大阪府吹田市の万博公園に隣接するEXPOCITYにある「生きているミュージアム NIFREL(ニフレル)」にて、情報デザイン学科の3年生たちによる、さまざまなワークショップのアイデア展示が始まりました。
ニフレルは、水族館、動物園、美術館のジャンルが融合したミュージアムで、「感性にふれる」をコンセプトに、まるでアートを楽しむかのように、生きものや自然の魅力を直感的に楽しむことができます。
そんな「ニフレル」の魅力をどのように引き出し、発信していくことができるのか。その企画を考えるリアルワークプロジェクトの展示になります。
これまで以上に、もっと近くに。
情報デザイン学科3年生グラフィック領域では、大阪・万博公園に隣接するニフレルとの共同プロジェクトを行なっています。「社会の状況が大きく変わる今、ニフレルがお客様にできることは何か」という問いに、ニフレルと社会がつながる接続点を模索し、取り組んでいます。
ニフレルで楽しみたいけど足を運ぶことが難しくなった現在。この状況をネガティブに捉えるのではなく、今こそニフレルの新たな魅力を模索し、お客様とのニフレルとの間に新たなつながりを提案したい。従来よりも遠くなりつつある「ニフレル」という存在をこれまで以上に近くに感じて欲しい。当企画はそんな学生たちの想いが詰まっています。
私たちは、今こそ新たな価値提案や、創造の力が大切なのだと考えます。 様々な状況の変化に対し、常に対応を求められる世の中でいかに発想を転換できるのか。本プロジェクトが刻々と変化する日常をポジティブに感じていただけるきっかけとなれば幸いです。
今年で5回目となるニフレルとの共同プロジェクトで、情報デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース「A領域※」の授業課題。その内容は、生きているミュージアム「ニフレル」の魅力を発信する企画を提案するというもの。「ニフレル」にいる生きものたちの魅力を発信する手法やアイデア、ビジュアルをニフレルに提案し、採用いただいた案を具現化するプロジェクトです。
※情報デザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースでは、応用・展開的なデザインスタディのフェーズとして、A領域「グラフィックス」、B領域「エンターテイン」、C領域「リアライズ」というテーマを軸に情報デザインを探究・実践する、3つの領域に分かれて学修します。
今回は「Nearby NIFREL」と題して「社会の状況が大きく変わる今、ニフレルがお客様にできることは何か」という問いに、ニフレルと社会がつながる接続点を模索しました。
ニフレルの名前の由来は “感性にふれる” から来たもの。館内は、いろ(色彩の多様性)、わざ(行動の多様性)、かくれる(擬態の多様性)など、生物の多様性をテーマに展示エリアがわかれています。
学生たちは、6つのゾーン※(いろ・わざ・およぎ・かくれる・みずべ・うごき)ごとにチームに分かれ、各ゾーンのコンセプトを踏まえたアイデアとビジュアルをプレゼンテーションしました。
※映像を上映する “ワンダーモーメンツ” と「つながり」「ひびき」を含め、実際のゾーン数は9つ。
オンラインで行われたニフレルへの企画提案プレゼンテーション。いずれの提案ともに、直接足を運ぶことが難しくても「どこにいてもニフレルの存在を感じて欲しい」という想いが詰まった、創意工夫あふれるワークショップの数々でした。
検討の結果、なんと6組すべての提案が採用されることに!そこで学生たちは、対面で行われる事前申し込み制のワークショップや、オンライン体験コンテンツを展開するためのWebサイト制作を進めていきました。
「わざ」にふれる
「うごき」にふれる
「およぎ」にふれる
「いろ」にふれる
「かくれる」にふれる
「みずべ」にふれる
6組のアイデア提案、いかがでしたか?昨年は残念ながら、学生たちがニフレルを訪れ、対面でワークショップを行うことはできませんでしたが、今年は感染症対策を講じながら、6組のうちのひとつ “うごきにふれる” を少人数制で行うことができました。こちらのワークショップは、『にふれるものがたり』の1シーンを手作りする「うごきにふれる"うごく手作り絵本"づくり」。学生たちはオンラインで参加し、ワークショップを進めました。
まずはタブレットで、指でタッチすると動く『にふれるものがたり』を読んでみます。
その後、ものがたりの1シーンを紙で手作りするワークショップへ。学生たちは、画面越しでこどもたちに説明し、進行していきます。
館内の「ふくろう」を観察してイラストを描き、はさみで切り取ります。参加者は4組とも未就学のお子さんたちでしたので、保護者の方も手伝いながら。
そして、ついに「うごく絵本」が完成!
参加したこどもたちには「答えて発見つながりマスク」をプレゼント。可愛い笑顔が溢れました。
学生たちはオンラインで参加し、画面越しでのワークショップとなりましたが、参加者の皆さんはそれほど戸惑うようなことはなかったそうで、「オンラインでも学生の方が丁寧でわかりやすく説明してくださいましたし、こどもに優しく教えてくれました」と話します。
感性と創造力によって、芸大生ならではの柔軟なアイデア提案の数々。特設webサイトでは、オンラインで体験できる企画が順次公開されています。ぜひご自宅で楽しんでみてください。学生たちの企画提案が、皆さんの「感性に触れる」きっかけになれば幸いです。
「Nearby NIFREL」ニフレル x 情報デザイン学科共同プロジェクト
公開期間 | 2022年1月26日(水)〜3月19日(土)予定 |
---|
京都芸術大学 Newsletter
京都芸術大学の教員が執筆するコラムと、クリエイター・研究者が選ぶ、世界を学ぶ最新トピックスを無料でお届けします。ご希望の方は、メールアドレスをご入力するだけで、来週水曜日より配信を開始します。以下よりお申し込みください。
-
京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts
所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
連絡先: 075-791-9112
E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp