NEWS2021.06.08

アートマンガ・アニメ教育

この春、通信教育部にイラストレーションコースが誕生!出願者数は過去最高の1,644人に。

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  • 京都芸術大学 広報課

開設を発表してから高い注目を浴びていた通信教育部のイラストレーションコース。登録ユーザー数5,000万人を超えるイラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブ株式会社と提携し、いよいよこの春、2021年4月1日に開設されました。
初年度の出願者数は1,644人に上り、本学が1998年に日本で初めて4年制の芸術系通信教育課程を設置以来、コース単体では過去最高の出願者数となりました。

 

― イラストレーションコースとは

京都芸術大学の通信教育部デザイン科に新設された、通学不要、完全オンラインで完結する通称「手のひら芸大」の1コース。本コースはイラストレーターを志す学生や社会人に対して、現代における制作技法やクリエイティブに関する知識・教養を提供することを目的として開設されました。
ピクシブ株式会社と共同開発した教材には、現役のイラストレーターやアニメーター約30人が出演しており、現場目線やノウハウをふんだんに伝授し、プロとして活躍するための制作技法や知識を学ぶことができます。

 

― 体験授業はTwitterトレンド入り

イラストレーションコースの盛り上がりは、秋から始まった学生募集イベントから始まっていました。体験授業や入学説明会はすべてオンラインで行われ、通算5,013人の方にご参加いただきました。
この数字は他コースと比較しても突出しており、注目度の高さが伺われました。

2020年11月15日(日)に開催されたイベント「秋の一日体験入学」では、吉田誠治先生と虎硬先生が「初心者のための背景講座」を開きました。
背景グラフィッカー、イラストレーターとして現役で活躍する吉田誠治先生。その場でライブペインティングをしながら、パースの取り方、シルエットの意識、色の選び方など様々なテクニックをレクチャーします。プロの実演によるレクチャーを受ける機会はなかなかありませんので、画面越しではありますが、参加者の興奮の熱も伝わってくるようでした。

静物画ライブペインティングの様子。

 

レクチャー後は参加者向けのワーク「木を描きましょう」を実施。「#京都芸術大学イラスト」のハッシュタグをつけてTwitter上で参加者のみなさんが描いた「木」の作品画像を募集しました。ワークに取り掛かる時間は15分と短い時間でしたが、数えきれないほどの作品が投稿され、なんとTwitterにトレンド入りするほど。

吉田誠治先生もその数とクオリティに舌を巻きながら、時間が許すかぎりフィードバックをしました。

参加者がTwitterに投稿した作品たちをレビュー。

 

体験授業の様子はYouTubeでご覧いただけます。
「初心者のための背景講座」担当教員:吉田誠治/虎硬 
https://www.youtube.com/watch?v=yWvNlh6DP6M
「全身が描けるようになる!楽しいドローイング」担当教員:砂糖ふくろう
https://www.youtube.com/watch?v=mlyWyfIE-Iw

 

― どんな人がイラストレーションコースを選んでいるのか?

出願者の半数以上を占めるのは、20代前半から30代後半の働き盛りの社会人。
仕事の合間に学習できる完全オンラインの履修形態が、働きながらイラストレーションの基礎から学び直したいという思いに応える形でニーズとマッチしたと考えられます。

また、コロナ禍において、オンラインの利用がより一層日常的で身近になったことや、リモートワークによって通勤に費やしていた時間が減少するなどといったライフスタイルの変化も、このオンライン完結型の学修への一歩を後押ししたようです。

他コースと比較して、1年次入学生の比率が高いところも特徴的。10代の年齢層もボリュームゾーンとなっており、高等学校を卒業したばかりの若年層が目立ちます。

これまで通信制大学といえば“社会人教育”のイメージが強かったですが、近年は高校卒業後の進路として通信制大学が注目されています。教育のあり方が大きく変化するこの時代に、本コースがその選択肢のひとつとして選ばれていることがわかります。

 

実際の新入生からは、入学理由として次のような声が届いています。

〇昔からイラストを描くことが好きで、将来的にイラストに関わる仕事に就きたい!
〇プロのイラストレーターとして活躍する講師の方々が魅力。他では学ぶことが出来ない、今のイラスト業界で最先端の技術や知識を身に着けられそう
〇独学での勉強に限界を感じており、体系的にイラストを基礎から学び直したいと思った
〇年齢や居住地に関係なく学ぶことができ、コロナ禍でも情勢の影響を受けず、充実した学習が出来そう etc…

 

