REPORT2022.12.02

デザイン

学生のデザインが京阪百貨店を華やかに。-「Fun!Fun!Fun!CHRISTMAS 〜たまらなく楽しいクリスマス〜」

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  • 京都芸術大学 広報課

キャラクターデザイン学科 2年生の岸本志乃亜さんが制作したビジュアルが、京阪百貨店の2022年クリスマスに登場。11月3日(木・祝)から12月25日(日)まで、京阪百貨店守口店ほか各店舗にて館内を彩ります。

今回、京阪百貨店から、「京阪グループの叡⼭電⾞沿線で学ぶ若い⼈材が活躍する場を提供したい」と本学にお声掛けいただき、社会実装プロジェクトが実現。キャラクターデザイン学科でメインビジュアルの制作に取り組んだ様子をレポートします。
 

今年こそ、クリスマスを楽しんでもらうために

まずはオリエンテーション。2022年7月、京阪百貨店 営業政策部宣伝担当の岡崎様、高岡様に本学まで足を運んでいただき、本学に依頼した背景に加えて、京阪百貨店の紹介、百貨店でのクリスマス商戦の意義についてお話しいただきました。協働して作り上げたいクリスマスのメインビジュアル、そのテーマは「Fun!Fun!Fun!CHRISTMAS 〜たまらなく楽しいクリスマス〜」。コロナ禍でいろんな活動が制限されてきたこの2年、今年こそクリスマスを楽しみたい!そんな思いをビジュアルで表現してほしいとのことでした。

オリエンテーションの様子
これまでの例を紹介


単にテーマに沿ったビジュアルを制作するだけではありません。そのビジュアルがクリスマスにどのように装飾されるのか、どんなグッズに展開されるのか、先の展開まで見据えたビジュアルを作るために、京阪百貨店守口店を視察しました。京阪電車守口市駅に直結した大きなエントランスやそこに常設されるショーウインドウ、店内の装飾やバナーなど、現地に行ってはじめて把握できることがあり、イメージも膨らみます。参加した学生からは「どの客層が多い?」、「このウインドウでどのような活用ができる?」など、多くの質問が飛び交いました。決まっているテーマに加えて、展開される先のリサーチも行われると、いよいよビジュアルの制作へ。学生それぞれがテーマから自身の作品を制作するためのコンセプトを考え、デザインしていきます。

守口市駅直結のエントランス
店内もしっかりチェック


クリスマスにぴったりなメインビジュアルへ

9月、参加した学生16名から18作品が出揃いました(※2作品を用意した学生が2名)。コンペ形式によりビジュアルを選考していきます。京阪百貨店役員の審査に先行して、まずは一次選考で18作品から5作品に絞り込まれました。ビジュアルはもちろんのこと、そのビジュアルを作るに至ったコンセプトやそのビジュアルの展開などをひとつのプレゼンシートにまとめて提出。デザイン性(クリスマスメインビジュアルにふさわしいか)、テーマ性(今年のテーマに合致するか)、新規・革新性(これまでにない新しさ、ユニークがあるか)、実現可能性(装飾やノベルティなどへの展開の可能性はどれくらいか)の4つの評価軸から、京阪百貨店 営業政策部宣伝担当6名の方から評価いただきました。一般的なコンペであれば主催者や審査者から評価・コメントをもらえるのは稀ですが、今回は一人ひとりに向けて作品のコメントをいただけることに。厳正な審査の結果、中根藍奈さん、馬場彩矢香さん、ムンギョンベさん、作田茜さん、岸本志乃亜さんの5名の作品が一次選考を通過。続いて、役員に向けたプレゼンテーション・審査へと進みます。


選考作品(全18作品)

石村葵
大岩千紘
岸本志乃亜
木村玲那
ゴカエイ
齋藤凛
坂下碧
作田茜A
作田茜B
鈴木耀太
玉城朱梨
長尾歩美
中根藍奈A
中根藍奈B
馬場彩矢香
東里香
ムンギョンベ
ヤンショウセイ


