REPORT2021.11.10

建築

『白の家』のとなりのいえ・結び目の住宅(knot house)― 環境デザイン学科 学生作品模型展 2021(1・2年次課題編)

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  • 京都芸術大学 広報課

昨年に引き続き、京都・瓜生山キャンパスの展覧会場ギャルリ・オーブにて、環境デザイン学科の設計演習課題の模型展が2021年10月14日(木)から19日(火)まで開催されました。1年生から3年生まで、総勢150名を超える模型がずらっと並ぶさまは圧巻です。1年生前期の模型課題や2年生の住宅設計、3年生による町屋のリノベーション、公園や緑地、都市のオープンスペースの計画など、多種多様な模型作品が展示されました。


10月16日(土)には、優秀作の合評が行われ、ゲスト講師に片木孝子先生(スタジオテロワール)、土井亘先生(ドットアーキテクツ)、山本麻子先生(アルファヴィル一級建築士事務所)の3名を招き、密度の濃い講評となっていました。

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般の方にご覧いただくことができませんでしたし、今回は展示された優秀作をすべてご紹介いたします。まずは、1・2年次課題編をご紹介します。

開催のごあいさつ

このたび、昨年度にひきつづき、ギャルリ・オーブにおいて、環境デザイン学科1~3回生の設計演習課題の模型展を開催することになりました。
1回生の前期後半課題と、2回生前期後半課題、3回生の前期前後半課題の、模型に特化しての展示です。

1回生の課題はこのコロナ禍で昨年度から急遽変更したものですが、設計を進めていくプロセス(スタディの手法)の引出しを増やしてもらいたく設定したものです。多くのスタディ模型を一同に置いたテーブルからその作業量の多さを感じてもらえるかもしれません。

2回生の住宅課題は、昨年度までは3回生課題だったものを前倒しし、2回生前期に本格的な実施レベルの住宅課題に取り組もうというものです。この学年は昨年度1回生の時(今回の展示にもあるような)軸組から住宅を増築する課題をこなしているため、この早い段階で充分リアルな住宅設計が構想されています。

3回生課題は5つあります( 本来は3X2=6つとなりますが、家具課題「みたて」は模型ではなく実作で、すでに展示を行ったこともあり外しています)。同時期に3課題が出され、学生は自身の興味に応じて一つを選びます。環境デザイン学科では、3回生においてもまだ、建築・インテリア・ランドスケープのどれを学生自身が自分の専門とするかを決める必要はなく課題において試行錯誤できます。

今回、このように学科の各学年の特徴を示す内容を、模型を一望するという方法にて展示する機会に恵まれたことは、学生たちのみならず、学科教職員にとっても意義深いものと考えます。是非みなさまがたにもご高覧いただき、ご批評いただけましたら幸いです。


環境デザイン学科 学科長 小野暁彦

 

1年 前期後半「デザイン基礎Ⅳ」(領域共通・基礎課題)

「『白の家』のとなりのいえ」を設計するにあたって試しておきたいいくつかの事柄

課題趣旨 ※一部抜粋。
篠原一男設計の「白の家」の南側の敷地に住宅を設計する。(中略)ここでは、週ごとに、スタディのアプローチ方法のお題を決め、短期間で案出しをし、それなりに形にしてまとめるということを繰り返していく。(中略)様々なアプローチを経験し、また試行錯誤を繰り返していく中で、思考(試行)の柔軟性を養い、空間や場を組み立てる手法の引出しを増やしておき、今後のあらゆる設計課題、あるいは将来の実務の際に役立てられるようにしておくことを目指す。

1週目:「白の家」模型+敷地模型、巨匠の住宅リサーチ
2週目:「住宅の似顔絵」、「立体構成住宅」
3週目:「きっかけシリーズ1」(モノリス、山、穴、階段、のいずれかが敷地にドーンと存在するところから始めてそれを利用しながらなんとか住める場所にしていく。それを各自2種類やってみる)
4週目:「単位空間の寄せ集め」
5・6・7週目:「きっかけシリーズ2 最小限住居の軸組」(施主が増沢洵の「最小限住宅」[あるいは9坪ハウス]の骨組を引き取ってしまったので、それを使って、それじゃ狭いから倍ぐらいの床面積にしてみる)

 

臼井音葉「親戚みんなで集まれる家」

 

大石涼音「雲と白昼夢」

 

太田光咲「感ずる家」

 

齊藤莉奈「秘密主義の家」

 

末松明夏「立体感のある家」

 

坪井歩奈美「夢」

 

堤悠「第二の家族」

 

吉野未希子「風光の巣」

 

 

2年 前期後半「環境デザインII」(住宅・インテリア・家具・建築課題)

ノット・ハウス kNOT HOUSE

課題主旨 ※一部抜粋。
しっかりと住宅設計を学びたいなと思っているみなさんに取り組んでいただく、本格的な住宅設計課題です。(中略)開く、繋ぐ、拠点、相互浸透性、関係性、公・共・私、といったキーワードを足掛かりに、何らかのまちに開く工夫や機能を取り入れた住宅を、リアリティをもって考えてみてほしいと思います。それは家ではなく(not house)、結び目の住宅(knot house)という在り方なのかもしれません。

計画条件 ※一部抜粋。
階数は3階建てまでとする。構造は自由だがリアリティをもって十分考えること。

 

赤松穂乃佳「森の住宅」

 

木川瑞希「min.」

 

篠崎春妃「Not R 広場のある家」

 

柴崎仁美「Saishougen Kaiteki」

 

田村優衣「四つ葉の家」

 

前川周「Houstep」

 

吉原悠太「HOUSE L」

 

 

町家コンバージョン・ショッピング・出町柳の屋根ほか ― 環境デザイン学科 学生作品模型展 2021(3年次課題編)
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/910

環境デザイン学科 学生作品模型展 2021

期間 2021年11月19日(水)~10月19日(火)
時間 10:00~18:00
場所 ギャルリ・オーブ
内容 環境デザイン学科1~3年生の設計演習課題の模型展
※今回は学内展示のため、本学の学生・教職員のみがご覧いただけます。

 

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    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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