― スタートラインを切った新入生

4月1日から始まった授業。イラストレーションコースの新入生はオンラインでどのように学んでいるのでしょうか。

イラストレーションコース在籍者のみが履修できる、イラストレーションコース専門教育科目ではWebスクーリング科目テキスト作品科目ふたつの履修形態が主となっています。
※テキスト特別科目やスクーリング科目(遠隔)も開講しています。

 

Webスクーリング科目は、動画教材を中心に学習を進める科目。全15章の動画を視聴し、章ごとに選択式の確認テストに解答し、最後に作品課題に取り組みます。

未経験の方を前提としたカリキュラムを組んでいるため、動画教材では画材やアプリケーションソフトの使い方などの基礎知識から学ぶことができ、イラストレーション初学者にも易しい内容になっています。

学習用サイト「airU」で約20〜30分程度の動画教材を視聴
動画教材には現役イラストレーターが出演し、その知識と技術を惜しみなく伝授


動画は好きな時間に視聴でき、自宅でも通勤中でも場所を選ばず、すき間時間に集中して受講することができます。また、対面授業とは異なり、履修中の動画は何度でも視聴可能。気になったところや分からない部分は繰り返し視聴してじっくり理解を深めます。

 

 

テキスト作品科目は、テキストや補助教材をもとに自宅で学習し、あたえられた課題について作品を作成する科目。

週末や平日の空き時間を活用して、自分のペースで作品課題をすすめます。提出後には、添削講評文と、課題によっては作品のコピーやデータに教員のコメントが書き込まれたものとともに返却されます。

オンライン完結型のコースだからこそ、教員にとっては添削が学生とのコミュニケーション。一つひとつの課題に真摯に向き合い、S・A・B・C・Dや点数などの評価だけではなく、一人ひとり丁寧な添削指導を行います。

《添削例》作品への赤入れと文章での添削指導が受けられる。
《添削例》びっしりと書かれた添削。左上には花丸マークも。


4月1日に開設してから早2ヶ月。最初の提出を迎えたテキスト作品科目では、約1,000件の作品課題が提出されています。

イラストレーションコース主任の虎硬准教授は、WEB完結型の授業にもかかわらず多くの学生からの熱量を感じていると言います。

「本コースには高校を卒業してすぐに入学された方や、お仕事の合間に受講している方、すでに還暦を迎える方など様々な立場の方がいらっしゃいます。どなたも共通していることはイラストを学ぶ情熱がとても高いこと。課題ではそんな学生の「本気」を垣間見る瞬間でもあり、オンライン学習ながらここまで多くのことを理解し、受け取ってくれるものかと感動します。私たち教員も授業内容にたしかな手応えを感じているところです」。

虎硬 Toraco(イラストレーションコース主任,准教授)

1986年生まれ。イラストレーター、コラムニスト。現在はピクシブに所属し、イラスト教育事業のプロデュース、マネジメントを行っている。主な制作実績に、バンド「神様、僕は気づいてしまった」メインヴィジュアル、Google+PRイラスト、株式会社アニメイト企業ロゴデザインなど。著書に『ネット絵史』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『はじめてでもわかる! イラストでお金を生み出す秘訣』(KADOKAWA)など。

 

―通信制大学でイラストレーションを学ぶ

虎硬准教授は、大学でイラストレーションを学ぶ意味を次のように語ります。

「大学でイラストを学ぶ意味は、最短で効率良く学習できることだと私は考えています。ネット上には絵に関するノウハウが大量に存在し、SNSでは日々さまざまな情報が出回っていますが、その多くがキャッチーな見出しで、粒度の小さいコンテンツ。もちろんそれらも重要な知識の一つではありますが、体系だった学習をそれらから学び取ることは難しいです。専門的な知識を持ち、さらに技術力が高い人間による教育が重要になります」。

課題の添削結果がぞくぞくと戻ってくるころ。虎硬准教授によると、すでにオンラインの場でも学生間で様々な交流が行われているそう。

学び始めた新入生はどんな手ごたえを感じているのでしょうか。まだまだ始まったばかりのイラストレーションコース。学生が学びを深化していく様を見ることが楽しみです。

 

京都芸術大学 通信教育部 イラストレーションコース公式サイト
https://tenohira.kyoto-art.ac.jp/illustration/

★YouTubeでトライアル授業動画をご覧いただけます。
「美術解剖学」担当教員:加藤公太

「デフォルメ表現」担当教員:ア・メリカ

「レイアウト・構図」担当教員:斉藤拓也

 

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