昨年に引き続き、京都・瓜生山キャンパスの展覧会場ギャルリ・オーブにて開催された、環境デザイン学科の設計演習課題の模型展。1・2年次課題編に続き、3年次課題をご紹介します。
『白の家』のとなりのいえ・結び目の住宅(knot house) ― 環境デザイン学科 学生作品模型展 2021(1・2年次課題編)
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/909
3年 前期前半「環境計画I」(住宅・建築・まちづくり課題)
町家コンバージョン
課題主旨 ※一部抜粋
既存の町家を職住一体型住宅としてコンバージョンすることにより、京町家の伝統的コンテクストの継承と発展をはかる。(中略)かつて、町家は生活の場であり、働く場であり、学ぶ場であり、そして遊びの場だった。長年にわたり蓄積され、将来に継承・発展させていくべき京町家の価値を再認識し、「くらし」「空間」「まちづくり」の視点から、新たな都市居住のライフスタイルを可能にする職住一体型住宅を提案してほしい。
計画敷地 ※一部抜粋
京都市内にある既存の町家を調査し、コンバージョンする。
大塚崚太郎「認識でメタボリズムする町屋」
櫻井沙羅「町屋の屋根 ~だんだんとヒトを繋ぐ屋根~」
重留里咲「KAKUOUCHI」
村井琴音「Sampling Tategu」
3年 前期前半「環境計画I」(インテリア・家具・まちづくり課題)
ショッピング
課題主旨 ※一部抜粋
京都市内にある建物の中に、物販店舗(モノを売る店)を設計します。
Rem Koolhaus が HarvardGSD の学生達と協働し、「The Guide to Shopping」を刊行したのが2001年。ショッピングという欲望の力学を分析し、その結果を空間に反映したものとして、Prada NY、Prada LA などの店舗を、商品を売るだけではなく、街における残された公共空間として再定義されました。それ以降、日本でもルイヴィトンやプラダなどスーパーブランドに留まらず、JINS や blue bottle coffee など建築家が物販店舗をデザインする機会が増えています。それらは扱う商品の特徴や場所の特性を突き詰めて観察し、空間を再定義しています。
以上を踏まえて、モノを売る物販店舗を計画してください。
計画敷地
京都市四条烏丸北西角 ラクエ四条烏丸1F
笠原里砂「FACTORY」
田上芽唯「TREE」
3年 前期前半「環境計画I」(まちづくり・ランドスケープ・庭園課題)
まちのパブリックスペース・リノベーション
課題主旨 ※一部抜粋
この課題は、住宅と隣接したパブリックスペースのリノベーションを通して、これからの都市環境の創造とまちづくりに向けて、ランドスケープデザインが果たしうる真の可能性について追求することを目的とする。それは住宅を「家」ではなく「結び目」(knot)として、まちに対して「開けられる」、「繋げられる」、「拠点となれる」、「相互浸透できる」、「関係性を持てる」、「公・共・私のヒエラルキーを創出できる」ものとして捉え、それをランドスケープデザインによって「まちの側」から創出し、建築に対して提案できる力を身につけることを意味する。
計画地
・一条寺ひいらぎ公園とその周辺、約3,300㎡を中心とする敷地。
・公園を分断する道路は廃道になったと想定する。
・ひいらぎ会館は地域の共有施設として、新たに建て替えを計画する。
・ひいらぎ会館南側の住宅は移転することとし、計画地の一部とする。
・計画地を走る太田川は位置を変えて良いものとするが、その機能は残すこととする。
下野美和「寄り添う公園」
山下龍二「変わり続ける町とあり続ける公共」
3年 前期後半「環境計画II」(建築課題)
出町柳の屋根
課題主旨
「駅」というプログラムが想起させるかたちのイメージはどんなものだろう。現代の駅は、高層ビルに飲み込まれ、或いは高架下にはめこまれ、地下の駅はその輪郭すら感じることができない。駅という言葉が表象するのは旅客を乗降させるという機能だけでよかったのだろうか。
この課題では叡山電鉄出町柳駅と周辺の建物を解体し、新しい駅と駅前空間の提案を求める。
計画対象である出町柳駅は始発駅であるため跨線橋が必要なく、地上レベルで街とつながることができる。
一説には出町柳の出町とは大原女に代表される様々な人が鴨川を超えて京都の街に出入りする場所であったからとも言われている。乗降時の雨除けに最低限必要な「屋根」をきっかけとして多様な人々が出入りする新たな公共空間のかたちを提案してほしい。
計画敷地
叡山電鉄出町柳駅を含む一画
近隣商業地域と第1種住居地域
重留里咲「やねとでまちのスキマから」
GORDON, KATHARINA ISABEL「Triangle ー 出町柳駅の改善案」
村井琴音「I'm waiting at Demachi-yanagi Station」
3年 前期後半「環境計画II」(庭園・ランドスケープ課題)
鴨川沿いのプライベートガーデン
課題主旨 ※一部抜粋
先斗町(ぽんとちょう)は、幅2mほどの細い道沿いに町家作りの店が軒を連ねる花街です。先斗町の鴨川沿いに、戦時中の「建物疎開」で町家を撤去した跡が先斗町公園として今に至ります。
本課題では、この場所が民有地として買収され、新たな先斗町の「商業施設」として事業計画が立てられたと想定します。先斗町ならではの景観に配慮した「建築」と鴨川沿いの立地を活かした「庭園」とを売りとした「商業施設」とすることが、オーナーの要望です。
京都ならでは、先斗町ならでは、鴨川沿いならではの立地を活かした、ランドスケープ(建築・景観・庭園)を提案してください。
計画敷地 ※一部抜粋
先斗町公園(京都府京都市中京区梅之木町150)、敷地面積:約1,000㎡
櫻井沙羅「先斗町のプライベートフォトスタジオ」
高橋晏悠「すや間」
環境デザイン学科 学生作品模型展 2021
期間 | 2021年11月19日(水)~10月19日(火) |
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時間 | 10:00~18:00 |
場所 | ギャルリ・オーブ |
内容 | 環境デザイン学科1~3年生の設計演習課題の模型展 ※今回は学内展示のため、本学の学生・教職員のみがご覧いただけます。 |
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