(メイン写真はDVD『尾上右近自主公演 第五回「研の會」』より)
歌舞伎役者の尾上右近さんが京都造形芸術大学瓜生山キャンパス内にある京都芸術劇場 春秋座で上演した自主公演「第五回 研の會」を収めたDVDが完成し、オンラインショップで販売されています。特典映像には右近さんが学内や春秋座を巡る“舞台裏”が収録され、公演に懸ける思いや京都公演限定グッズを制作した学生とトークしたりする様子を見ることができます。
「第五回 研の會」は2019年8月28、29日に春秋座で、9月1、2日に国立劇場小劇場で行われ、「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」と「酔奴(よいやっこ)」の2演目が披露されました。関西では初めてとなる自主公演に向けて「学生とコラボレーションしたい」という右近さんの思いを受け、情報デザイン学科イラストレーションコース3年生の相場葵さんと岩城有香さんが限定グッズの企画・提案に挑みました。
キャンパス内や春秋座での一連の映像は【特典映像2】「京都上陸!尾上右近が紹介する春秋座と東京公演 あのサプライズの裏側!?」(16分42秒)の前半約10分に収録。春秋座そばのギャルリ・オーブからスタートした映像では、右近さんが制作に励む学生たちの横を通りながら「春秋座はエネルギッシュな学生があふれかえっている大学内にある。歌舞伎に必要な設備を全て備えている素晴らしい劇場」と説明され、芸術監督を務める四代目市川猿之助さんが揮毫(きごう)した「春秋座」と書かれた扁額(へんがく)の下を通って劇場内へと進んでいきました。
春秋座ホワイエでは、特別展示としてお目見えした「右近の役者絵展」や、常設展示されている歴代澤瀉屋(おもだかや、市川猿之助一門の屋号)の押隈(おしぐま、歌舞伎俳優の顔面の隈取りを紙や布を当てて写し取ったもの)を一つずつ紹介し、「澤瀉屋の歴史を感じられる劇場で自分のルーツをたどる旅に出ようということで、弁天小僧を演じることにしました。今の自分をつくってくれている劇場と澤瀉屋のご縁を結ぶ公演にしようと考えました」と明かされました。
限定販売の公演グッズは、クリアファイル2点とサーモボトル、お猪口の計4種類。ポップが飾られたホワイエの売り場に映像が移動すると、相場さんと岩城さんが登場。2人はデザインに込めた思いをそれぞれ説明し、右近さんとの絶妙な掛け合いも見せています。グッズについて右近さんは「今までのグッズの中で一番格好良い。今の時代に受け入れられやすく、昔からのファンの方にも共感いただける。研の會に込めた僕の思いとリンクしている」と評されています。
「僕の熱量を上回る熱量で作品を作ってくれ、かけがえのない貴重な出会いだった。僕も2人に負けずに頑張りたい」。こう感想を述べられた右近さんに対し、2人は「すごいコラボレーションで、まだまだデザインしたい」と満足そうに話していました。
DVDはケイファクトリー公式オンラインショップで販売中(税込5,000円)です。魅力たっぷりの各演目はもちろんのこと、春秋座やコラボグッズに対する右近さんの思いに触れてみてはいかがでしょうか。
尾上右近自主公演 第五回「研の會」
2019年8、9月に開催した尾上右近自主公演「第五回 研の會」の各演目、特典映像を収録。
1:弁天娘女男白浪
浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで
2:猿翁十種の内 酔奴
3:音声特典映像/副音声
◆封入特典:はがき2枚
収録時間 | 本編109分+特典映像 |
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主催&制作 | 尾上右近事務所 萩森之一 |
DVD制作 | 尾上右近 |
編集 | 渡辺圭介 |
協力 | 松竹株式会社 |
価格 | 5,000円(税込) |
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