REPORT2020.12.11

デザイン

新しい日常、新しいニフレル。― 情報デザイン学科「NEW NIFREL」プロジェクト

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  • 京都芸術大学 広報課

大阪府吹田市の万博公園に隣接するEXPOCITYにある「生きているミュージアム NIFREL(ニフレル)」にて、情報デザイン学科の学生による展示が始まりました。

ニフレルは、水族館、動物園、美術館のジャンルが融合したミュージアムで、「感性にふれる」をコンセプトに、まるでアートを楽しむかのように、生きものや自然の魅力を直感的に楽しむことができます。

そんな「ニフレル」の魅力をどのように引き出し、発信していくことができるのか。その企画を考えるリアルワークプロジェクトの展示になります。
 


新しい日常、新しいニフレル。

ニフレルと京都芸術大学(旧名称・京都造形芸術大学)情報デザイン学科3年生との共同展示プロジェクトです。

社会状況が大きく変わる今、ニフレルがお客様にできることはなにか。本展はこの問いに学生たちが取り組み、形にした思考と実践の結晶です。

ニフレルで楽しみたいけど行くことが難しい。この状況をネガティブに捉えるのではなく、今こそニフレルの新たな魅力を模索し、お客様とニフレルとの間に新たなつながりを提案したい。 本展はそんな学生たちの想いが詰まっています。

私たちは今こそ新たな価値提案や、創造の力が大切なのだと考えます。 本展を通じて、学生たちが見出した「NEW」なニフレルを皆様と共有することで、刻々と変化する日常をポジティブに感じて頂けるきっかけとなれば幸いです。

 


展示されているのは、情報デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース「A領域※」の授業課題。今回で4回目を迎えます。その内容は、生きているミュージアム「ニフレル」の魅力を発信する企画を提案するというもの。「ニフレル」にいる生きものたちの魅力を発信する手法やアイデア、ビジュアルをニフレルに提案し、採用いただいた案を具現化するプロジェクトです。

※情報デザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースでは、応用・展開的なデザインスタディのフェーズとして、A領域「グラフィックス」、B領域「エンターテイン」、C領域「リアライズ」というテーマを軸に情報デザインを探究・実践する、3つの領域に分かれて学修します。


ニフレルの名前の由来は “感性にふれる” から来たもの。館内は、いろ(色彩の多様性)、わざ(行動の多様性)、かくれる(擬態の多様性)など、生物の多様性をテーマに展示エリアがわかれています。

学生たちは、6つのゾーン※(いろ・わざ・およぎ・かくれる・みずべ・うごき)ごとにチームに分かれ、各ゾーンのコンセプトを踏まえたアイデアとビジュアルをプレゼンテーションしました。

※映像を上映する “ワンダーモーメンツ” と「つながり」を含め、実際のゾーン数は8つ。


特に今年度は、コロナ禍という物理的なコミュニケーションが難しい状況。例年であればグループごとに企画を提案し、館内でのワークショップなどを実施していますが、それができません。しかし学生たちは、厳しい世の中の今だからこそ、この状況をネガティブに捉えるのではなく、新たなつながりを創出するユニークなアイデア提案がなされていました。

また、特設webサイト『フレフレニフレル応援部』も開設されており、「うごき」「およぎ」「かくれる」の3つにスポットをあて、遠隔で体験できる企画が実際に展開されるなど、

「ニフレルに来ることができなくとも、自然や生きものとの繋がりを感じ、感性に触れるきっかけになってほしい」

そのような想いが伝わってくる企画の数々です。


① いろにふれる:「イロドリウム」アプリ開発
② わざにふれる:「技魚」ムービー制作
③ およぎにふれる:「おうちでOYOGIハンドメイドワークショップ」
④ かくれるにふれる:「かくれるフォトキャンペーン」
⑤ みずべにふれる:「ちらサイド」リーフレット制作
⑥ うごきにふれる:「うごきニフレルカルタ」

