REPORT2024.01.15

デザイン

学生のデザインが京阪百貨店を彩る! — キャラクターデザイン学科 社会実装プロジェクト2023「こころをつなぐ・つながるクリスマス」

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  • 上村 裕香

暖かそうなお家のクリスマスツリーを中心に、人が集まり、心をつなげていく——。
キャラクターデザイン学科 3年生の作田茜さんが制作したビジュアルが、京阪百貨店の2023年クリスマスシーズンのメインビジュアルに登場。11月9日(木)から12月25日(月)まで、京阪百貨店守口店ほか各店舗にて館内を彩りました。

京阪百貨店と本学 キャラクターデザイン学科の協働制作で、京阪百貨店のクリスマスメインビジュアル、館内装飾などのデザインを行う社会実装プロジェクトは、昨年に引き続き今年で2年目。社会実装プロジェクトとは、京都芸術大学が展開する、アートやデザインの力を活かして企業や自治体の抱える課題に取り組むプロジェクトです。
今回は、デザインを担当した作田さんと、担当教員のキャラクターデザイン学科 太木裕子准教授に制作の過程やデザインにこめた思いを伺いました。

「心をつなぐ」をテーマにデザイン

京阪百貨店にはそれぞれのデザインが掲示されていました

本プロジェクトにはキャラクターデザイン学科の2・3年生16名が参加。デザインのプレゼンテーションやコンペティション、企業の方とやりとりをしながらのブラッシュアップを経て、メインビジュアルやショッピングバッグ、キャンペーンノベルティの靴下のデザインなどを行いました。

プロジェクトがはじまったのは昨年7月の初頭。まずは、京阪百貨店の担当者の方から、前年度のプロジェクトの振り返りや、今年度のテーマ、どのようなデザインを求めているかなどのお話を伺うオリエンテーションが開かれました。
2023年のテーマは「こころをつなぐ・つながるクリスマス」。距離を置くことが求められたwithコロナを経て、再び顔を合わせて出逢えることが叶う今年のクリスマス。人と人との繋がりで心温まるクリスマスを届けたい、という思いがこめられています。

今年のテーマを受け取った学生たちは、さっそくデザインのラフ案をつくります。「心をつなぐ」というテーマをどのように解釈するか考えながらラフ案を描き、太木先生からのフィードバックを受けて、プレゼンテーションに向けて仕上げていきました。

教室の中だけでは知り得ないことを

翌月、参加した学生15名から作品が出揃うと、それぞれの学生が、そのビジュアルを制作するに至ったコンセプトや、ビジュアルの展開などを京阪百貨店の担当者にプレゼンしました。

選考作品

MOON GYEONGBAE
絹川耀子
木村玲那
KWON Seojin
サイトウリン 横文字
サイトウリン 縦文字
作田茜
梅崎紗綾 A
梅崎紗綾 B
柴原章帆
大西優花
小田陽菜実
金谷萌愛
吉良明音
鈴木祥子
堀口菜々子
梁川未結

見事、コンペを勝ち抜き、今回のメインビジュアルを担当した作田さんは、デザインにこめた思いを「クリスマスシーズンのワクワクした雰囲気を家族や友人と共有してほしいと思って、デザインしました。イラストのキャラクターたちがクリスマスツリーを一緒に飾りつけするという構図にすることで、『クリスマスってみんなで作り上げていくものなんだ』ということをビジュアルで表現しました」と語りました。

コンペにおいて、作田さんのデザインは、老若男女から愛されるデザインのかわいらしさや、装飾の展開のしやすさが評価されたそうです。作田さん自身も、デザインをするときには、「どんな展開にも対応できるように」ということを意識して制作しました。
実際に、今回はメインビジュアルだけでなくショッピングバッグや、タビオ株式会社とのコラボレーションで制作したノベルティの靴下などのデザインも、作田さんが担当しました。

企業とやりとりしながらデザインをブラッシュアップしていった作田さん。社会実装プロジェクトならではの貴重な経験を得られた一方、苦労もあったといいます。
「期限がしっかりと決まっていて、タイトなスケジュールの中で修正をしていく必要があったので、そこは大変でした。企業さんとお仕事をする上では、締切の面でもシビアになるんだなと、勉強になりました。デザインをブラッシュアップしていく過程では、『背景の木を針葉樹っぽくして、クリスマスツリーのシルエットに近づけてほしい』というご指摘をいただいたり、ロゴの大きさや、細かい色味の調整についてご意見をいただいたりしました」

ショッピングバッグとノベルティの靴下

靴下のデザインを考える際には、奈良の靴下工場に見学に行き、タビオ株式会社のデザイナーと現地で打ち合わせを重ねるなど、試行錯誤を繰り返したといいます。
見学にも同行した太木先生は、プロジェクトの学生への関わり方や、社会実装プロジェクトだからこそ得られる経験について、次のように語ります。
「学生が企業さんとやりとりをする段階では、基本的にはわたしはあまり口を出さないようにしています。メールのやりとりひとつとっても、もちろんその都度確認はしていますが、企業さんのお力を借りて成長する機会だと思っていますので、あまり重要なこと以外は口出しをせず、本人のやり取りに任せています。靴下工場に見学に行かせていただいたり、タビオ株式会社のデザイナーさんとの打ち合わせで『どんな素材にしたら、自分のデザインが商品としてどう仕上がってくるのか』というのを教えていただいたりして、これは社会実装プロジェクトならではの経験だと思うんですね。プロジェクトはスケジュール面ではタイトなんですが、企業の方はみなさんすごく優しく『もっとやったらいいよ』と学生の自主性を尊重してくださるので、教室の中だけでは知り得ないことを学生が知る貴重な機会になったのではないかと思います」

デザインの展開の可能性

太木先生とプロジェクトメンバーで見学へ

京阪百貨店で作田さんのメインビジュアルを使った店内装飾が展開された際には、今回のプロジェクトのメンバーで見学に行きました。平面でのデザインがディスプレイにどう展開されているか、靴下などのグッズにどのように反映されているかを、自分の目で確かめるのも社会実装。

作田さんは「わたしは3回行きました! デザインが採用されたことを、家族や親戚がすごく喜んでくれて。1回目は母と、2回目はプロジェクトのメンバーで、3回目は親戚がわざわざ遠方からきてくれて、ノベルティの配布期間に伺いました。ディスプレイを実際に拝見したときは、もう本当にすごいとしか言えなかったですね。物量もありますし、展開の仕方も多様で驚きました」と顔をほころばせます。

ディスプレイの前で記念撮影

キャラクターデザイン学科で取り組んだ、京阪百貨店のクリスマスのメインビジュアル制作。京阪百貨店を訪れるいろいろな方にデザインを見ていただける貴重な機会となりました。作田さんは、今回の経験を今後の制作に活かしていきたいと語りました。

「デザインの展開のひとつに、おもちゃ売り場のフロアにメインビジュアルで描いたキャラクターのステッカーを貼るものがあったんです。キャラクターの数を数えてみよう、という誘導で、お子さんも百貨店を楽しめる企画ですね。『自分のデザインがこんな形にもなるんだな』というのが、驚きでした。これから制作する上で、ただデザインするだけじゃなく、なにか次の企画やグッズなどに発展していけるようなデザインというのを頭に入れておくと、デザインの幅も広がるのかなと感じました。デザインの展開の可能性を勉強させていただき、デザインに対する見識が深まりました」

 

(文:上村裕香)

 

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  • 上村 裕香Yuuka Kamimura

    2000年佐賀県生まれ。京都芸術大学文芸表現学科2020年度入学。

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