3月16日(金)、白川通りに面した瓜生山キャンパスの象徴ともいえる大階段に、新たなモニュメント「風の舞台」が完成しました。
瓜生山キャンパスは東山三十六峰のひとつ「瓜生山」に位置しており、学生たちの間でも日没時に大階段から観ることのできる鮮烈なまでの夕焼けは高い人気を誇っていました。今回完成した「風の舞台」は、そんな大階段からの夕焼けをより印象的に眺められるスポット。学生はもちろん、一般の方でも自由に利用することが可能です。
「風の舞台」のデザインを担当したのは、京都造形芸術大学 環境デザイン学科の城戸崎和佐教授。6.4m×7.3mの床は、 黒に近いグレーに塗装したスチール製のアーチ4本によって支えられています。 このアーチは、 パリのセーヌ川にかかる37の橋のなかで、 最も美しいとされるPont des Arts(ポンデザール=芸術橋)の橋脚のデザインを現代の技術で置き換えたもの。 レーザーカットされた鉄板によるシームレスな美しいデザインとなっており、 本来は薄くて座屈しやすい鉄板を2枚1組とすることで強度を高めています。 また、 支点を階段の上部と中間の2点とすることで、先端に支柱のない軽やかな構造が実現しました。
「風の舞台」のデザインは、 Pont des Artsの「芸術橋」と学園歌「59段の架け橋」という本学園にふさわしい由来を持ち、 ここに集う学生たちの青春の舞台であると同時に、 未来への橋であることを表現しています。
瓜生山学園には京都造形芸術大学の通学部の学生だけでなく、こども芸術大学に通う子どもたちや通信教育部、 京都芸術デザイン専門学校の学生、 京都文化日本語学校の留学生まで、 あらゆる世代の多様な学生たちが集まってきています。「 風の舞台」は、 京都の街を見晴らす眺めの良い憩いの場であるだけでなく、 屋外教室や発表の場として、また、 恋や友情、 未来を語る場など、 様々な用途で学生の日常に寄り添う場所となっていくことでしょう。
また、今回の「風の舞台」完成に伴い、人間館の回廊を「風の回廊」と命名。尾池和夫学長のコラム「瓜生山歳時記」でも紹介された大階段に設置されている彫刻家・武藤順九氏の作品、「風の環」とあわせて、京都造形芸術大学を象徴する「風」の名を冠した3つのスポットが生まれたことになります。
初お披露目となった3月17日(土)の卒業式では、多くの卒業生が名残惜しそうに瓜生山からの眺めを楽しんでいました。もちろん卒業後も「風の舞台」からの眺めを楽しんでもらうことはできますので、ぜひ卒業生のみなさまも折にふれてなつかしい瓜生山からの眺めを鑑賞しにキャンパスに戻ってきてもらえれば幸いです。
新たに生まれたモニュメント「風の舞台」。たくさんの方々にご利用いただき、愛される場所に育っていくことを期待しています。
設計監理
建築:城戸崎和佐建築設計事務所 規模・構造
構造:満田衛資構造計画研究所
施工
タカショウ建設株式会社
規模・構造
面積:46.7㎡
構造:鉄骨造(レーザーカット切出し加工)、
デッキ床材
手摺:スチール、 強化合わせガラス
[メインカット:2018年3月17日(土)撮影/モデル 藤井桜子さん(2017年度 情報デザイン学科卒業生)]
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