大学の屋台でおにぎりを食べながら、4年間を振り返る曲の生演奏に聞き入る日— 自主企画グループ「ON3」卒業イベント 『光花(ひばな)』
- 上村 裕香
春休みも中盤となり、三寒四温の気候が続く3月1日(金)、自主企画グループ「ON3(おんさ)」主催のイベント『光花(ひばな)』が人間館1階のカフェラウンジで開催されました。
自主企画グループ「ON3」は、本学の学生3名が中心となって、2023年6月から現在までに、屋台「灯光(ともしび)」のお披露目と3種類の料理提供を行った初イベント『灯光-夢や思い出を語り合える屋台-』や、瓜芸七夕の会・KUA宇宙部SOLABと企画・制作した『瓜生山七夕祭り-星に願いを-』などの屋台プロジェクトを展開してきました。
今回は、春休み期間中にもかかわらず70名を超える学生が参加し、賑わった「ON3」卒業イベント『光花』の様子をレポートします!
学生食堂の「本気のおにぎり」
受付開始の15時に人間館1階のカフェラウンジに行ってみると、すでにちらほらと人が集まっていました。カフェラウンジ北側には、おなじみの屋台「灯光」と楽譜台が設置され、フルートやクラリネットを持った学生が演奏会の準備をしています。
演奏会のほうも気になりますが、まずは屋台の列に並んでみることに。整理券を持って待っていると、看板が見えてきました。これが今回のイベントの目玉、学生食堂「不二家商事」の山本店長がにぎる「本気のおにぎり」!
鮭、ちりめん山椒、牛肉しぐれなどの6種類の具材から2つ選ぶことができ、おにぎり2つと豚汁のセットで500円という、学生にはうれしい価格です。学生食堂の協力のもと、100食限定で提供されました。
メニューや盛り付けについては、ON3のメンバーと学生食堂の山本店長が打ち合わせや試食会を重ねて決定したそう。桜をイメージした鮭のおにぎりなど、盛り付けも華やかなおにぎりに、列に並ぶ学生たちも迷っている様子でした。
「海老天ししとうがおいしいらしいですよ」と同行者に耳打ちされ、筆者は迷った末に「海老天ししとう」と「半熟卵の鶏そぼろ」を注文。
わくわくしながら席へ移動すると、テーブルの上には小さな灯籠が。三角柱の木枠に和紙が貼られ、中にアロマキャンドル型のライトが入っていて、日光の差すカフェラウンジでもしげしげと眺めてしまう、かわいらしい形です。
三角形に組まれた木と和紙の組み合わせは、もちろん屋台「灯光」を模したもので、こちらの「ミニ灯光」は数量限定でイベント終了後に持ち帰ることもできるとのこと。多くの学生がお土産として持ち帰っていました。
さて、ミニ灯光に気を取られているうちに、学生食堂の「本気のおにぎり」と豚汁が到着!
舟皿に盛られた2つのおにぎりに同行者といっしょに思わず「おお〜っ」と声をあげます。握り拳大より少し小さいおにぎりは、米の粒が光ってかぶりつきたくなる形。具材を中に入れるのではなく上に乗せることで、見ても楽しい、食べてもおいしいおにぎりになっています。
海老天ししとうおにぎりはエビがしっかりプリッとしていて、海老天にかかったタレがおにぎりに合う、ナイスな一品。塩味のきいたおにぎりは海苔を巻いて食べると格別です。半熟卵の鶏そぼろおにぎりも、味濃いめの鶏そぼろが食欲をかき立ててくれます。そしてこの、見ていて惚れぼれする半熟卵。ししとうがアクセントになり、飽きずに食べ進められます。
人の手でにぎってもらうおにぎりなんて何年ぶりだろう、と感慨深い気持ちになりながら完食しました。近くの席に座っていた学生も「豚汁あったかいです!」「おにぎりおいしい!」と具沢山で、まだまだ寒さが続く日にほっと一息つける、あたたかい豚汁とおにぎりに大満足の様子でした。ごちそうさまでした!
未来に羽ばたいていく学生に向けて
そして、16時からは今回のイベントのもうひとつの目玉、イベントのために結成された本学学生8名の「ON3吹奏楽団」による演奏会が行われました。ON3の活動や2020年から2024年までの学生生活を振り返るセットリストを、映像照明とともに振り返ります。
1曲目はポップなメロディと情熱的で爽快感のある歌詞が特徴的な曲。今年度卒業の学生は、2020年度のコロナ禍に入学した学生たちです。2020年度にコロナと闘っていたときの気持ちを振り返りたいと選曲されました。
すばらしい演奏と同時に、演奏するメンバーの後方に設置された屋台『灯光』に映像を投影する粋な演出も。仲間で集まり火を囲んで温まっている様子を表現した映像や、夜空のプラネタリウムが屋台の和紙に投影され、演奏を盛り立てました。
最後に演奏されたのは、学園歌『59段の架け橋』です。この選曲には、中西さんの「未来に羽ばたいていく学生に向けた歌詞が、卒業する学生を応援したいというぼくたちの思いにぴったりだったので選曲しました。また、学園歌は学内で聞く機会があまりなく、卒業式で歌うときになかなか歌えないなとも思っていて。せっかくいい曲なので、もっと学生に親しんでほしい」という思いがありました。集まった学生たちは演奏に聞き入り、それぞれの大学生活を思い返しているようでした。
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上村 裕香Yuuka Kamimura
2000年佐賀県生まれ。京都芸術大学 文芸表現学科卒業。2024年 京都芸術大学大学院入学。