SPECIAL TOPIC2021.09.17

教育

白く輝くチームの力!瓜生山ねぶた2021受賞作品紹介

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  • 京都芸術大学 広報課

「5… 4… 3… 2… 1!」 静まり返った場内にカウントダウンの声が響きます。2021年9月15日(水)18時頃、「点灯!」の合図とともに一斉に浮かび上がった白く光り輝く“ねぶた” を前に、学生たちの拍手が響き渡りました。感染症防止対策のため、例年のように歓声を上げたり、抱き合ったりすることはできません。しかし、2年ぶりにさまざまな困難を乗り越えて完成へとたどり着いた今年度。その歓声は今まででもっとも大きく、心震える瞬間となりました。

 

2007年度から始まった「瓜生山ねぶた」制作は、さまざまなワークショップに取り組む基礎力養成プログラム「マンデイプロジェクト」の集大成。8月末からの約2週間で “ねぶた” を制作する本学の名物プログラムです。前期の学びをすべて活かし、集団での短期集中での制作、アイデアのクオリティ、ディテールへのこだわりなど、チームで高いハードルをクリアしていきながら、今年度は「SDGs」をテーマに学科横断の20クラス、820名の学生が取り組みました。

ねぶたの基礎となる木組みを組むところから始まります。
きちんと木組みをつくると、人が登れるほどの強度に。
粘土で作った模型をもとに針金のフレームを決めていきます。
針金をタコ糸で固定し、形を作っていきます。
大きいフレームはみんなで協力しながら!
安全のため帽子やヘルメットを着用して作業を進めます。
学生たちに配られた冊子には、スケジュールや注意事項、ゴミの廃棄場所などのほか、感染防止対策や緊急連絡体制なども掲載。ひとクラス約40名中、対面での参加は25名までに制限するなど、さまざまな対策をとっています。
フレーム完成後は、とにかく根気のいる紙貼り作業。
脚立に上ってあらゆる角度から貼っていきます。
灯りが燈ると幻想的です。
床に寝そべって下から作業するクラスも。
猫に見つめられている気分です。
「瓜生山ねぶた」は、真っ白なねぶたであることが特徴です。あえて色彩を省くことで、針金の線や和紙の表情を活かす表現に工夫を重ね、独自の発展を遂げてきました。

 

12日間の日程を終え、大きな事故等もなく無事に20クラスすべての作品が完成し、点灯式を迎えることができました。点灯後、例年はすべての学生が表彰式の会場となる京都芸術劇場 春秋座に集いますが、今年度は各クラスの代表3名ずつが集い、他の学生たちは制作したねぶたの周りで静かにその中継を見守っていました。

 

今年度は、瓜生山ねぶたの最高賞である「学長賞」、テクニカルディレクターが選出する「TD賞」、そして「優秀賞」、「佳作賞」の4つの賞が授与されました。白く光輝くねぶた、各受賞作品をご紹介いたします。

 

佳作賞

Eクラス『目をとじて、』


生き物や木々が芽吹き、優しく包み込むような巨木の作品です。コツコツと自宅制作を重ねた「新芽や苔」などのディテールがとても繊細で、何度も実験を繰り返してこのような表現にたどり着いたのだとか。なんとも幻想的な作品になりました。

 

優秀賞

Tクラス『カウントダウン』

アルベルト・アインシュタインの言葉とされる「もし地球上からミツバチが消えたなら、人類はあと4年、生きられるだろうか?」から発想した、ミツバチの死骸をモチーフにした作品です。一見、無関係とも思えるミツバチの死が地球を大きく変えてしまうという問題提起。和紙を巧みに利用して各パーツの質感の違いを良く表しています。脚先の針金をあえて剥き出しにしており、死骸らしさが伝わります。

 

学長賞

Nクラス『群泳』


栄えある「学長賞」は、テクニカルディレクターが選ぶ「TD賞」とのダブル受賞となりました。

丁寧かつ大胆な作品で圧巻の迫力。もう言葉がありません。仲間の存在を感じながら、みな同じ方向を向き、渦のように進んでいくイワシの群れ。その総数は約3,000匹だそう。数匹ずつ縫い合わせているため立体感が出ていて陰影が美しい作品です。講堂の天井に届きそうなほど、高さと迫力のある作品になりました。


いかがでしたか。今年度の受賞3作品。
2年ぶりとなる今年は1,2年生の混合クラス、対面での制作に40名全員が一度に集うことはせず参加人数を最大25名に制限し、残りの学生は自宅制作とするなどイレギュラーな制作体制となりました。しかしだからこそ、知恵と工夫をこらし、クリエイティブティを大いに発揮した素晴らしい作品の数々が完成したのだと思います。

学生の皆さん、素晴らしい作品の完成、おめでとうございます!

理事長より学生全員に配られた、ねぶたのアイコンが配された「手ぬぐい」を手に。(撮影:中山博喜)

 

(点灯式および表彰式の撮影:吉見崚)

 

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