COLUMN2025.01.07

文芸教育

【ボーっと部。in 円山公園】公園に残る足跡――文芸表現学科の学生が届ける瓜生通信

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  • 京都芸術大学 広報課

「ボーっと部。」とは

「ボーっと部。」とは、散歩が好きな京都芸術大学文芸表現学科の学生5人が集まってできたグループです。主に制作に息詰まったときにアイディアを探しに、ボーっと探索に出かけています。

同じ場所に立ち寄っても、それぞれ見る視点が違う!そんな芸大生らしい、フィールドワークを、【ボーっと部。】では取り上げていきます。
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【ボーっと部。in 円山公園】秋めく公園で、香りを探してボーっと散策!!――文芸表現学科の学生が届ける瓜生通信

【ボーっと部。in 円山公園】 自然の色に魅せられて――文芸表現学科の学生が届ける瓜生通信

 

ちょこっと自己紹介

小学生の頃、昼休みはグラウンドで遊ばず、教室で自由帳にポエム(詩)をひたすら書くという毎日を送っていました。
その生活は今も変わらず、文芸表現学科に興味を持ったのも、「詩をもっと深めたい」「言葉のエキスパートになりたい」そんな思いからでした。今は、小説、ノンフィクションなど、色々な言葉の表現方法を学び実践しながら、詩の作品制作にも取り組んでいます。詩は、1番ありのままの「私」を受け止めてくれる、生きていくための相棒のようなものです。

公園の記憶

今回、ボーッとしに行った先は、京都東山にある円山公園。

京都河原町から徒歩およそ15分。京都にある神社の中でも歴史が古く、重要とされている22社の1社である八坂神社が正面で迎えてくれます。

年間を通して、様々な季節の植物が開花し、日々多くの人が訪れます。

早速ですが、みなさんは公園で過ごした時間のことを覚えていますか?

私は、息を切らして鬼ごっこをしたことや、力みながらシーソーに乗ったこと、泣きながらブランコに乗り風になぐさめてもらったこと、たくさんの思い出があります。

甘くて苦いような思い出でも、今となってはちょっと懐かしくて、戻りたくなるときも…。

今すぐに、思い出せない人も大丈夫!!

よければ、思い出の足跡を一緒に探しに行きませんか?

池をちらり

到着するなり私たちを迎えてくれたこの池。水面に反射する木々に見惚れていたら、口が半開きでした。
大きな池のなかには、色とりどりの鯉や鴨たちが生き生きと暮らしていて、観光客の方々が身を乗り出して池を見ていました。その気持ちすごく分かる。生き物がいる池は、テンションが上がりますよね。なにもいなかったときの寂しさたるや、言い表せない…。

秘密基地みたいな藤棚

少し山側へ進むと、現れた緑の藤棚。藤の花の見頃は、だいたい4月末から5月上旬と言われています。でもこの緑の藤棚、なんだか秘密基地に見えてワクワクしませんか?

この藤棚の下に入った瞬間、秘密基地やツリーハウスを作るために、友達と必死に木の枝を集めていたことを思い出しました。私が太い枝を見つけたときには友達に英雄と呼ばれ、友達が太い枝を見つけたときには友達を英雄と呼ぶという、謎の掛け合いをしていましたね。
自然に対するワクワク感は、大人になって忘れてしまいがち。あの頃のように、無邪気にはしゃぎたい大人の方!ぜひ、藤棚の下で過ごしてみてはいかがでしょうか。

自然のなかへ冒険

藤棚からもう少し足を進めると、辺りはもう木々に囲まれ自然のなかへ。
好奇心が止められず、上らずにはいられないこの階段。颯爽に登っていきたかったのですが、大人になってしまった心が、好奇心を恥ずかしがってしまって、一歩を踏み出すことができませんでした。無念。
みなさんもこの階段を見つけたときには、半袖、半ズボン、運動靴を履いた少年少女だと思い込んで、駆け上がってください。私も、次回は必ず上りきってみせます。

階段を上ることはできませんでしたが、上を見上げるとこんな絶景が…。
秘密基地に憧れた幼い頃、見上げるといつもこんな景色が広がっていたような気がします。もみじの本番は紅く染まってからだと思うかもしれませんが、
緑の時期にしか味わえない、新鮮でシャキッとしている空気が漂っていて、深呼吸を何度も繰り返してしまいました。今年も、綺麗な紅に染まれますように。

 


おかえり、からす。

自然のなかを満喫していると、だんだん日が暮れてきました。
それに気づけたのは、群れのからすが、山への帰路についていたから。からすの声が聞こえて、急いで家に帰ったあの日のことを思い出しました。からす、その節はありがとう。

黄金色に染まったススキの穂。暮れていく太陽の光に照らされ、さらに輝いて見えました。ススキがゆらゆらゆれていると、ついつい、ゆらゆらと身体を動かしたくなりますね。

見守ってくれている木

そろそろ、帰ろうか。
そう思っていたとき、妙に目を奪われる木の幹に出会いました。断裁された木の幹の先は、どんな形をしていたのだろう。少し同情するような気持ちを抱きながら、木に近寄りました。近寄ると新芽がでていました。

 

「公園の記憶や、人々が残した足跡、全部知っているよ」そう言っているようで、この木の幹で詩を書きたいと思いました。


どこかで生きる私より


「変わらないで」
って言わないで

歳をとれば
形だって
感覚だって
口癖だって
だれだって
変わるものなのよ

歳をとらずとも
好みだって
悩みだって
答えだって
痛みだって
だれだって
変わってって
でも、いつだって
私は私を生きている

「変わりながら生きるのよ」


公園は、私たちの足跡をたくさん記録してくれています。もちろん昔の思い出だけではなく、これから作る思い出も。
ぜひ、定期的に公園を訪れてみてはいかがでしょうか?
この記事が、みなさんの公園の記憶を思い出せる手助けになっていたら、嬉しいです。

京都芸術大学 文芸表現学科 社会実装科目「文芸と社会II」は、学生が視て経験した活動や作品をWebマガジン「瓜生通信」に大学広報記事として執筆するエディター・ライターの授業です。
本授業を受講した学生による記事を「文芸表現学科の学生が届ける瓜生通信」と題し、みなさまにお届けします。
(構成・執筆:文芸表現学科2年<執筆当時> 井野あまね)

 

 

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