幸福、もしくは苦悩。今まで交わったことのないような感情にも出会いました。自らの生/性に向き合うことはとても苦しく、否定、賛美、否定、賛美を何度も繰り返しました。きっとここにいる誰もが、この大学生活で体験したことと思います。

ですが、その繰り返しを通じて、今この場で自分の日を迎える私たちは、明らかに入学前よりたくましく、美しい。そう胸を張って言うことができます。

 

最後に登壇した徳山豊理事長は、学生たちと記念写真を撮影しました。

式典の締めくくりに、学園歌『59段の架け橋』を斉唱しました。京都芸術大学の正面にある59段の大階段を題材にした歌詞に万感の思いを込め、卒業生・修了生たちは声をひとつにしました。

卒業式の閉式後には各学科ごとに分かれて分科会を行い、卒業生・修了生お一人お一人に証書を授与しました。授業やイベントのことを懐かしんだり今後のことを話し合ったりと、お世話になった先生方や学友たちと過ごす大切な時間となりました。

卒業生・修了生のみなさん、本当におめでとうございます。みなさんのこれからの人生が楽しく幸せなものになること、心よりお祈り申し上げます。お元気で、またどこかでお会いしましょう!

(文=天谷 航、写真=吉見 崚)

 

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