2026年度京都芸術大学優秀学生賞授賞式が執り行われました。
3年生までの成績、研究・制作活動、課外活動、学生生活などを厳正に審査し、特に秀でた4年生に対して『優秀学生賞』が授与されます。今年度は、65人の学生が受賞しました。
6月12日(金)、授賞式当日、会場となった本学人間館1階ギャルリ・オーブに、受賞者の学生とともに、各学科の教職員や関係者が集いました。ギャルリ・オーブの入り口には、各受賞学生の今までの活動の紹介パネルの展示も。


今回は、優秀学生賞授賞式の様子をレポート、そして、受賞した学生の声をお届けします。
入学から3年間積み重ねた努力

授賞式は、学生部長の芸術教養センター 岸本栄嗣先生の祝いの言葉から始まりました。
岸本先生は、受賞へのお祝いの言葉とともに、今まで積み重ねてきた学生たちの努力を労いました。

岸本先生「入学当時、なかには希望通りの進路ではない大学生活の始まりに不安を覚えた人もいるかもしれません。そして、大学で学んでいくなかで、思い通りにならないことがあったり、他人をうらやましく思い、投げやりになったこともあったかもしれません。それでも、みなさんが入学してからの3年間は、真剣に日々の生活や学習、制作、研究に向き合ってきたものだと思います。今回の受賞の根底には、そんな積み重ねがあるはずです。だからこそ、この優秀学生賞の受賞には価値があると思います」
そして、これからの学生たちの活躍への応援の言葉を贈り、次のようにお祝いの言葉を締めくくりました。
岸本先生「これから取り組む学習や制作、特に卒業制作では、それぞれに大きな壁が立ちはだかることがあるかもしれません。それでも、胸を張って思い切り、制作に取り組んでいただきたいと期待しています」
続いて、荒川朱美副学長から各学科の代表者へ表彰状の授与が行われました。入学から今日までの3年間の学生たちの努力が盛大な拍手とともに祝われました。


賞状の授与に続き、荒川副学長からも、優秀学生たちへのお祝いの言葉が贈られました。
荒川副学長「優秀学生賞の受賞は、みなさんの3年間の努力の積み重ねが結実したということだと思います。4年生のみなさんにとって、この6月で、大学生活4年間のうち16分の13を過ごしたことになります。この受賞を励みに、残りの学生生活も頑張っていただきたいです」
荒川副学長は、優秀学生賞は、持久力が求められるマラソンのようであるとして、次のように学生にエールを送りました。

荒川副学長「持続的に学業、制作に取り組み、そのなかで、様々なドラマが繰り広げられたと思います。今までもそうであったように、みなさんの周りには、クラスメイト、先生、職員のみなさんという仲間がいます。学び、制作のなかで困ったら、ぜひ、周りの仲間に助けを求めてください。互いに助け合い、支え合いながら、頑張っていってください。そして、ぜひ、卒業制作では素晴らしいものを作ってほしいと思っています。」

岸本先生、荒川副学長の言葉とともに、3年間の学生たちの努力を振り返り、互いにたたえ合う拍手とともに、授賞式が閉会。授賞式閉会後には、各学科の学生たちと教員の記念撮影の時間が設けられました。
各々の紹介パネルの前で、表彰状片手に、学生と関係の深い教員との写真撮影がされるなど、会場は祝福ムードに包まれました。


培った努力を糧に、新たな一歩を踏み出す

優秀学生賞を受賞した学生は今年の4月から4年生に進級した学生たち。これから卒業までの数か月は、卒業制作や就職活動など、学生生活のラストスパートを駆け抜ける学生ばかりです。
今回は受賞者の中から、井上広叡さん(クロステックデザインコース|4年生)、鈴木万葉さん(クリエイティブ・ライティングコース|4年生)、武井摩耶さん(クリエイティブ・ライティングコース|4年生)、に、今までの学びや活動、そしてこれからの目標について話を伺いました。
クロステックデザインコースの井上さんは、ビジネス、テクノロジー、そしてクリエイティブという三分野を横断的に日々、学ぶなかでより専門的な知識は、学外での学びなど、独学で取り入れる知識や技術を交えながら、自身の専門分野を深掘りしていったのだそう。

