REPORT2022.10.20

松江城の名物犬「はなちゃん」のねぶたが秋の夜を彩る ― 島根プロジェクト2022 in 松江水燈路

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  • 京都芸術大学 広報課

「水の都」とも呼ばれる島根県松江市。2022年9月23日(金)から10月16日(日)まで松江の秋の夜を彩る「松江水燈路」が開催されました。「松江水燈路」は、市民参加型のアカリのおもてなしイベント。国宝松江城とその周辺を舞台に年々賑わいが広がっています。

今年の「松江水燈路」に登場したのは、松江城のアイドル犬「はなちゃん」のねぶた!この愛くるしいねぶたは、学生5名からなる「島根プロジェクト」のメンバーが制作したもの。松江城の入り口付近「大手門跡」に設置された「はなちゃん」のねぶたは、人々の注目を集めました。

 

神と海と人をむすぶ町「美保関」に“くじら”のねぶたを。― 島根プロジェクト2021 in 美保関https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/923

京都芸術大学と松江観光協会は産学連携事業「島根プロジェクト」として2015年から毎年地域連携を行っており、本学の名物カリキュラムでもある“ねぶた”の技法を用いて制作する「ねぶた大行燈」を「松江水燈路」でライトアップ展示するなど共同でプロジェクトを推進してきました。
新型コロナウイルスの影響もあり2020年は松江水燈路が中止となり、「島根プロジェクト」もお休みすることになりましたが、2021年は場所を変え、松江市美保関町にて美保関の歴史を参考にしたねぶた「くじらのホエちゃん」を展示しました。

今年は3年ぶりに「松江水燈路」が開催され、満を持して松江城に京都芸術大学のねぶたが戻ってきました!制作期間は約2か月間。松江城が犬のさんぽコースとして人気を博していることもあり、“お城の夜さんぽ”をイメージした犬のデザインとなっています。

夏休みの期間も大学に来て作業を進めました。
台座のデザインを考案中。


「島根プロジェクト」は、学科を横断し、さまざまな学生が取り組んでいるのも特徴のひとつです。プロジェクトを担当する芸術教養センターの森岡厚次先生と原田悠輔先生による指導のもと、さまざまな専門性を有する学生たちが、得意を生かし、不得意を助け合いながら、力を合わせてねぶた制作に取り組みました。

素晴らしい秋晴れのもと、設営作業を行いました。
「はなちゃん」を最終調整中!
現地で台座を組み立てました。


「はなちゃん」を囲むかわいらしい子犬のねぶたは、学生によるワークショップを通して、水燈路を盛り上げる市民団体「松江ヨアカリ」の呼びかけに集まった地元の方々と共同で作られたもの。松江市民の方々と交流を重ね、これまで学生が授業で培ってきた技術やチームワークを地域交流に活かしました。


点灯の瞬間には、子犬のねぶた制作ワークショップを体験した市民の方々もお越しくださいました。そしてなんと!モデルとなった「はなちゃん」も点灯の様子を見に来てくれました。学生も「松江水燈路」に来場されたみなさんも、本物の「はなちゃん」とねぶたのコラボにメロメロの様子でした。
また、松江市の上定 昭仁市長も視察にお越しくださり、学生はこれまでの「島根プロジェクト」の活動や本学のねぶたについて、その場で市長にご説明できる機会を与えていただきました。市長からは「これからも連携を深めていきたい」とお言葉をいただきました。

市長へプレゼン!スライド資料も用意しました。
はなちゃんが上定市長を見つめています。


ねぶたの周りにはたくさんの方々が集まり、一緒に記念写真を撮ろうと立ち並ぶ人々の姿が。学生は市民の方々が作品を見て感動する様子を目の当たりにし、アートの力による地域連携の貴重な経験をすることができました。

城をイメージした台座に乗せられた「はなちゃん」と子犬たち。


翌日には、ワークショップに参加した有志の市民の方が松江市内の案内をしてくださいました。最初にご案内いただいたのは熊野大社。実は熊野大社の主祭神は、「粟田大燈呂プロジェクト」でお世話になっている粟田神社と同じ素戔嗚尊(スサノオノミコト)です。「島根プロジェクト」に参加している学生は、全員が「粟田大燈呂プロジェクト」の出身者であることもあり、みんなで今年の「粟田大燈呂プロジェクト」の成功を祈願しました。

粟田大燈呂の成功を願って…!
おみくじで大吉を引いた学生も!


その後、国宝にも指定されている神魂(かもす)神社へと向かいました。本殿は現存する大社造の社殿のうち最も古いといわれ、厳かな雰囲気が漂います。案内してくださった市民の方から郷土の歴史や寺社仏閣に関する詳しい解説を受け、学生は興味津々で聞いていました。


八重垣神社では、学生が楽しみにしていた鏡の池での縁占いを行いました。池に占い用紙を浮かべ、硬貨をそっと乗せます。早く沈めば縁が早く、遅く沈めば縁が遅いと伝えられている占い。それぞれの沈みぐあいを熱心に観察する学生たち…楽しいひと時になりました。

そ~っと池に占い用紙を浮かべます。
結果はいかに…?!


実際に松江を訪れ、町の魅力を肌で感じた学生たち。今回の地域連携は、あたたかく学生を迎え入れてくださった市民の方々の存在があったからこそだと実感しました。


最後に「島根プロジェクト」に参加した5名の学生のうち、情報デザイン学科3年生の坂本真結菜さんと環境デザイン学科3年生の安松鈴葉さんの2人に今回のプロジェクトを振り返ってもらいました。

坂本真結菜さん:ワークショップに参加される地元の方々の多くは、ねぶた制作が未経験なため、子犬のねぶたに使用する針金の簡単なキット制作とねぶたの概要や作り方に関する簡単なイラストを載せたハウツー本を作成し、ワークショップに挑みました。実際に松江市に行き、地域の方々と子犬のねぶた制作を行うと、みなさん本当に未経験なのか疑うほど、ねぶた制作が上手で驚きました。完成した子犬たちは、どれも愛らしく温かみのある子犬ばかりでした。それに反映するかように街の流れる空気も時間もとても穏やかで、また来たいと感じました。このプロジェクトを通して「松江水燈路」に来た多く方々にねぶたを知ってもらうことができたのではないかと思います。

安松鈴葉さん:設置は、事前に学内で制作したものを一度解体し再度組み立てる作業を行いました。確実に組み立てることができるか、ねぶたのはなちゃんの最終調整が間に合うかヒヤヒヤする部分も多かったのですが、先生方にも助けていただき時間内に完成することができました。お披露目では多くの方々に喜んでいただけて、またモチーフとなった犬のはなちゃんにも会うことができ、満足のいくものとなりました。ワークショップやミーティングを通し、地域の方々と一緒に制作を行うことで、私たちが普段学んでいることがどのように社会に役立てることができるのか間近で学ぶ機会となりました。松江水燈路を楽しんでいる方々の表情がとても印象に残っています。


来年も「松江水燈路」をはじめ、松江市の方々との交流がより一層深まっていくことを願いながら…島根プロジェクトのみなさん、愛くるしいねぶたをありがとうございました!

 

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