瓜生山キャンパス智勇館1Fにて、情報デザイン学科3年生による授業課題「推測のカタチ “かわるかな”」が展示されています。
道路に面した教室を、まるでショウウィンドウのように活用。道行く人の目に留まるようディスプレイの工夫がなされ、特に夜に浮かび上がる様子がとても美しい展示となっています。
かわるかな
自分の足下にあるものを改めて知る。
漢字から派生して生まれた「平仮名」。
これは偶然的な産物かもしれない。
もしこの派生の仕方が変わっていたら。
本課題では現存するモノを調査し、
その出世に疑問を持ってみる。
違った角度からそのモノを見直し、
派生の仕方を推測してみる。
これらは、情報デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース「C領域※」の授業課題。その内容は「推測のカタチ」をテーマに、「平仮名」をデザインするというもの。
単純に「表面的な見た目」のフォントデザインに取り組むのではなく、漢字から派生してできた「平仮名」が、もし違った派生の仕方で伝わってきたとしたら、果たしてどのようなフォントになったのか。「平仮名」の生まれた歴史的背景や風土、文化などをリサーチし、まるで新たな歴史を生み出すかのような課題になっています。
※情報デザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースでは、応用・展開的なデザインスタディのフェーズとして、A領域「グラフィックス」、B領域「エンターテイン」、C領域「リアライズ」というテーマを軸に情報デザインを探究・実践する、3つの領域に分かれて学修します。
3名一組で課題に取り組み、五十音の平仮名を分担し、まずは手書きでフォントをデザイン。手書きしたものをスキャンしデータ化したのち、全フォントの体裁を朱書きして整えていきます。
太さや角度、つながり具合、滑らかさ、力強さなど、統一性のあるフォントにするために、ミリ単位での調整がなされたそう。
完成したのは、「うつりかわり体」「てがく楷書 三号」「よこかな」「はんがな」「たてまえ体」「ひらな」の全6書体。もし歴史が少し変わっていたとしたら、本当に存在したかのような美しいフォントができあがりました。
気になるフォント名称ばかりでしょうし、せっかくですので、すべてご紹介します。
先日開催されていた『見上げる、足下 「500円物産展」』しかり、世に当たり前のように存在するさまざまモノやコトに疑問を持ち、多角的な視座で捉えなおすことで「デザインへのまなざし」を養い、批判的な思考や創造力を身につける、そんな課題になっていると感じます。
展示は11/12(木)まで。さまざなま「推測のカタチ」をご覧ください。
夜に浮かび上がる様子がおすすめです。
推測のカタチ “かわるかな”
情報デザイン学科 3年生 C領域
展示期間 | 2020年10月30日(金)~11月12日(木)17時まで |
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場所 | 智勇館一階 BR14教室 ※ガラス面 |
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