SPECIAL TOPIC2023.11.08

2024年4月から「映像コース」新設 —フジテレビ共同開発の学位プログラムで「映像力」を磨く

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  • 上村 裕香

2024年春、完全オンラインで「映像」を学ぶ学士課程「映像コース」(正式名称:通信教育部芸術学部デザイン科映像コース)を開設します。本コースでは、動画配信サイトの普及により、だれでも手軽に自己表現ができるようになった現代だからこそ求められる、映像を社会に活かす力を育成します。
多くの映像コンテンツを制作してきたフジテレビと共同開発した学位プログラムで、映像のプロフェッショナルを目指す方だけでなく、日々の生活や仕事において映像の力を活かしたい人にも広く門戸を開きます。


2023年10月5日に開催されたメディア発表会には、本学の上田篤副学長、映像作家であり通信教育部・芸術学部で教鞭を執る丹下紘希教授をはじめ、映像分野の第一線で活躍されてきた講師陣が集まりました。

 

新しい時代の映像制作を担う人材の育成

吉川左紀子学長は開会の挨拶で「本学の通信教育部は1998年にスタートしましたので、今年で25周年になります。芸術学科、デザイン科、美術科、芸術教養学科という4つの学科、17のコースで現在1万4000名近い学生が学んでいます」と通信教育部の沿革を振り返り、「完全オンラインの通信教育には、ここ数年の間に本学でつくりあげてきた新しい芸術教育の形で取り組んでいます。通信教育部のはじまりからいままで、学生数は10数倍になりましたが、丁寧な添削と指導には定評があります。来春スタートする新コースでも、これまでに積みあげてきた通信教育のノウハウを活用して、満足度の高い教育を進めていきます」と今後の展望を語りました。

 

つづいて、株式会社フジテレビジョン 専務取締役 大多亮氏は「フジテレビは開局65周年という節目の年を迎えました。65年間、365日ほぼ24時間休むことなく映像を放送してきました。そのジャンルはドラマ、バラエティ、報道、スポーツなど多様な分野に渡ります。この映像を作る力、制作する力がフジテレビの最大の武器であり力だと感じております」とアピール。

 

一方で、「映像制作の場所や手法が大きく変わっている」という昨今の変化にも触れ、「15秒や30秒の短い動画がスマホで撮られ、スマホで投稿される。そういった時代の映像の変化に対応するノウハウが必要になります。新しい時代の映像制作を担う人材の育成を、大学教育という形で、京都芸術大学といっしょに取り組んでいくということは、フジテレビにとっても未来を担う重要なことだと思っています」と語りました。


 

映像を『みる』『考える』『つくる』カリキュラム

株式会社フジテレビジョン ビジネス推進局 IPプロデュース部 部長であり、通信教育部・芸術学部の下川猛准教授は「映像を『みる』『考える』『つくる』を通じて、日常に活かせる思考や企画・表現力を身につけることを、カリキュラムのテーマに据えています」と説明。

コース全体を通した特徴は、大きく分けると3点です。

1、スマートフォンから映像制作の基礎を学ぶ

スマートフォンのカメラ機能や編集ソフトを使って作品課題に取り組みながら、基礎から高度な専門知識・表現技術まで段階的に学べます。

2、あらゆる映像の思考法と企画・制作プロセスを体系的に身につける

映画・ドラマ、コメディ、ドキュメンタリー、広告、ミュージックビデオ、SNS動画、アニメーション、アート領域など、あらゆる映像ジャンルの映像の企画・制作プロセスを体系的に学べます。

3、著名クリエイター多数出演、フジテレビ制作による動画教材

日本の映像コンテンツ文化を牽引してきたフジテレビのプロデュースによる完全オリジナル動画教材で、初心者でもいちから「楽しく」そして「深く」学べます。
講師陣は国内外の第一線で活躍する、映像のプロフェッショナル。映像作家、プロデューサー、クリエイティブディレクター、小説家、キュレーター、評論家など幅広い分野から集結。

講師陣の詳細はこちらをご確認ください。

 

 


コースの学びにおいて重要な言葉が<映像思考>だと、丹下教授は語ります。<映像思考>とは、映像クリエイターの思考プロセスを活用し課題解決する力のこと。
丹下教授は「ぼくは映像を使って社会問題をどう解決していくかを考え、実践してきました。社会の中で複雑な言語機能を果たす映像は、人と人をつなぐメディウム(媒介)として存在し、それがメディアとなっています。わたしたちの未来をつくり、抱える問題を解決することに役立つよう『映像とはなにか』を考え続けていきたいのです」と、「映像コース」の基本理念を述べました。

 

カリキュラムにおいては、4つのステップを用意しています。

 

ステップ1:映像とはなにか、その可能性と多様性を知る

丹下教授にご担当いただく「ミュージックビデオ」の講義や、作家・クリエーターのいとうせいこう氏が担当される「エンターテインメント・コメディ」の授業で、映像の多様性を知ることができます。

