REPORT2018.06.18

舞台

猫の世界へ誘い込む ―『キャッツ』プロジェクト/ 学生レポート#2

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  • 京都造形芸術大学 広報室

瓜生通信WEBマガジンでは、学内工房ウルトラファクトリーで製作が進む、『キャッツ』プロジェクトに参加している学生のレポートを紹介しています。

「猫からの目線」をコンセプトとして、通常の約3倍サイズで製作されるゴミのオブジェ。学生の作品は、今年8月より開幕する『キャッツ』東京公演の劇場「キャッツ・シアター」に実際に飾られ、多くの観客を迎えます。

2018年3月から、22名の学生が小型・中型ゴミのオブジェを製作。4月からは、その内12名の学生が大型ゴミのオブジェ製作に挑戦しています。

今回のレポーターは、情報デザイン学科 4年生の横山葵さん。製作現場の様子や、作業への意気込み、戸惑いなど、それぞれの学生の挑戦にご注目ください。

 

『キャッツ』の魔法に魅せられて。ゴミのオブジェで猫の世界へ。

― 情報デザイン学科 イラストレーションコース 4年生:横山 葵

【製作物】
小型ゴミ:着火ライター
中型ゴミ:アラジンストーブ(主に本体の削り出し作業と着火部分の製作を担当)
大型ゴミ:オートバイ(後輪・前輪製作を担当)

 

劇団四季ミュージカル『キャッツ』を初めて観た時の感動は忘れられません。音響、照明、衣裳、演出、そして舞台美術、全てに魅了されました。その中でも一番印象的だったのが、劇場のそこかしこに飾られているゴミのオブジェ。劇場に入った瞬間に、『キャッツ』の世界へ吸い込まれたかのような感覚を、今でも鮮明に覚えています。観客を現実世界から連れ出し、ドキドキ、ワクワクさせる事ができる舞台の仕事に、次第に興味を持つようになりました。

京都造形芸術大学と劇団四季がコラボレーションし、プロジェクトを発足すると知った時、「在学中にこのプロジェクトにめぐり合えたのは奇跡。逃すと一生後悔する!」と参加を決意。もちろん、4年生となり就職活動をひかえた時期だったので不安もありましたが、チャンスを逃すまいと覚悟を決めました。そのため選考に合格し、参加が決まった時には、言葉にならない喜びを感じると同時に、「良いモノをつくろう」と改めて強くおもいました。

 

着火ライター(赤色:横山さん作成)
(左)横山さん担当のアラジンストーブ(全長:約1.7m)

私は情報デザイン学科に在籍しており、普段はパソコンを使い、グラフィックデザインやアニメーションなどの作品を制作しています。以前に別のプロジェクトへの参加経験があり、チームでの作品制作を行ったことがあるものの、『キャッツ』プロジェクトでの製作は、使用する素材や技法が以前のプロジェクトとはまるで違い、私にとって全てが初めての経験。小型・中型ゴミのオブジェ製作がスタートしたときは、上手くできるのか不安で仕方がありませんでした。

そんな私の不安を吹き飛ばしてくれたのが、劇団四季の小道具スタッフのみなさん。私たち学生、一人ひとりに合った細やかなアドバイスをくださいました。特に印象深いのは「汚し作業」へのアドバイス。ゴミのオブジェ製作では、成形後に作品をいったん新品に見えるように塗装を施し、そこから「ゴミ」に見せるため「汚し」のペイント作業を行います。同じ汚し作業でも、使用している素材やパーツによって、汚し方を変えていかなければならないということを教えていただきました。「なぜ汚れたのか、いつ汚れたのか」を想像しながらの作業。実際に近い汚れがないかインターネットで探し、イメージを膨らませました。

しかし、イメージが固まり、実際に「汚し」のペイントを施しても思うように汚れを表現できない。行き詰まったときにも、四季スタッフの方からアドバイスをいただきます。それを元に実践してみると、自分でも驚くほどクオリティがあがります。プロの技を肌で感じた瞬間です。

ゴミのオブジェ製作は、実物の観察・採寸からスタート
「オートバイ」タイヤ部分を丁寧に切り出し

現在は、12名の学生が1つのチームとなり、全長約4.5mの大型ゴミのオブジェ「オートバイ」の製作に取り組んでいます。

オートバイの製作が決定した時は、「こんな大きなものを本当に製作できるの?」という驚きと不安、そして大作に挑戦できる喜びなど、さまざまな感情が入り混じっていました。製作作業は、見本として準備していただいた本物のバイクの寸法を測るところからスタート。サイズを計測し、3倍にして図面を作成し、材料を切り出し・・・小型・中型ゴミのオブジェ製作とは全く違うサイズ感への戸惑いと、部品の多さと造りの複雑さに、想像をはるかに超えた難しさを感じました。

タイヤのスポーク部分は、正確さが求められる作業
スポーク部分が仕上がると、よりリアルなタイヤに

オートバイの製作で、私が主に担当しているのは、前輪・後輪のタイヤ部分。特に力を入れたのが、タイヤのスポークホール部分(タイヤ中央のハリガネ部分)です。ここは、他のパーツ以上に仕組みが複雑で、実物のバイクをじっくり観察しながら、ハリガネの接続部分の位置合わせを慎重に行いました。「どのようにすれば均等に並べることができ、既製品のようにきれいにみえるのか」と試行錯誤の繰り返し。やっとの思いで後輪部分の製作が完了したとき、周りにいた他の学生から褒めてもらい、達成感を感じることができました。作業はこれからも続きますが、妥協することなくクオリティを追及していきたいです。

 

  • 京都造形芸術大学 広報室Office of Public Relations, Kyoto University of Art and Design

    所在地: 京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館2階事務室
    連絡先: 075-791-9112 (内線 3030/3033)
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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