10月、ついに今年のクリスマスメインビジュアルを決める最終審査がやってきました。プレゼンシートには、ビジュアル、コンセプト、そして装飾やグッズの展開も盛り込み、各自の持ち時間で最大限の発表ができるよう準備しました。最終審査はオンラインでの実施。コロナ禍でオンライン授業が一般的になったとはいえ、やはり対面とは違った緊張感がありました。一次選考に残った5人による京阪百貨店の役員に向けての発表では、ご自身でも絵画を描かれたり模型を作ったりすることもあるという京阪百貨店役員の山田様から、制作意図や色使いに関しても鋭い質問が。担当の太木准教授からの指導もあり、質問に対する受け答えは役員を唸らせました。最終的には、「たまらなく楽しいクリスマス×おもちゃ箱」と題した岸本志乃亜さんの作品が選ばれましたが、どの作品も甲乙つけがたく、最終1案を絞り込むのは難航したようでした。最終作品決定後に改めて京阪百貨店と打合せし、岸本志乃亜さんの作品の世界観を活かした空間づくりや、グッズ作りに取り掛かりました。

最終審査の様子
   採用された岸本志乃亜さんのデザイン


サンタさんとその仲間たちが運んでくれる、たまらなく楽しいクリスマス

2022年11月3日(木・祝)より、京阪百貨店守口店ほか各店舗にて館内装飾が開始されました。岸本志乃亜さんがデザインしたキャラクターがウインドウディスプレイやメインディスプレイにてお披露目されています。こちらの記事にある店内装飾のほか、限定のお買い物袋、チャームなどの展開があるとのことです。

ショーウィンドウにはサンタさんたちが。
賑やかなエントランスが完成!


デザインが採用された岸本志乃亜さん、担当教員の太木裕子准教授から、今回の取り組みについてコメントをいただきました。

岸本志乃亜さん


このお話を頂きどんな絵を描こうかと悩んでいた際、第一に見た人を引き込む世界観を作りたいと思いました。京阪百貨店さんからは『窮屈なコロナ禍のクリスマスを抜け出してお客様に楽しんでいただきたい』という考えと『Fun!Fun!Fun!CHRISTMAS』というスローガンをいただいていたので、そのイメージに合い且つ自分らしさを出していくためにはどうすればいいのかと1ヶ月ほど試行錯誤しました。動物の種類はどのくらい出すのか・服や小物などは身につけさせるべきか・表情の作り方や顔のパーツの有無などはどうするのかなどキャラクターに個性を出しつつ統一感を持たせるという点が一番難しかったと思います。周りの子達が世界観を固めてラフを提出するタイミングになっても私だけ納得のいくラフが完成せず、先生と約束していたラフの提出日直前になってもキャラクターを一から描き直ししたりしていて、世界観に関してはかなり四苦八苦していました。

このような過程を経て最終的に描き上げた今回のキービジュアルには「おもちゃ箱からサンタさんとその仲間たちが最高に楽しいクリスマスを運んでくる」というストーリーがあり、この絵に触れた方々には大切な人とたまらなく楽しいクリスマスを過ごしてほしいと思っています。先日実際にこのキービジュアルを使っていただいている様子を現地に観に行ったのですが、お客さん達がキャラクターを指差して何かお話をしていたり、好みのキャラクターを選びあったりしていて、こんなに本望なことはないなととても嬉しく思いました。

今回のような機会をくださった京阪百貨店の皆さまと最後までフォローしてくださった先生や大学職員の方々に大変感謝しています。ありがとうございました。

キャラクターデザイン学科 太木裕子准教授


キャラクターデザイン学科では学科の授業でインプットをし、ゼミではアウトプットを行っています。グラフィックデザインゼミではロゴやポスターをはじめキャラクターをつかったさまざまなデザインをこれまでに行ってきました。結果としてアウトプットされるものはいろいろありますが、全体を通じて思うことは、社会実装のプロジェクトに参加することで、デザインの力だけでなくコミュニケーション能力やスケジュールの管理能力などたくさんの力を求められます。それらすべての工程を通じて本当のものづくりを知ることができるまたとないチャンスだと考えています。

キャラクターデザイン学科で取り組んだ、京阪百貨店のクリスマスのメインビジュアル制作。岸本志乃亜さんが考えたキャラクターたちが京阪百貨店でお待ちしています。お近くの方はぜひ足をお運びください。

京阪百貨店(期間限定の特集ページ)
https://www.keihan-dept.co.jp/moriguchi/news/event/018933/


皆さま、「Fun!Fun!Fun!CHRISTMAS 〜たまらなく楽しいクリスマス〜」のテーマ通り、楽しいクリスマスをお迎えください!

 

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