井上さん「学科での学びと並行して『文字』と『インターフェイス』に特に力を入れて取り組みました。学科内の授業とともに、教養科目、そして、長期インターンシップなどの学外の活動にも取り組みました」
卒業制作、そして、卒業後のキャリアにも、今まで取り入れ、身につけた学びを活かしていくことを目標にしているのだそうです。

井上さん「卒業制作では、やはり『文字』と『インターフェース』を扱い研究し、制作を進めていこうと考えています。卒業後も、デザイナーとして、文字に対しての理解を活かすとともに、美大教育ならではの、物質的な『実体のあるものを作る』という経験も自分の強みとして、キャリアに役立ていきたいと思います」

入学からの学内、学外での学びを活かした、井上さんのこれからの活躍に期待するばかりです。
クリエイティブ・ライティングコースの鈴木さん、武井さんは、日々、「ことばのプロ」を目指しながら、小説、ノンフィクションの執筆に取り組んでいます。

鈴木さんは、「読者への意識」に重きを置いて、小説を執筆してきたのだそう。
鈴木さん「私は、普段小説を執筆するうえで、『読者の顔を考えて届ける』ことを意識してきました。自分の生み出す言葉が、同時に相手に届く言葉となるなかで、その言葉にいかにオリジナリティを持たせられるのか、個性を消すことなく届けられるのか。その境界を考えながら制作してきました」
鈴木さんは、主にエンタメ小説、ライトノベルの執筆に取り組んできました。卒業制作では、一般文芸に挑戦するそうです。
鈴木さん「一般文芸は、今まで執筆してきたライトノベルに比べ、読者がより広く存在する分野なので、今まで以上に『届ける』という意識を強く持ちたいと思っています。卒業後も、どんな媒体であっても『言葉を届ける』ということは変わらないので、読者への意識を持ち、執筆を継続していきたいです」
続いて、同じコースで「届ける言葉」を模索する仲間でありながら、鈴木さんとはまた異なるアプローチで「言葉の力」を信じ、現実の世界と実直に向き合い続けてきた学生もいます。
武井さんは、2年生からノンフィクションに取り組んできました。自身の制作での信念に基づき、今までの活動を振り返ってもらいました。

武井さん「入学前から『人、物、事、場所』の魅力を自ら足を運び、発掘して言葉で鮮明に描くことを目標にしてきました。今までの作品を振り返ると、日常の何気ないことを見逃さず、ひとつの瞬間として、書くことができたと思います。
卒業制作では、新たに、オートフィクションにチャレンジするのだそう。
武井さん「実際にあった出来事をフィクション作品にするオートフィクションの執筆に卒業制作で取り組みます。現実を自分の目線で切り取るノンフィクションで今まで培った技術や視点に加え、物語を生み出していく中で、物語的な盛り上がりを作る『構成』や、登場人物のキャラクターの作り込み、そして、彼らの発する言葉である『台詞』を考えるという新たな課題も出てきました。ただ、この挑戦は、今までの私の学びの集大成ともいえるので、最善を尽くして、自分だけでなく、読者にとっても意味のあるものを書きたいと思っています」
鈴木さん、武井さん、それぞれの創作へ向き合った3年間の積み重ねが卒業制作、そしてこれからの執筆活動への意欲にも見受けられました。
優秀学生賞を受賞した学生ひとりひとりの3年間の取り組みは、ギャルリ・オーブにパネル展示されたました。パネルの前では、笑顔を浮かべる学生たちと、それを我がことのように喜ぶ各学科の教職員の姿が見受けられました。
卒業までの数か月、この日、仲間や恩師と分かちあった熱量を胸によりご活躍されることを願っています! 受賞された学生のみなさん、おめでとうございます!
(文=愛知はな、撮影=Oto Hanada、※写真=学科から提供)
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