 

ステップ2:制作方法や企画開発を学び、実践的な技術と手法に繋げる

「シナリオライティング演習」などを通し、制作方法や企画開発を学びます。

 

ステップ3:企画を立て、映像の役割を追求し、<映像思考>を磨く

「ノンフィクション」「メディアとアート」などの授業での企画立案を通して、4年次の卒業制作に向けて学びを深めることができます。

 

ステップ4:映像による自己表現を行い、個人と社会と関わり合う

卒業制作とプレゼンテーションがカリキュラムの主な内容です。自分で企画をプレゼンする力を養い、プレゼンした企画をもとに、実際に卒業制作として動画を制作します。

 


下川准教授は映像コースについて「『映像力』を日々の生活に活かしたいという方や、映像業界でのキャリアの幅を広げたい方、YouTubeなどの映像プラットフォームを通じて表現活動をはじめたいという方も、ぜひ本コースに応募していただければ」と強調しました。

映像コースの詳細はこちらをご確認ください。

 

 

映像の力を学び、新しい未来をつくる

発表会の後半では、「未来をつくる映像力とは?」をテーマに、下川准教授がファシリテーターとなりトークセッションが行われました。参加した講師陣は鈴木おさむ氏(放送作家)、大島新氏(ドキュメンタリー監督・プロデューサー)、菊間千乃氏(弁護士)、いとうせいこう氏(作家/クリエーター)。

 



第一問の問いは「映像が叶えられることとはなにか?」。
放送作家の鈴木おさむ氏は「ぼくは、動画と映像ってちょっとちがうと思っていて。今回、授業を映像として届けることはコロナ禍の授業動画とはちがうと思うんですね。ぼくは90年台からテレビをつくることに携わってきて、サイドスーパー1個、テロップ1個、どうやって入れて、なにを伝えるのかということを考えてきた。テレビって制作能力はすごく高いと思うんです。だから、今回フジテレビさんとタッグを組んで授業を映像で届けるなら、編集を含めて伝え方を変えたり、新しい授業の形を映像として作っていったりしたいですね」と話しました。

 

また、ドキュメンタリー監督・プロデューサーの大島新氏は「映像の力は、まれに他者の人生を変える力がある」と語り、「わたし自身も映画やテレビでそれを見る前と見た後で景色が変わるようなものが好きなんですね。たとえば、わたしが撮った政治家や選挙を扱ったドキュメンタリー映画を見て、『監督の映画がきっかけで、統一地方選挙に出ました』って言ってくれた人が2人もいました。そういった映像の力を伝えていければ」と経験談を披露しました。


2問目の「このコースで学生たちに学んでほしいことは?」という問いについて、弁護士の菊間千乃氏は「学生といっても、高校を出てすぐ入学される方ばかりではなく、社会人の方や、すでに映像作品をつくってYouTubeに投稿しているという人にも応募していただければと思います。その中で、『なにかを表現することはだれかを傷つけてしまう可能性があるんだ』ということを心の片隅に自覚しながら、自分の表現をどう磨いていくかが大事かなと思っています」と語りました。


 

同様の質問に、いとうせいこう氏は『コントを撮る』という視点から回答。「ぼくは『コントをどう撮るか?』っていうことをひとつのテーマにしています。たとえば、なにかおもしろいことを言った人をワンショットで撮るのか、あるいはそれに反応を含めたツーショットで撮るのか、もっと俯瞰で全体を撮るのか。そういうことを毎日のようにテレビを制作する人たちは考えているわけですね。その高い技術を学生が会得し、スマートフォンで撮影することなどを通して新しい撮り方が生み出されたら、それはすばらしいことなんじゃないかと思っています」と学生たちが現代における映像の未来を切り開くことへの希望を述べました。


発表会の最後には、映像コースの今後のイベントが案内されました。映像コースでは11月のオンライン一日体験入学の開催を経て、12月上旬に募集要項を公開、1月中旬に出願受付が開始されます。

オンライン一日体験入学

タイトル:「あなたにもできる!「面白い映像」企画の作り方」

開催日 11/19(日)10:00-11:30
担当教員 丹下紘希、下川猛、竹村武司、藤井亮
授業内容 今回の体験授業では、ユニークな企画力が光る映像作家・藤井亮さん、放送作家・竹村武司さんをゲストに迎えて、「面白い映像」の企画の立て方を学び、簡単な映像の企画を一緒にやってみましょう。物事を違った角度から見て、映像で表現する楽しさを是非体験してください!
時間 10:00-11:30
申し込み https://www.kyoto-art.ac.jp/t/briefing/1day-autumn/

 

映像の力を磨いて仕事に活かしたいという方、日々の生活を豊かにしたいという方、新しいコースで全国の仲間とともに学んでみませんか?

  • 上村 裕香Yuuka Kamimura

    2000年佐賀県生まれ。京都芸術大学 文芸表現学科卒業。2024年 京都芸術大学大学院入学。

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