2019年4月1日(月)から、京都の春の風物詩「都をどり」が南座で開演しました。
「都をどり」は祇園甲部歌舞練場の耐震対策に伴う一時閉鎖により、2017年から外部会場にて実施されています。2017年と2018年は、本学瓜生山キャンパス内にある京都芸術劇場「春秋座」にて「都をどりin春秋座」を開催。同年は本学での開催とあって、多数のウェルカムアートを設置するなど、芸大ならではのおもてなしでご来場のみなさんを華やかに出迎えました。またウルトラファクトリーで「都をどり」の舞台美術を制作したり、都をどりの情景を本学教員と学生がアニメーションで制作するなど、舞台演出にも参加しました。
◎2018年「都をどりin春秋座」: https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/351
2019年の公演は、一足先に耐震工事が完了した南座で67年ぶりに開催されます。
南座で開催される今年も、京都造形芸術大学は祇園甲部歌舞会と南座との連携をはかり、伝統芸能の発展に貢献します。京の春の風物詩を支え盛り上げる本学の3つの取り組みを紹介します。
「京都四條 南座 新開場記念 都をどり」一文字看板を制作
通常は職人の手により制作される一文字看板を、本学美術工芸学科 山本太郎准教授の主導のもと、16名の学生チームが制作を手掛けました。
学生の柔軟な発想により作り出されたデザインは、京都の伝統に少しの革新をもたらします。また、このデザインや色使いは、京都市の景観条例に沿ったもの。古都京都の街並みに溶け込むように考え抜かれています。また、同チームにより、祇園花見小路の都をどりアーチと雪洞(ぼんぼり)のデザインを手掛けました。祇園を行き交う人に春のおとずれを知らせます。
【一文字看板・デザインコンセプト】
「都をどり」の舞台へと向かう芸舞妓さんの後ろ姿を表現。”うなじ”の美しさと、凛とした佇まいを感じ取ってもらいたいです。(学生制作チーム)
伝統と新しさの融合。桟敷緞帳を制作。
2017年度から本学が「都をどり」の桟敷緞帳を手掛けて3年目の今年は、本学卒業生で友禅染職人の山元桂子さんと、本学美術工芸学科染織テキスタイルコースの学生6名が手掛けました。南座の劇場に設置される2枚の桟敷緞帳で「春夏」「秋冬」と季節の移ろいを表現。模様には「祇園小唄」より着想を得た月夜・鴨川の水・秋の草などの情景を取り入れました。伝統的な型友禅と柔らかな感性が織りなすデザインは、「都をどり」の伝統的な空間に少しのスパイスをもたらします。
また、南座館内で桟敷緞帳をもとにリデザインされた手ぬぐいを販売しています。桟敷緞帳と同じ型友禅で山元桂子さんが染め上げました。型友禅という手仕事の性質上、一色ずつ、染料が乾くのを待ちながら型紙を重ね染めていきます。手ぬぐい一枚一枚で色柄の配置や構成をかえているので「春夏」「秋冬」のどちらのシリーズも同じデザインは二つとありません。パッケージを開けて、手ぬぐいを広げた瞬間に、世界に一つだけの物語を感じてもらえる作品です。
【桟敷緞帳・デザイン コンセプト】
「都をどり」の伝統的な華やかさと、現代の「京都らしさ」を融合したデザイン。伝統的な型友禅の技法を用いて、全て手作業で染め上げました。芸術を学ぶ学生ならではの柔軟な発想がデザインの細部に活かされています。(山元桂子)
学生考案の「都をどりみやげ」を南座館内で販売。
2017年より3年連続で続く取り組みの一つ。観劇の感動を自宅まで持ち帰れるよう学生が考案した4種類の「都をどりみやげ」を販売しています。
平成世代が盛り上げる「都をどり」は今月27日(土)まで南座にて開催。本学の取り組みとともに、京都の伝統にぜひご注目ください。
(撮影:大河原 光)
「京都四條 南座 新開場記 都をどり」
チケット好評発売中。詳細は祇園甲部歌舞会まで。
期間 | 4月1日(月)~4月27日(土) |
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会場 | 南座(京都市東山区四条大橋東詰) |
お問合せ先 | 祇園甲部歌舞会 【TEL】075-541-3391 |
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