REPORT2018.12.06

アート

「船乗り猫」の物語― ヤノベケンジ教授 SHIP’S CAT NEXT プロジェクト

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  • 京都造形芸術大学 広報室

京都造形芸術大学の学内共通工房ウルトラファクトリーで行われるプロジェクト型実践演習「ウルトラプロジェクト」では、第一線で活躍するアーティストやクリエイターが学生とともに作品を制作し、国内外で作品を発表をしています。

現代美術作家の本学美術工芸学科ヤノベケンジ教授が主導する「ヤノベケンジ SHIP’S CAT NEXT」プロジェクトもその一つ。2017年から各地で発表されている《SHIP’S CAT》シリーズの作品は、大航海時代に「旅の守り神」として世界中を旅してきた猫がモチーフで、未来ある若者の旅を後押しする「出発」「希望」「誕生」といった意味が込められています。本シリーズの作品の多くはホステルのエントランスなどに恒久設置され、毎日多くの旅人を出迎え、そして新たな旅に送り出しています。

《SHIP'S CAT》福岡県福岡市のホステル「WeBaseHAKATA」に設置
《SHIP'S CAT(Harbor)》神奈川県鎌倉市のホステル「WeBaseKAMAKURA」に設置

2018年度の本プロジェクトでは、《SHIP’S CAT》シリーズの次なる展開を見せました。今年8月、「旅する猫」は日本とフランスを結ぶためフランス・パリへ出発。

フランス・パリ市のルーヴル美術館に隣接する「カルーゼル・デュ・ルーヴル」で、8月22日から28日までヤノベ教授と和紙作家の堀木エリ子氏の展覧会「SHIP’S CAT展」が開催されました。日仏友好160周年を記念しておこなわれた「ジャポニスム2018」の参加企画でもある本展覧会で、《SHIP’S CAT》シリーズの新たな作品として、約3mの巨大彫刻《SHIP’S CAT Totem 》をはじめとする《SHIP’S CAT (Thinker)》、《SHIP’S CAT (Sleeper)》、《Picture scroll of SHIP’S CAT》の4作を発表。これらの作品は堀木氏との共作で、本プロジェクトに参加する学生とともに学内工房ウルトラファクトリーで制作したものです。

本展覧会では上記4作とともに、ヤノベ教授の作品2点と堀木氏の作品3点の合計9点が展示。会期中に23,000人以上の方が来場するなど、フランスの方のみならず世界各国の方に日本のアートをご覧いただきました。

◎今年7月に行われた「SHIP’S CAT展」記者発表の様子はこちらから: https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/409

【中央】ヤノベ教授・堀木氏の共作《SHIP'S CAT(Totem)》、堀木氏の作品《陽光(YOUKOU)》
ヤノベ教授・堀木氏の共作《Picture scroll of SHIP’S CAT》

新作のうち《SHIP’S CAT (Totem)》と《Picture scroll of SHIP’S CAT》は、パリへの旅を終え、生まれ故郷の京都に凱旋。今年10月にオープンしたホステル「WeBaseKYOTO」に恒久設置されました。

その後も本プロジェクトの勢いは衰えることなく、「旅する猫」の舞台は四国へと移ります。今年11月、高知県高松市にて新しい作品《SHIP’S CAT (Returns)》が市民のみなさんにお披露目されました。本作品も学生とともに制作されたもので、高松市内のホステル「WeBaseTAKAMATSU」のシンボルとして設置。11月23日(金)には除幕式が執り行われました。制作に携わった学生たちは、授業のため残念ながら除幕式への参加は叶いませんでしたが、後日ヤノベ教授とともに作品の様子を見学するため高松へ。

 

作品と記念撮影をするヤノベケンジ教授とプロジェクトメンバーの様子。(特別に許可をいただき設置場所に入らせていただきました。)

本プロジェクト参加者の多くは1年生で立体作品の制作の未経験者でしたが、《SHIP’S CAT》シリーズの制作や、プロジェクトの一環として昨年度から継続して行われている「ヤノベケンジ FUTURE CAR プロジェクト」での電気自動車のボディ制作をとおして、樹脂加工やステンレス加工など多くの技術を身につけました。この《SHIP’S CAT (Returns)》はプロジェクトの総仕上げともいえる作品。学生は自らの技術に磨きをかけるだけでなく、ホステルの象徴として末永く愛されていく作品の制作に携わるという貴重な経験をすることができました。

学内工房「ウルトラファクトリー」の樹脂作業スペースで行われた制作。
ステンレスを加工し、作品の表面に取り付ける作業も全員で行う。

本作品が設置される高松市では、2019年2月に本学美術工芸学科やなぎみわ教授の個展の開催が予定されていたり、同年4月に開催される「瀬戸内国際芸術祭2019」の各展示会場への出発拠点となる高松港を有するなど、芸術を通して盛り上がりを見せています。お近くにお越しの際は、ぜひ《SHIP’S CAT (Returns)》に会いにいらしてください。

ホステルのシンボルとして、街を見守る《SHIP’S CAT (Returns)》
◎コミュニティホステル「WeBase」の詳細はこちらから:http://we-base.jp/

 

  • 京都造形芸術大学 広報室Office of Public Relations, Kyoto University of Art and Design

    所在地: 京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館2階事務室
    連絡先: 075-791-9112 (内線 3030/3033)
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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