 

① いろにふれる:「イロドリウム」アプリ開発

早川 恵美理(リーダー)、木村 未歩、島村 向日葵、早田 光希、人見 玲

いろゾーンの個性豊かな美しい色を持つ生きものたち。
彼らの色を身の回りから探して集めるアプリ「イロドリウム」を企画しました。
美しい生きものたちの色も、身近なところにあふれているかもしれません。
イロドリウムでいろゾーンの世界を体験しに行きましょう。

 

② わざにふれる:ドキュメンタリー「技魚」

上野 満美(リーダー)、梅岡 隼人、岡嶋 大河、田中 希実、東浦 美結、疋田 萌

本来の魅力、「生きるためにその術を身につけた」という部分に着目し、「親子で楽しめる動物目線のドキュメンタリー番組」を制作しました。
人間世界に生きる彼らは、どのように日々を生きているのでしょう?
そして生きる上で、彼らの技はどのように使われているのでしょうか?
わざゾーンの彼らの個性に着目して楽しんでみてください。

 

③ およぎにふれる:「おうちでOYOGIハンドメイドワークショップ」

一二三 菜月(リーダー)、澤泉 拓斗、鳴海 有花、藤 うらら、宮城 竣

およぎゾーンの魅力である空間・魚の形が生み出す様々なおよぎ方・影の形。この3つをテーマにしたアイテムをおうちで作るハンドメイドワークショップを企画しました。
おうちに飾ったり遊んだりして生きものの世界を体験することができます。ぜひ、おうちで作ってみてください。

 

④ かくれるにふれる:「かくれるフォトキャンペーン」

山西 天(リーダー)、秋元 海一、田宮 光太郎、林 陽葉、福庄 真優香

「あ!見つけた!」だけで通り過ぎてしまいがちなかくれるゾーン。
なんのために隠れているのか、どんな特徴を持っているのかを知ってもらうために、インスタグラムを利用したフォトキャンペーンを企画しました。
コロナ禍で来館するのが難しい状況でも、創造力や感性を高めるきっかけ作りになってほしいと考えています。

 

⑤ みずべにふれる:「ちらサイド」リーフレット制作

高 むい(リーダー)、浅塲 紫、勝見 寿々香、坂下 実里、嶋根 穂香

みずべの生きものたちは人気者。でも本当はこんな一面もあるんです。
スターたちの知られざる姿を四コマのストーリーにして、蛇腹折りのリーフレットを作りました。さあ、一緒にスターたちをのぞいてみましょう。

 

⑥ うごきにふれる:「うごきニフレルカルタ」

田中里々加(リーダー)、黄 凱琳、越賀 ひかる、髙瀬 蘭舞、西山 遥

うごきゾーンを遠くからでも安心安全に楽しめる企画「うごきニフレルカルタ」は、言語とカルタを融合させた新しいカルタゲームです。
生きものがするうごきを日本語・英語・中国語の3言語の単語とイラストで表現しています。

 

いかがでしたか?芸大生ならではの感性と創造力によって、柔軟なアイデア提案がなされており、多くの方が足を止めてご覧になっていました。

『フレフレニフレル応援部』特設webサイトでは、遠隔で体験できる企画が順次公開されています。ぜひご自宅で楽しんでみてください。学生たちの企画提案が、皆さんの「感性に触れる」きっかけになれば幸いです。

『フレフレニフレル応援部』特設webサイト

パソコン用
http://furefurenifrel.main.jp/nifrel(main).html

スマートフォン用
http://furefurenifrel.main.jp/phone.html

 

<NIFREL×京都芸術大学> 特別企画「NEW NIFREL」

開催期間 2020年11月19日~2021年4月下旬(予定)
開催場所 ニフレル館内2階 ニフレルメイクス


※営業時間・休館日などはWebサイトにてご確認ください。

https://www.nifrel.jp/

 

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