SPECIAL TOPIC2021.04.02

教育

「冒険と寄り道」の場へようこそ。 ― 2021年度 京都芸術大学(通学課程)入学式

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  • 京都芸術大学 広報課

2021年4月2日(金)通学課程の入学式が、新型コロナウイルス感染症対策を講じつつ、2部にわけた形で挙行されました。


通学課程 1部(10:00開式)
キャラクターデザイン学科、情報デザイン学科、環境デザイン学科、映画学科、舞台芸術学科、文芸表現学科、編入学生

通学課程 2部(14:30開式)
美術工芸学科、マンガ学科、プロダクトデザイン学科、空間演出デザイン学科、アートプロデュース学科、こども芸術学科、歴史遺産学科、大学院


昨年度の入学式は延期となり、ようやく開催できたのは年が明けた一月のこと。2020年4月に入学した新入生の皆さんは、本学の入学式だけでなく、在学していた高等学校等の卒業式も中止となった方も多数いらっしゃるかと思います。そのような状況も鑑み、新入生の新たな門出をお祝いしたく、感染症対策を充分に取ったうえで、2021年1月6日(水)に入学式を挙行することとなりました。

この大学が皆さんの砦になる。 ― 2020年度 京都芸術大学(通学課程)入学式
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/753

 

そして、2021年度の入学式。例年、入学式や卒業式は職員全員で新入生をお迎えしていますが、感染拡大防止のため、教職員の列席は式典やその後の新入生ガイダンス担当者のみとし、保護者の方は、YouTubeLIVE配信での視聴という形となりました。

 

「京都文藝復興」朗読。

開式の辞に続き、まずは本学の理念「京都文藝復興」を松平定知教授が朗読します。

 

吉川左紀子学長から、新入生の皆さんへ。

この春より就任された吉川左紀子学長による式辞です。大学は「冒険の場」であること、「自分の考えや思い」を大切にすること、そして「寄り道」をする楽しさについて、ご専門の心理学に絡めながら話されました。


「私は皆さんに3つの言葉を贈りたいと思います。ひとつは “冒険” です。何か新しいことを始めるとき『できなかったらどうしよう』とか『失敗したら恥ずかしいかも』とか、いろいろ迷いますよね。そのとき思い切って『まずはやってみよう』という選択肢を選ぶ。思春期から青年期、脳が発達途上であるこの時期にさまざまな新しい経験をすることがその後の人生を豊かにすること、その原動力になることは確かなんです」

「2つ目は、自分の考えや自分の思いを大切にということです。心理学の用語では “主体性の感覚” という、ちょっと難しい言い方もあります。大学生になった皆さんには、受け身の姿勢から自分の本当の気持ちに基づいた判断ができる人になってほしいと思います。人に言われたことをそのまま受け入れるのではなくて、一度自分の頭で疑ってみるということ。芸術やアートの世界ではこうした “批判的精神” で物事をしっかり判断することはとても大事です」

「3つ目は “寄り道” です。人生は短距離走ではなくマラソンです。寄り道をする楽しさも大学生の時代にぜひ味わってほしいと思います。4年間の短い学生生活で寄り道をするなんて時間の無駄と思われた人、それは違います。皆さんがこれから学ぼうとしている藝術やアートの世界には無駄という概念はありません。すべての道、すべての学びが芸術につながっています」

 

和太鼓「悳」による祝奏。

昨年度の入学式では演奏ができなかったため、久しぶりの演奏となりました。一打一打に想いが込められ、講堂に広がるその勇壮な音色は、体の芯まで響きます。時折、目を合わせながら楽しそうに演奏する姿が印象的で、素晴らしい演奏でした。

 

入学の辞。

続いて、新入生代表からの「入学の辞」が読まれました。

一部の式の代表は、情報デザイン学科クロステックデザインコースの若林真矢さん。

デザインやモノづくりに興味があったものの、果たして何を学びたいのか、何になりたいのか、はっきりとはわからず、夢や目標に向かって進んでいる周りの人と自分を比べては焦る日々。そんなとき、クロステックデザインコースに出会い「目に見えるものだけでなく、目に見えないものにもデザインがあり、私たちの生活を支えていること」を知ったと言います。

「現在、社会の情報化が急速に進むことで、人々の動きが変化し、物の価値が変化、多様化しています。このような状況の中で、自分の生み出したアイデアを社会に実現できること、新しい価値の創造を学べることに、心焦がし、未来の可能性を感じました。授業内容や先生方の熱い情熱に触れ、“まだ何者でもない君たちは、何者にもなれる”という言葉を聞いた時、私の行くべきところは“ここしかない”と思い、この京都芸術大学を志望いたしました」

 

そして第二部の「入学の辞」を読んだのは、アートプロデュース学科の小田葉月さん。

コロナ禍の中、不安ばかりが募っていた時、尾池和夫前学長が在学生に向けて書かれたメッセージを読み、気持ちを切り替えることができたと言います。
「先生方の苦悩を痛切に感じ、混乱の渦中にいるのは皆同じなのだと知り、漫然たる気持ちを切り替えることができました」

「緊急事態の中、芸術は不要」「芸術がなくても生きていける」というような風潮に対し、自身の言葉で力強く語りました。

「芸術とは、生活の側にあって隙間を確かに埋めている、普段はその大切さに気付けないけれど、ライフラインのような重要な役割を担っているものだと考えます。私たちは、様々な志を持ち、京都芸術大学に集いました。芸術を問われている今、その大切さに気づいてもらえる様、時には強く、時には静かに芸術を伝えていく必要があります」

 

 

大学での4年間が、皆さんの人生にとって素晴らしい時間となることを願っています。この度はご入学、誠におめでとうございます。「冒険と寄り道」の場へようこそ。

 

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