REPORT2019.10.03

京都舞台

学生がつくる京都公演限定グッズ-尾上右近 自主公演「第五回 研の會」

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  • 京都芸術大学 広報課

歌舞伎役者・尾上右近さんの自主公演「第五回 研の會」が、8月28日(水)・29日(木)に京都造形芸術大学のキャンパス内の京都芸術劇場 春秋座で行われました。

関西では初めてとなる同公演を本学の劇場で実施するにあたり、右近さんから「ぜひ、学生とコラボレーションしたい!」とお言葉をいただき京都公演限定グッズの制作プロジェクトがスタート。学生はコラボグッズの企画・提案に携わりました。同プロジェクトに挑戦したのは、情報デザイン学科イラストレーションコース3年生の相場葵さんと岩城有香さん。

(左から)岩城さん、相場さん

同公演の演目「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」と「酔奴(よいやっこ)」を事前に鑑賞し内容をリサーチ。刺青、竹馬、お酒……など、演目を象徴するモチーフからインスパイアされたデザイン案を商品企画に落とし込みます。演目の魅力を最大限に表現すべく、ラフデザインから検討を重ね具体的なデザイン案へブラッシュアップしていきます。

デザイン案の検討を重ねる
演目の魅力をラフスケッチに
右近さんへの1回目のプレゼンはオンライン会議
プレゼン後には、パソコン越しの右近さんと記念撮影

右近さんとの1回目のプレゼンテーションはオンライン会議で実施。デザインに込めた気持ちやアイテムの詳細を学生が説明しました。右近さんは別の公演でお忙しくされていましたが、直接のコミュニケーションを大切にしてくださり、学生も大感激の様子。会議では右近さんの公演に懸ける意気込みもお伺いし、親しみを感じながらも身の引き締まる想いで、公演を楽しく華やかに彩れるグッズ制作を成功させるぞ!と2人とも気合が入ったようでした。

2回目のプレゼンテーションでは、なんと右近さんとの対面が叶いました。右近さんを目の前に説明するのはとても緊張する瞬間でしたが、右近さんから「グッズの完成が待ち遠しい」とお墨付きのお言葉をいただき、公演本番へ向けて仕上げのラストスパートをかけます。

公演される春秋座の前で
公演演目「酔奴」にちなんで表情豊かに

いよいよ迎えた本番当日、グッズ制作をしてくれた相場さんと岩城さんも店頭に立ち、ご来場の皆さまにグッズの紹介をしました。学生が手掛けたグッズは、クリアファイル2種類、サーモボトル、お猪口の計4種類。店頭POPも併せて制作を行いグッズ販売を盛り上げました。

POPと共に店頭に商品がずらりと並ぶ
完成したグッズを手に嬉しそうな様子
来場者にコラボグッズを紹介する右近さん
右近さんの公式グッズ「ケン2カレー」も好評を博す

初日を迎え、多くのお客さまにお越しいただき、学生ともコラボレーショングッズも大盛況。
右近さんも直々に店頭に立っていただき、グッズの魅力を伝えてくださる様子が印象的でした。右近さんのファンの皆さまからもご好評いただき、店頭に立つ学生たちに温かいお言葉をいただきました。夢のようなひと時を過ごした学生たち、コラボグッズも2日間で完売という嬉しい結果と共に、充実したプロジェクトとなりました。

 

▼相場さんと岩城さんの感想を紹介します。

相場さん
「今回、研の會のグッズ制作を通して初めて歌舞伎の世界に触れました。この数か月間、右近さんをはじめ多くの方々とのやり取りを重ね、不慣れながらも精一杯プロジェクトに向き合いながら進めてきました。反省点もたくさんありますが、苦労した分得たものはヘビー級の大きさです!今回の経験を自分の中で消化するのには、まだ少し時間がかかりそうです。またひとつ、自分の中でクリアにすべきことがはっきりしました。20歳になりたての今、このプロジェクトはとても貴重な経験になりました。本当にありがとうございました。」

岩城さん
「今回、尾上右近さんの自主公演にグッズ制作という形で携わることができ、大変嬉しく思います。グッズのデザインから販売までを一通り経験させていただき、“対象は誰なのか、求められているものは何か”を意識しなければならないということを勉強しました。店頭で、お客さまから、“おもしろい!”“さすが!”という温かいお言葉を頂戴したり、SNSでグッズの写真を載せて紹介してくださったり、多くの方から反響をいただきました。デザインの力が必要とされているのだと再認識できる機会となり嬉しかったです。違う道とはいえ、芸術という同じジャンルで活躍されている右近さんとご一緒できたことで、私ももっと誰かを感動させたり喜ばせたりすることができるデザイナーになりたいと刺激を受けました。貴重な体験をありがとうございました!」

また今回の公演では学生グッズの他、公演記録撮影として、美術工芸学科 写真・映像コース2年生の岩崎そらさんと木ノ川夕嗣さんが参加しました。

(左から)岩崎さん、木ノ川さん

記録撮影として参加の二人は、「劇場が大学内にあるからこそできる貴重な機会に、実際の現場で見えてくる難しさや楽しさを体感しながら、多くのことを学ぶことができた」と話してくれました。

自主公演という大きな舞台にも関わらず、周りのことを一番に気にかけてくださる右近さんのお心遣いで、参加した学生も気負うことなく楽しみながら挑戦できる環境を創っていただきました。右近さんから感じ取った芸術に向き合うことの尊さを胸に、学生たちがこの経験をどのように今後の制作に繋げていくのかとても楽しみです。

 

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