NEWS2020.10.12

京都デザイン

工芸は、プロセスが面白い。― 制作の “途中” を伝えるストール&スカーフ「TOCHU(トチュウ)」

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  • 京都芸術大学 広報課

京都伝統文化イノベーション研究センター(KYOTO T5)※による、制作の “途中” を伝えるストール&スカーフ、その名も「TOCHU(トチュウ)」が、GOOD DESIGN AWARD 2020 を受賞。京都伝統文化イノベーション研究センターとしては、昨年に続き2年連続の受賞となりました。

ユニークなのは、そのコンセプト。「工芸は、プロセスが面白い」に着目し、あえて制作の “途中” で止めて、製品化したストール&スカーフなのです。
絞り染めの最終工程である「絞りを解く」工程を、購入した方自身が担うことで、職人の手仕事の知恵や工夫を体感し、美点に気づくという「学びを伴った顧客体験」を提供するデザインとなっています。

 

 

※ 京都伝統文化イノベーション研究センター(KYOTO T5)
京都の伝統文化の継承と発展を目的とする、京都芸術大学内の研究機関。活動の中でも特に、職人の技と素材にフォーカスした記録し公開することで、新しい製品アイデアを誘発するなど、イノベーティブな活動を展開している。
https://kyotot5.jp

 

TOCHU(トチュウ)とは

絞り染めストール&スカーフ “ TOCHU(トチュウ)” は、京鹿の子絞りの職人「たばた絞り」との共同制作で、雪花絞りと横段絞りの2種類、それぞれスカーフとストールの2種類を用意。Whole Love Kyoto ※より販売を開始しています。

TOCHU を完成させるのは、職人ではなく、購入者自身。絞り染めの最終工程である「絞りを解く」工程を、あえてせずに製品化することで、プレゼントのラッピングを開く時の「何が出てくるのだろう。」という気持ち、製品を自分で完成させる体験によって自分の中の出来事になり、“わたしだけのスカーフ” として記憶に残ります。


※ Whole Love Kyoto
京都の伝統工芸のリサーチから職人と共同で新しい製品を制作、販売しているブランド。「OLD IS NEW(古いものは新しい)」 をコンセプトに、京都でしかできないものづくりを世界に提案している。
https://wholelovekyoto.jp/

 

 

「雪花絞り」とは、三角の板(型板)の間に、折りたたんだ布を挟み、染めることで模様を作る技法のこと。その模様が、まるで雪の結晶のように見えることから「雪花」と呼ばれています。

雪花絞りストール
雪花絞りスカーフ
雪花絞りスカーフ


一方の「横段絞り」とは、生地を八つ畳み(山折り谷折り)にして、作りたいボーダーの幅になるように等間隔に糸を絞り、染めない部分を一段飛ばしで防染して染める技法のこと。

絞りの技法でボーダーを作っているため、本来ボーダーと聞いてイメージするまっすぐな線ではなく、少し絞りの雰囲気が残った線が魅力的です。

横段絞りストール
横段絞りの様子

 

 

 

TOCHU がうまれた背景

日本の伝統文化・産業は古くからありますが、現代人のライフスタイルから乖離してしまっているものが多く、生活の中で接点自体が減少しているため、その価値は現代人に認知され難い状況です。私たちのブランドが関わる京都でも、小さな産業がいくつも消滅しかかっています。

その中で京都伝統文化イノベーション研究センター(KYOTO T5)では、現代のライフスタイルに適応した製品を提案することはもちろん、その製品を通して生まれる体験をともにデザインしています。その体験によって、現代人が伝統文化の知恵や素晴らしさに気づくことは、伝統文化が古くて新しい文化として再創出されるはず。今回の製品のデザインも、そのような活動の中で生まれました。


審査委員の評価

板締めや絞染めの工程をパッケージ化し、商品を作る工程の楽しさを消費者に届けたいという想いが具現化された商品。一般的に、職人が行う工程は見えづらい部分が多く消費者まで伝わりづらいというところが課題としてあるが、商品として分かりやすくストーリーを伝えられることによって、より買手が手仕事の良さを実感できるところが高く評価された。

受賞対象一覧 | Good Design Award より
https://www.g-mark.org/award/describe/49925

 

KYOTO T5 の想い

KYOTO T5 は、京都の伝統工芸に光を当てます。

そんな言葉で始めてみましたが、伝統工芸って「守っていかないといけないもの」や「素晴らしいもの」、「価値のあるもの」など、そういった印象が薄っすらとあるだけで、それ以上は知らない、とても遠い存在になっている人が多いのではないでしょうか?

どうして素晴らしいはずのものなのに、今を生きている人たちには届きにくいのでしょうか?

私たちは、なんとなくのイメージだけで自分の中で世界を終わらせてしまうことがあります。

そこで KYOTO T5 では、京都に住んでいるからこそできるリサーチをはじめました。職人さんに実際に会って話を聞いたり、見せてもらったりしました。そうやって話を聞いてみると、実は、人々の生活に寄り添っていたことや、日本人だからこそ考えられたことがたくさんありました。自分たちと遠いなんてことは全くなくて、そこには、伝えていきたい理由がありました。

だから KYOTO T5 は、京都の伝統工芸に光を当てます。

見つけてきたことを、「伝統工芸だね。」では終わらせません。

今を生きる自分たちにとって新しいものだったからです。
そしてこの度、提案する商品は、 “TOCHU” と題しています。伝統工芸の “途中” です。

KYOTO T5 の活動を通して見てきたことを、できるだけそのまま届けてみたくて、このアイデアが誕生しました。


京都伝統文化イノベーション研究センター(KYOTO T5)
https://kyotot5.jp

Whole Love Kyoto
https://wholelovekyoto.jp/
 

  • 京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts

    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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